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仁乃さんのましろ色シンフォニー -Love is Pure White-の長文感想

ユーザー
仁乃
ゲーム
ましろ色シンフォニー -Love is Pure White-
ブランド
ぱれっと
得点
87
参照数
2410

一言コメント

いやはや、まさかこうなるとは…

長文感想

とりあえず、展開に意外性があったわけじゃあないんです。というか、桜乃、アンジェ、愛理と順当に終わらせていく限りでは、そこそこシナリオの良い、予想どおりな感じのお目当てな萌えゲぐらいな印象でした。
…でしたけど、みう先輩のルート入った瞬間がらっとその評価は変わっちゃいました。細かいことは後で書きますが、なんか一つだけクオンティティもクオリティが飛びぬけてたように思います。
さて、とりあえず全体の話だけ軽くしますと、共通ルートの短さと個別ルートの長さは評価に値するかなと思います。共通あんまり無駄に長くても疲れるだけなので。といっても、そこにきちんとした意味があれば、長くてもいいんですけどね。この作品のシナリオからして共通ルートを長引かせることにそこまで大した価値がないと分かっているからあえて短くした、っと言うのは評価すべき点だと思います。
あと、このゲームの主題が、実は、「変わらないものなんてない」なんじゃないかな~なんて思ってます。新吾やヒロインたちのの成長っていう点に、目がいきがちにはなっちゃうと思いますけどね。
さて、ここからは個別の話に移りますが
愛理…予想より展開が早かったような気がしますが、案外あんなものなのかもしれませんね。というか、共通の時点で多少緩み始めていたのでもしかしたら、とは思ったんですけど、個別ルートにいざ入ってみると…って感じでした。初めのうちは少しくらい突っかかってくるかと思ったんですけど、一切なかったですし…。
で、肝心の中身ですが、母親との問題についてはうまく片を付けたな~ってな感じでしたね。ただ、基本的に話の骨格は、デレる愛理がかわゆいのです~ってなだけだった気も…。とはいうものの、終盤の演出は見事なもので、そこに関してはお見事の一言でした。
桜乃…意外と暗い、恐ろしいほどにルート全体が暗い…。なんというか、ただでさえアンジェとは対極のテンションにある桜乃。メトロノームとさえも言われたこの子の感情が乱れると、もうびっくりするくらい暗くなっちゃいます。しかも、このルートに限っては、周りの反応もかな~りあっち方面に傾いちゃってるので、ちょっとやっていて疲れるルートではありました。このルートがもう少し違う展開なら、もしかしたら90より高い点数をつけていたかも知れません。
アンジェ…断言しましょう。気楽にプレイできるレベルでは、4人の中でダントツです。というか、終始甘甘~な感じで、まさしく癒される~って感じです。むろん、多少の深さはありましたが、本当に感謝の気持ちとか、恋人の役目とか、大した深さではなかったです。ただ、ヘッドドレスにあそこまでの設定が必要だったのかだけは微妙に悩みますが…。
あと、私はあまりメイドが出てくるゲームはしないので新鮮なストーリ展開ではありましたが、皆さんの反応を見ているとそういうわけでもなさそうですね。
みう先輩…いや、とりあえず先にぶっちゃけちゃいましょう。終盤は盛大に泣きました。上記3ルートが泣く要素が一切なかったので完璧油断してたのですが、ぱにゃちゃんが恐ろしいくらいにルート後半にいい味を出してるんですよね~。ゲーム開始当初はただのかわゆいマスコットだとか思いこんでてごめんなさい、いやもう本当にすいません。ここは泣かせるつもりだって書いているところはもちろん、エピローグとか本気で不意打ちで泣きました。
で、前半ですが…ここだけは、ちょっとネタバレさせてください。実質紗凪ルート化しかけてました。むしろこの子のルートがないことがおかしいくらいに。その演出は、紗凪ルートへの分岐とかがあるならそれでよかったのかもしれませんが、ないということを考えると、やりすぎじゃないかというのが本音です。ぶっちゃけどう見ても紗凪と仲良しなのに、唯の憧れでいきなりみう先輩にくっついたみたいに見えました。その上みていて紗凪の恋を真剣に応援したくなってしまいましたし。ただ、その内容までは決して否定する気はありません。むしろ、応援してあげたくなっちゃうくらいに素敵な初恋だったと思うくらいですし、内容もとてもよかったと思います。
あと、もうひとつ不満点を挙げるなら、中盤の「初めて」を何度も失敗する演出にはぶっちゃけ必要性を全く感じられませんでした。あれ何であったんですかね?