ただただ素晴らしい。 (2/22追記・修正)
私が知る限り、こういったノベル系というかエロゲーのストーリー展開は君が望む永遠(以降君望)以前は分岐分散型のものしか見られなかったように思います。
つまり分岐した後は基本的にはどのルートもバラバラで、一部関係のあるキャラクター(ヒロイン)ルート以外ではお互いに不干渉になるというものです。
フラグを立てて分岐すれば特定のキャラの物語は進んでも、他のキャラはその他大勢と変わらない扱い。設定上で関係の深いキャラでもない限り、描かれていないのが普通でした。
君望の物語が他と違った点は、いうなれば大局普遍型?とも言うべきストーリーに仕上げられていたことです。
君望のシナリオはこれまでの作品のような分岐してはバラバラの物語が描かれていくのではなくひとつの大きな物語・流れがあり、各ルートに移った後はそのキャラ(ヒロイン)が物語の中でどう感じどう動くか、という風に進められています。
このようなつくりをしている作品は、近頃(?)よく見かける手法の「視点変更」を使っているソフトにちらほらと出てきているように思います。(私がプレイした少ない数の中では「Memories off ~それから~」「遥かに仰ぎ、麗しの」等)
完全に分岐しちゃう物語もSF仕立ての物語ももちろん面白い作品は多いのですが、小説・TVドラマ・漫画・映画 etcを見て「あー!もし、他の選択肢を選んでいたら!?」とifをついつい好んで考えてしまう人には、君望のような作品はたいへん面白いのではないかと思います。
個人的にはいらないシナリオが1つ、、、 マナマナはいりませんOrz
遥・水月・茜シナリオは甲乙つけがたく・・・ただEDだけで言うならばやはり水月なんでしょうか、絵本・ニュース等 かなり力が入っていると(いや普通に感動したんですが)思います。
メインの3人あるいは2人以外のシナリオが~と首をひねる方も多いようですが、やはり人間って弱いもんですから・・・逃げたくなるんじゃないかなーと。
自分だったら?と考えるとどうにも責められないというか、孝之くん大変デスネ。
一押しキャラ:茜
良かったシナリオ:水月>>茜>>>>>>色々>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>マナマナ
消し去りたいキャラ:マナ
100点じゃないのは完璧なゲームを認めていないから(減点したい要素もありますし)
95点でもないのは、明らかにその他の名作よりも優れている功績があると思っているので+1点。越えてくれる作品を望むばかりです
<追記>
君望を君望たらしめているポイントをもう一つ。
ストーリーの所でもふれているのですが、非常に高いリアリティを感じさせる物語であるというところです。
物語の性質上、孝之にはアクティブに選択する権利がありません。ほぼ常に「あちら」からの選択肢の提示に対して答えなくてはいけない、その連続。
そして分岐に入れば、否応なく選ばなかったメイン3人からの追求に晒されます。これでいいのだと思う反面で、これでよかったのかと問われる。
それはとてもリアルだと言えます。
そしてそのリアリティを好まない人が、実は結構多いのです。
大きく話題になった作品、大きな売り上げをあげた作品は1つのアーキータイプであるような扱いを受けているでしょう。これはエロゲー界の中だけに限ってはない摂理ですが
しかし、「君が望む永遠」はそうはならなかった。
エロゲー界に於いて、そのリアル志向はユーザー・プロデューサー両側からそっぽを向かれたのだろうなと思いました。
そして、この結論に行き着いたことでまた君望の得点を+1しました。
やはりこの作品はとても素晴らしい。