久しぶりに夢中になれた作品
最近のエロゲには無いものを味わえた気がします。
新規ブランドにしてはという色眼鏡抜きにして良作だと言える作品でした。
グラフィックについては敢えて深く語る必要はないと思いますが、塗りが凄まじいの一言ですね。
背景に関しては言わずもがな。
また、エロに重きをおいた作品でないのにも関わらず、その蠱惑的な塗りから感じられる圧倒的な艶めかしさは幾分か実用性を引き上げるのに役立っているのが凄いです。
シナリオ描写は結構評価が割れているようですが。
個人的には、他作品に多くみられがちな、わざわざご丁寧に一から十までテキストに起こして蛇足に感じるような解説をつらつらと垂れ流されると情緒も雰囲気も台無しになってしまい好ましく思えない為、この作品独自のテンポや空気を伝わらせるといった意味合いでもこれくらいが丁度良く上手く調整できていると感じました。
その時々での音、背景、キャラの心理描写等の空気感・演出から得られる解説文以外の情報を読み取って考察していくというのは”ただ読み進めていくだけ”の作品とは違いとても楽しめました。
ただそれを踏まえた上でも言えるのが、各キャラもう少し掘り下げてくれても良かったんじゃないかな、と言ったところです。
特にヒロインがサブのミリャやトトも含めて全員魅力的であったが故に、もっと知りたい、もっと各√でのヒロイン関連の話を見てみたかったという感想に尽きます。
どうしても比重としてはグランド√へ向けてのお話が多くヒロインとのあれこれが少なかった為とても勿体ないと感じました。
各エンドがそれぞれ意味深でしたので、グランド√とは違ったパラレルでも良いので後日談みたいなのも欲しかったです。
ただのありふれたキャラゲーとは違い秀逸なシナリオゲーなのですが、同時にシナリオゲーだけで済ませてしまうには勿体ないくらい良いキャラが多いと強く感じたので矛盾を孕んだ感想にはなってしまうのですが、自分と同じような感想を抱いた人は少なからずいるんじゃないかなと思います。
と言う訳で、ミリャとトトちゃん√追加した上でFDお願いしますね。
(ユウは一応最後くっついてたけどここに含めていいのかな)