「今のおまえはな・・・自分を可哀想だと思って、甘やかしているだけだ」
さすがminoriの一言に尽きる。
挫けて立ち止まっている主人公が、再び前を向いて歩き出そうとする成長を描いた物語。
ファンタジー要素は皆無で、ド派手な展開なども無く、あくまで淡々と物語が進んでゆく。それが何故ここまで胸を打つのか。
きっと、大多数の人が共感できるからであろう。
誰しも挫折を味わったことがあると思う。そしてそこから何とか立ち直ろうと藻搔いたこともあると思う。この主人公と同じように。
一言感想の台詞は本編である人物が放つ、厳しい一言である。私は天啓を打たれたような気分になった。
決して楽な道では無いと思う。つらいこともたくさんあると思う。
それでも、その先には、ささやかかもしれないが、優しい、優しい祝福が待っているに違いない。まるで春のような。
そしてそれはいつでも始められることができる。
春は、いつでも始められる。