麻枝担当ルートが久弥担当ルートに比べてデキが悪いと思う。
舞ルートが顕著だけど、麻枝担当ルートには画面が真っ黒なシーンが多いし、文章で描写されたキャラの動きとグラフィックが連動していないシーンが久弥担当ルートより目立つ。
言葉選びも大げさで違和感があった。
共通ルートと久弥ルートでの名雪は否定的な言葉遣いをしてなかったのに、麻枝担当ルートでの名雪は違うってのもなぁ…。
久弥の文章も面白いというより、構想が良いんだと思う。
好きな食べ物とか口癖とかアイテムの使い方とかね。それらも今となっては何の希少性も無い構想だけど、当時のエロゲとしてはとても新鮮だった。
今でも良いなと思うのは、BGMと雪の白さ(塗り直されてるけど)。
あと、キャラの怪しい見た目とポンコツな設定が痛々しさを生み出し、シンプルで親しみやすいキャラクターを作り出している。それが閉鎖的なストーリーと強い相乗効果を発揮しているなと。
1999年のオタクとか今と違ってコソコソしていたから、Kanonが閉鎖的なストーリーではなく名無しキャラを巻き込むようなストーリーだったらウケてなかったと思う。
「俺はこんなに想って頑張ったんだ!だから皆さんも協力してこのコを助けてくれ!」みたいなね。
原作のまま、と言えば聞こえはいいけれど、教室とか食堂の背景グラフィックがみっともないので描き直した物にしたほうが良かったんじゃないかな。