矜恃と家族と死生観の物語。この価格でできることを充分にしていたという印象。
話はメインヒロインのシロバナの一本道だが、送り人と魂人という設定において伝えられることは十二分に伝えられていたと思う。中盤はゆか、終盤はシロバナをメインに蒼空の送り人としての「矜恃」がよく描けていたと思う。
他ヒロインについて、七菜と鈴に関してはもう少し掘り下げて欲しかった。七菜は送り人としての成長に、鈴は魂人への向き合い方に焦点を当てて話を展開できた気もするが、この価格では難しかったんだろうか。
姉妹に関してはアレ以上引き伸ばされてもシナリオが冗長になるだけだと思うので、アレで良かったのだろうと思う。
話自体は感動でき物語の整合性という意味でも整ったレベルの高いものだが、他ヒロインのcgの少なさや立ち絵の不足感が足を引っ張ってこの点数。
まあそんなことはどうでもよく、最後の転生した白は人間、つまり魂人とか言い訳の効かないガチロリなわけで、蒼空はこれから10歳児と恋愛していくのかと思うといろいろ面白い最後だった。31歳(おそらくこのくらい)の蒼空には頑張ってほしい。