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仁乃さんのかみぱに!の長文感想

ユーザー
仁乃
ゲーム
かみぱに!
ブランド
Clochette
得点
81
参照数
1491

一言コメント

生まれて初めて御神体をぶち壊したくなったゲームです

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

とりあえず、御神体について語るにはネタバレするしかないので、ネタバレにチェック入れておきます。
まぁ、一番印象に残っている感情は、上記の通りです。誤解しないように言っておきますが、古依が悪い子ってわけじゃないので。それと、印象としては、pulltopのゲーム「ゆのはな」の理不尽さを10倍くらいアップさせた感じのゲーム、ですかね。
とりあえず、同じクロシェットの比較対象として、スズノネセブン!(今はそれしかないですが)と比べて、どのルートもある程度安定していたスズノネと違い、攻略に制限のかかっていない3人(特に乃々香と天音)のルートは(ヒロインが好みじゃなかったのも大きいとは思いますが)正直微妙だった(むろん、できないレベルではない)のですが、スズノネとは比べ物にならないボリュームの多さ(これで普通くらいだとは思いますが)や、恵、古依のルートがしっかりしていたので、足し引きして、1点だけスズノネより上にしておきました。
個別評価としては
乃々香…じつはあんまり覚えていないというオチ…。こういうのは、私としては珍しいんですけどね。とりあえず、神社の掃除とかよくしていたのは覚えています。でも、印象としては、ストーリーよりもキャラを楽しむ感じだった気が。
天音…スズノネでも唯一美奈都のルートだけなじめませんでしたし、この声優さんとは相性悪いのでしょうか…。キャラに全く魅力を感じられず。むしろ、がんばってスト起こしていた古依の方が印象深いというオチ。ただ、そのストも、何か中途半端さを感じてしまい、ちょ~っと途中中弛みっぽく感じてしまいましたね。
瑞希…序盤の兄をいじめる恐ろしさが完全に定着してしまい、どうにも和解してからも、喧嘩してそのまま、またすれ違いそうで、どっちかって言うと不安だった印象が強いです。それでも、素行不良からくる誤解に信頼と友情とお互いへの想いで立ち向かってたのとか、兄妹愛で引き離されないようにと節に願うのは、よかったとは思います。
恵…このルートあたりからですね。剣の御神体ぶっ壊したくなったの。あんな幼い子供にあの誓約はどう考えても重すぎる…。記憶を失う恵の恐怖を見ているのは、さすがにちょっとつらかったですね。しかも、途中忘れたり思い出したりして、それで苦しむ恵がなおのこと見てられないです…。ただ、最後古依と三人で立ち向かっていたのはなかなかによかったですけどね。かけた御神体に不敵に笑う古依に合わせて、こっちまでニヤリとしてしまいましたし。ただ、神社で直接対峙した際に、途中経過で何があったのかが微妙に謎なのだけが気になりましたけどね…。
古依…最初こそ天罰天罰理不尽だと思ってましたが、いつの間にかそういう思いも和らいでました。それに、このルートが一番良かったですね。ただ、やっぱり御神体ぶっ壊したい…って、やってる途中思い続けてたら、なんと智之が直々にぶち壊してくれましたね。あれはちょっとだけですが気が晴れましたよ。それでも、再起不能になるまで粉々にしたいと思わなくも…。幼い恵にあり得ないほど重い誓約を結ばせたうえに、古依みたいな、本当にいい神様を、よりにもよって封印していたような、極端なこと言ってしまえば邪神ですし。使命に忠実な、機械みたいな神なんだなって、わからなくもないのですが、それでもやっぱり腹が立ちました。
それにしても、古依、というか、際限なく生き続ける者の悩みとでもいうんですかね?どれだけ愛しく思おうとも、自分にとっては一瞬と呼べるような時間のうちにいなくなってしまう、それでもいとしく想い添い遂げるのかどうか…まさしく神と人との悩み、ですね。それに、ラストの智之のために消える覚悟をした古依とかには、さすがに感動しましたよ。たとえ一時でも、古依にはめいいっぱい幸せを感じていてほしいです。