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下総さんのHyper→Highspeed→Geniusの長文感想

ユーザー
下総
ゲーム
Hyper→Highspeed→Genius
ブランド
ういんどみる
得点
82
参照数
228

一言コメント

キャラクター一人ひとりのかわいさをしっかり出せていた最高のキャラゲー。特に水無月学園に関しては好きじゃないキャラがいない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 攻略可能キャラ10人ということで、最初は途中ダレるんじゃないかと不安でした。 
 しかしこのゲームは僕のそんな不安を軽々と超える女の子たちを用意していた。

 ビジュアルからかなり好みだった水無月学園の三人は当然として、あとの二校の子たちもその√にさえ入ってしまえばちゃんと僕の心を惹きつけてくれるだけの魅力を見せてくれました。
 聖女候補の三人はもちろん、補佐のそれぞれ二人もしっかりとした芯のある、強い意志を持っている子ばかりでした。聖ジュライ学園のサブ二人の√が短めなのは少し気になりましたが……。
 中でも特に好きだったのは詩子とパティ。

 シナリオが薄いかなとちらと思いはしましたが、まどろっこしいシリアス展開を長々とされるよりは、こうして短いながらも女の子のかわいさを引き出す日常シーンを書いてうまくまとめてくれている方が、個人的には好感触です。
 とにかく10人ものヒロインの攻略、最後まで飽きることなく楽しませてくれました。

 これにはやはり主人公が魅力的だという点も大きく関係しているでしょう。
 『高速思考』を用い策略を練り、利用できるものはなんでも利用するなどと悪い顔で笑いながらも、その仮面の下では誰よりも強く世界の幸せを願っていた、そんな優しい久四郎だからこそ、最後まで不快感なく付き合えたのだと思う。

 それと最後の光理√は、分かってはいても感動してしまった。
 これまで9つの世界の可能性を共に歩んできたパートナーと、満を持して結ばれる。嬉しさや喜びよりもなによりもまず、感慨深さが胸をいっぱいにした。

 ループ系では使い古された「各ヒロインとの思い出が蘇る」という展開も、しかしだからこそ何度経験しても僕の胸を高鳴らせてくれます。こういう熱い展開は何回やってもいいんです。