"色々と出し尽くした"と言うだけの事はある、癖になる中二病の傑作。
POVでも書きましたが、推奨攻略順は美汐→エリザベータ→ジュン→マレーネ。
各ルートの雰囲気は、本作でいう所の±でいうとエリザベータ・ジュンがプラス寄り、美汐・マレーネがマイナス寄り(バッドエンドではないですよ)となっています。二・二で丁度バランスが取れていますね。
スタッフさん達曰く、"今回はグランドエンド的な物は無い"との事ですし、マレーネルートが今作の到達点という訳ではなく、各人が"自分にとってはこのルートが一番"でいいと思います。
美汐・エリザベータルートの後でも、オルフィレウスを倒せる可能性はある訳ですから。
・緋文字礼
「メンコって……あれだけシリアスだったのに残念な人かよww」とインパクトのある登場をした(実際は記憶喪失だった訳ですが)、主人公の親友ポジ件本作の真ヒロイン("ある意味では"とスタッフ公認)な人。
凌駕とはこの時から何ともホモホモしい……もとい仲睦まじい状態。作中でもそれをネタに切やエリザベータにからかわれ、ドラマCD『彼らの秘密の怪しい関係?』では、ジュンと美汐がホモネタ妄想を肴に意気投合しております。マレーネまで何やってんのメイン女性陣www
人が空を飛べる鳥に憧れ、"ああなりたかった、どうして自分はああじゃないんだ"と思うのは当たり前の事かもしれない。
だが、人類が気球や飛行機を作り出すまでに費やした努力と時間、それで世界まで変え、パイロットになろうとする人達が今でも努力を続けているのは、道具を使わずとも当たり前の様に飛べる鳥と比べて、無価値な物と言えるのだろうか?
真なる『不屈の男』の称号は、凌駕が言う通り彼にこそ相応しいのかもしれません。
・万里也ジュン
『武装錬金』の武藤カズキとかと仲良くなれそうな本作のメインヒロインその1。
ポジションとしては、Dies iraeだと香純、Vermilionだとアンヌ。
どちらもあまり扱いが良く無かったですが(ファンの方々すいません)、彼女は美汐ルートでは命と引き換えに美汐を救い、エリザベータルートでは烈風震脚が活躍、自身のルートは本作の最燃え展開で主人公と一緒に最終段階まで到達、マレーネルートでは"誰かの為でありたいという自身の真理の為には、時には立ち止まる事も必要"という課題を成し遂げ、全ルートで魅せ場があるという大金星を獲得しております。
凌駕並みの早さで殲機を手に入れ成長させたのはカレンの手助けがあったからとはいえ、その後実戦に入ってすぐにあれだけ戦えるのは、流石は凌駕と同様になるべくして刻鋼人機になっただけはありますね。
凌駕が他ヒロインと結ばれたエリザベータルート・マレーネルートでも2号の座を狙っており、凌駕ラブ度は攻略ヒロインの中で一番高い。個人的には凌駕と一番お似合いだと思いますし、ヒロインの中で一番好きです。
作中で自分の胸を美汐・エリザベータ・カレン・切と比較していたり、美汐に普乳呼ばわりされたりしていたが、彼女も充分巨乳の部類に入る事には何故か一度もツッコまれていません。
君ので普通なら、某死海さんはどうなるのよ……
・鵺乱丸
マレーネルートの最後を見た後だと、"結構頑固者だったんだなこいつ"と思いました。
考えてみれば、ただ『もうどうでもいい、楽に生きたい』っていうのだけじゃ輝装は身に付きませんしね。本人も、エリザベータルートの美汐VS乱丸で『昔は凄く真面目だったんだ』と言ってたし。
美汐ルートでの美汐VS乱丸も、互いの譲れぬ主義主張をぶつけ合う列記とした戦いだったんだなと。
・エリザベータルート
すっかりお熱になった凌駕君が青春パワー全開で口説きにかかったり、エリザベータが真に生きる為に立ち向かう本音が『凌駕に似合いの女になりたい』だったりと、何ともピンク色な空気が香るルート。
ラスボスはアレクサンドル。礼さん達刻鋼人機組だけでなく、マレーネと切の後方支援組にも魅せ場があります。特にマレーネと美汐がよくやってくれました。
・ジュンルート
殆どのキャラが力をフルに発揮する、Fateで言うとUBWに当たる最燃えルート。個人的に一番好きです。
特に見所なのは、このルートのラスボスであるオルフィレウスとの最終決戦。
そして、礼さんとイヴァンが魅せてくれる男の決着。
彼ら二人と比べてしまうと、同時進行する美汐VSエリザベータが少々拙い戦いですが、そこは本作で言う所のプラスとマイナス。これもまた、一つの物語です。
"正直、プラス寄りに働き過ぎじゃね?"と思いつつ楽しんでいたのですが、最後の最後でマイナス要因が出た事(まあ、万が一レベルの話ですが)でバランスを取った感じです。
・マレーネルート
マレーネじゃなくて礼さんルートじゃね? な、死にたくなかったら陣営関係なく戦い合えと強制される、FateでいうとHFな絶望感たっぷりのルート。
なので、プレイ当時は『ジュンルートの熱さに水を差すなよー……』と思い、特にジュンと美汐がどうなってしまうのかが気になって、そこまで一気にスキップしてしまう程でした。が、終わってみればこれも一つの物語だなと思えます。
他のルートならまだいいけど、オルフィレウスの手でこのルートの展開が作られたきっかけが、『最悪の絶望を与えてくれ』という過去の自分の望みにあったのだと突きつけられたら、そりゃ礼さんもあれだけ嘆くよ……
人間の弱さを受け入れ、+も-も併せ持った念願の"普通の人間"になる事が出来た凌駕が、今ルートの最後に辿り着いた境地……それは言わば、中庸(0)にして無限(∞)のアイン・ソフ・オウル(000)。