すべて綺麗にまとまった続編。
無印では敵対勢力として登場していたSSビッグスリーがヒロインとなった今作。他にもNLNSのアフターや待望のアサちゃん√など期待に不足なく応えてくれるシナリオでした。
・郁子
一番の常識人と名高い一番隊の中隊長。
つらい過去を持ち(今作のヒロインは皆これですが)、そのことにより誰よりもSSを家族として大切にする彼女の気配りのできる優しい性格や、恋心というものを知らず、ハーレムを容認していた彼女がだんだん淳之介に惹かれ人並みの恋をし、独占欲を持って行く過程は良かったです。
・桐香
SS代表兼水月学園生徒会長。
物語のテーマ上、各々なんらかのマイノリティーであるヒロインたちの中でも障がいという直球な属性付けをされている彼女。エッチシーンで自らア〇ペ発言していたときは少し驚きました。
階段が登れない、服が着れないと普通の生活を送ることができない彼女は、それでもそれを理解しようと努力する淳之介のため、克服を目指します。しかし、結局エピローグ時点でも桐香はそれほど成長できていないようでした。ここに、この作品のメッセージが込められていると感じました。無理に解り合わなくていい。理解しなくていい。ただお互いに許容し合おうという努力とその姿勢が大切なのであって、それは本当に理解してほしい人にだけ、理解してもらえばいい、と共通ルートを通して学んだ彼らだからこその姿なのだと思いました。
・礼
素直に一番感動しました。過去に深いトラウマを追った彼女の想いと、淳之介の懊悩。そしてその二人の親友であり、仲間であるヒナミ。告白シーンでの、淳之介がパイプ椅子を渡って礼の元まで駆けつけるシーンは、ヒナミ(彼女のシンボルであるパイプ椅子)が二人の橋渡しをしていることのメタファーなのかな、などと考えていました。
やはり、自分は幸せになってはいけないと決めつけているヒロインが主人公と幸福を掴む系統のシナリオはベタながらも私好みで、思わず目頭が熱くなりました。
NLNSメンバーのアフターも、無印の補完のようなものが多かった印象ですが、それぞれしっかりと幸せな最後を迎えることができていて良かったです。
それぞれの√で様々な未来を見せてもらいましたが、やはりグランド√の文乃アフターは、ぬきたしという作品の集大成という雰囲気が強く感動も一入でした。
とにかくどの√でも、青藍島のみんなは、これからも変わらず元気にやっていくのだという、そういう姿を見せてくれたこの作品に感謝です。