とりあえず本編のみの評価で
地雷を予想していただけに、プレイ前に感じていたより大分マシな出来でした。
でも完成度はつり乙シリーズやおとぼく2などには遠く及ばない印象。
変にシリアスな展開なんて要らない、キャラが可愛けりゃある程度許せるって人にはオススメできる。
主人公はダントツに可愛い!けど、調理師っぽくは見えない。口調もこのビジュアルとは若干違和感がある。
ヒロインにはもうちょっと表情と動きが欲しかった。
システム面は良好、気に入らなければ主人公のボイスカットも多分できたハズ。
攻略順は基本誰からでもOKのようです。
・個人的に気になったこと
1.主人公が女装してまで入学する動機の薄さ。
職場の元先輩の代役と雇い主の命令(娘の様子見てきて)ってだけです。
そのためか本人の罪悪感やもしバレたらのドキドキ感は弱め。
2.学園生活の描写少ない。
作中主人公もこういってます。「考えてみれば、私の学園生活って授業を別にしたら、調理と学生会の活動で大部分を占められてんだな」→ホントそれ以外のイベントはごくわずか。
海や映画館でデートとか勉強会・クラス行事、運動会等そういうの無いです。面白い担任やクラスメート、ライバル、敵キャラとかも無いです。ほか、強い絆で結ばれた主従関係や美しい友情劇、お姉様との姉妹愛?といった要素は皆無です。
3.バレ方の酷さと告白
他の方も言われてるように、何の脈絡も無く突然バレシーンに突入します。
そしてバレから大体15分位で殆どのヒロインから告白即エロシーン突入です。
あるヒロインの言葉を借りるなら「う、そ…え、どうして」そんな気持ちになります。
4.作品テーマが見当たらない
つり乙なら服、このメーカーの過去作なら花や芸術等中心になるものがあるじゃないですか
本作の主人公はお菓子作りはすでにプロレベルだが、誰かと切磋琢磨しあったり、賞を狙ったりする訳ではない。
かといってお出迎え会や姫の扱いも軽いので別にメインって訳じゃない。そこに物足りなさを感じた。
5.姫という称号
正直エルダーの劣化版にしか感じられなかった。姫に選ばれることで何か栄誉や特権が得られるのだろうか。
その魅力が全く伝わらず人気投票位の印象になってしまってる。
一般学生同士の競争もなく実質生徒会関係者からしか選ばれてないのも問題ではないか?
6.バレ後の性急な展開と路線変更
特に皐月と咲夜ルートは突如エロ方面に特化する。
(エロ以外の)盛り上がりそうなイベントがあってもすっ飛ばし、即解決、後日談として語られることに。
共通部からややそうした傾向はあったが、まだ丁寧に書いていたんだなと気づく。他の子のルートがまだマシに見えてくる。
「どうしてこうなった」と何回つぶやいたことか…
7.どこか抜けてる主人公
基本気の利くいい奴だけど、お前自分の正体隠す気あるのかよっ、と何度か言いたくなる。
感の鋭そうなお姉様と積極的に関わったり、あげく危険な誘いを断りきれなかったり、携帯はさすがに替えろ、洗濯は事情を知ってる天道さんに協力してもらえばいいのにと思った。まあ、女装潜入モノだから多少は仕方ないですけどね。
8.隠しシナリオ
これを蛇足と捉えるかは人によると思います。やりたいことはわかるが、テキストにクドさというか、わざとらしさを感じたため自分は感動できなかった。ちょっと長いのでもっと簡潔にまとめてこそ良エピソードになったように思う。
9.舞織さんが攻略できないバグと巨乳しかいない
ファンディスクで出すんだろうけど、このメーカーのファンディスク大体手抜きになるから今回入れて欲しかったな。
ヒロイン1人1人のルーツや背景と個別ルートをもっと丁寧に書けば、女装ものの中でも良作の部類になれたと思うだけに残念だ。でもensembleの中では久しぶりに楽しめた作品だった。