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リオンさんの乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-の長文感想

ユーザー
リオン
ゲーム
乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-
ブランド
Navel
得点
100
参照数
898

一言コメント

「『トイレット・ユニット・エチケット』というのを考えたんだがどうだろう」

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

-68作品目-



メリル

久々にのんびり読めた気がする。
というのも今回、山という山はあるものの
相手が相手なので何となく大丈夫なんじゃないかな?と思える。

それに輪をかけてのんびりさせるのがこのヒロイン、メリル。
ルナ様並のデザイン力に加え、
独自のやり方で立体裁断まで完璧にこなすというチートキャラ。
ようは提出出来れば最優秀間違い無しだけど
その提出が出来るかどうかということなので、
今までやってきた「つり乙」の壁とは少し違う。(ルナ様√は重さが違う)
なので言ってしまえば中だるみしたようにも見えてしまう√だと感じました。

またメリル自身の性格もあって恋人のようなイチャイチャはほぼ無く、
Hも見方によってはエロくないAVみたいになっているので
そういった要素は期待しない方がいいです。
てかいくら知識が無いとはいえ前戯くらいしてくれ朝日。

僕は乙りろの後日談があることを既に知っているので
まあ...という感じですが、
もしこの作品をリアルタイムでやっていたらすごく不完全燃焼な気持ちになりそうです。

メリルがメイドを辞めさせられるところが一番のピークかもしれない。



ブリュエット

まあエッテですね。
こちらの√では一時的とはいえ兄2人と完全に敵対します。
まさか入院するとは思わなんだ...。

メリル√が全体的に和解の形で締めたのに対して、
こちらは敵対した後のいきさつが描かれないまま終わるので、
気持ち的にはすっきりしないかもしれません。
多分エッテ→メリルがいいんじゃないかな。

エピローグもエッテの魅せ場がこれから始まるという形で終わるし、
エッテ√の噛ませ感すごい...。笑



衣遠&駿河

√名で戦慄した。
どんな√かなとgkbrしましたが、
これは基本軸はエッテで、ただしくっつかなかった場合の物語ですね。
何も結末が無いということで、
2人と対立した後のエピローグが少しだけ描かれています。



ディートリンデ

こちらも軸は一緒ですね。
ですがお見合いの相手としてディートリンデが登場します。
しますが...それよりも、ヴァリーに驚きました。
元々のお見合いの相手が大蔵家だったこと、
日本語が話せること、
盟友同士ということで祖父からの依頼を受けていたこと。
特に日本語に関してはドイツ語のくだりで完全に油断していました。



りそな

出来が違う。
つり乙含めどの√よりも完成度が高かった。

まず読了感がまるで違う。
ここには書いていなかったものの、
リリアや華花さん、ディートリンデとヴァリーとの落ち着け方、
何より衣遠兄様が協力したうえでのハッピーエンドというのがとても気持ちいい。

絶望の淵に立たされた時、
ルナ様が出てきたというのも意表をつかれた。
あの時は正直眠かったけど目が覚めたね。
しかもここで前作主題歌のDESIREが流れるし、泣きそうになったよここは。笑

結末に至るまで様々な試練があったけど、
それを一つ一つ乗り越えていく様や、乗り越え方が熱い。
今まで誰も取れなかった「優秀」の評価を
授業の一発目でもっていくルナ様、さすがです...。笑

その壁を乗り越えていくなかで、
あの引きこもりだったりそなが前を向いたことによって
周りにもどんどん味方がついてくる。
精神的な成長が見られて良かったです。

ショーの解決の仕方も良いなと思いました。
ここで嬉しかったのはメリルの本心が聞けたこと。
やっぱり天才には分かるんだなぁということ。

遊星に掌返しした金子には色々な感情を通り越して笑ってしまったけど、
みんな仲良くなったので良しとしよう。

また、これは個人差があると思うけど
衣装がダントツで良かった。
勿論メリルの衣装も良かった。ただ僕はこっちのが好き。
対策ではないと分かっていても、散々ハードルを上げられていた遊星の衣装に
バタフライマスクが付けられているのもちょっと面白かった。

あくまでこれは外伝なので大蔵一族の正史ではないということが非常に惜しい。



全編を通して

とても面白かったです。
あくまでりそな√に限った話ですが
どこまでいっても切れることの無い大蔵一族の結末、
また衣遠や駿河との和解も描かれていて(アンソニーも忘れてないよ)、
大げさでは無く一つの物語として完結することを見届けられたことが良かったです。

ただ前述したようにあくまでりそな√だけなので、
りそなの攻略を最後に持ってくるかこないかによって、
乙りろに対しての満足度が変わってくるんじゃないかなと思います。

りそなが虐めをうける描写があるのも良いですね。
序盤マイナスから始まり少しずつ進むもクリスマスで落とされ、
そしてショーの前にもう一悶着。

特にリリアの存在がアクセントでした。
フフッ、が正直不快だったし
共通を含めどの√でも彼女の本音(目)が垣間見えたので、
どこで出るんだろと思いつつも朝日への勧誘。
あれ、こいつどういうキャラなんだ?と思っていたら
あの変貌ですよ。
華花の口調もりそなに言われるまで気付かなかったなー、驚いた。
個人的にはもし虐待じみたことをされているのなら
その肌を一瞬でも見るイベントが欲しかったなぁ。

まあこういったイベントも他√をやる前に回収すると後味悪そうなので、
必ずりそな√は最後にやってください、とだけ。



追記

お気に入りのBGMは「メヌエッテ」と
「PaPaPaPaParis」です。
感想を書く時にはメヌエッテを聴いています。
前作でも思ったことだけど、
音楽鑑賞画面からCG鑑賞に切り替えるとBGMが変わってしまうのはいいとして、
全√終わるまで音楽鑑賞モードが使えないのは勘弁してほしいな...。笑