個人的なピークは三章。
辛い三章を乗り越えれば……という意見が多いようですが、個人的にはむしろ二章三章の狂気がピークでした。(SCA自が伝えたかったものではないのかもしれないが)
救世主として振る舞う卓司と、間宮(由岐)に恋し一人の乙女として生きていた頃から、絶望のどん底に叩き落とされるざくろ。この二人の変化が一番見ていて面白かったです。
四章からは……解決編のようなもので、これまで終ノ空を前に半ばバッドエンドのように終わっていた話がハッピーエンドに向かう物語ということもあり、良くも悪くもそれまでのような狂気が薄れ、言ってしまうと「よくある泣きゲー」に落ちてしまったという印象です。
辛口評価をしたものの、その「よくある泣きゲー」がよくあるわけではなく、普通に感動できるというだけで貴重だということも分かっているので、狂気と幸福、感動要素諸々含めて90点に乗りました。
後期ヴィトゲンシュタイン哲学やその他の文学要素については、直接的な点数への大きな変動は与えませんでした。
お気に入りのキャラは希実香です。世界の救世主であった卓司が最後、全てを捨ててまで希実香ただ一人にとっての救世主であろうとしたシーンは、もしかしたら四章以降よりも感動できるかも知れないですね。