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仁乃さんの涼風のメルト -Where wishes are drawn to each other-の長文感想

ユーザー
仁乃
ゲーム
涼風のメルト -Where wishes are drawn to each other-
ブランド
Whirlpool
得点
89
参照数
2022

一言コメント

個人的にはwhirlpool最高傑作。それでも、詰めに若干甘さも…

長文感想

今回は、ストーリーが今までで一番練られており、今までで一番しっかりとしたストーリーになっていたように思います。
それは、今までいたくぅやアリシアといった謎キャラをあえて用意せず、それらすべてを伏線に回していたのも大きいんじゃないかと思います。
構成だけ軽くバラしてしまいますと、今まで通りハプニングを解決しながらヒロインと彰人の絆を深める第1部と、過去語りと精霊、そしてヒロインとの絆を描いた第2部の、2部構成です。
その2部構成が見事に機能しており、それだけで各ルートに奥行きを与えられていたように思います。
ただ、個別ルートでも書きますが、若干最後の最後でちょっと無茶した感がありました。
あ、全体を通しての部分の最後に、クリア後OP、できればfullver聞いてみてください。聞こえ方が全く変わってきます。確かに精霊(友達)だって思います。
あ、それから、クリアしたら、77見たく、メッセージボックスの右下隅がショコラです。クリックしてあげてください。吠えます。

捺菜…この子、もしかしたら本人と涼のルート以外だと…なのかもしれないな~と思うと若干切ないです。一見するととても強い娘なのですが、実はそれが弱さなんだな~というのがよくわかります。
佳華…いや、ぶっちゃけこのルートが一番びっくりしました。いや、まさかこう来ますかと…。解決法も、一番面白かったというか、なんとなくすんなり受け入れられました。過去語り編は、純粋に伏線消化に大半費やされていましたが、それはそれで作品全体としては重要なことなので、それでいいのかな~と。
羽衣…優衣かわいいよ優衣。…と、個人的な感想は置いておくとして、精霊そのものに一番焦点が当たっていたのはこのルートなのかなぁって感じです。その分若干事態の解決が場の流れ任せ的な感じもあったのですが、まぁそもそもがそもそもなので…。
そして、倉庫探検したり、絵本によろこぶ優衣かわいいです~。
月音…先輩ルートが、絆語りとしては若干異質で、彰人&先輩の行動も若干異質です。とうか、この2人に関しては、過去編が本編といってもいいかもしれません。
一応伏線になってはいますが、正直プレイ最中にそのこと自体は分かりにくいので、純粋にその場の流れを楽しめばいいと思います。
涼…まさしくWhirlpoolらしい神様。なのに、自分の意思でガンバってらしくないよう演じようとしていた健気な娘。でも、全く演じられていなかったという…。
絆語りの伏線がある程度きちんと消化されますが、最後の最後で若干超展開(神様いる時点でそこを語るかと言われそうですが…)、それさえなければ余裕で90overの得点付けてただけにおしいです。いや、別に悲恋で終わらせろとかいうわけではないのですが、涼の扱いが最後の方若干適当というか、演出に凝りすぎたというか…。