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バナナエースさんのこの世の果てで恋を唄う少女YU-NOの長文感想

ユーザー
バナナエース
ゲーム
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
ブランド
elf
得点
100
参照数
906

一言コメント

シュタインズ・ゲートやまどかマギカなどを見た時についこのゲームを思い出した人も多かったのではないだろうか

長文感想

時空ループものや多世界解釈モノはこの作品以前にもSF世界では多くあったが、
こういうADVゲーム文脈での「使い方」「見せ方」では後に与えた影響は大きいと思う 
 
シナリオそのものの完成度やストーリー自体は
今の基準でいえば多少、衒学的で時代的な陳腐さ、未完成かつ未洗練な部分も多いが、
単なるノベルや物語ではなく
あくまで「ゲーム」であるという視点ならば、
他の人もさんざん指摘している通り
ゲームシステム⇔シナリオ の必然性という点で
今でもYU-NO&A.D.M.Sを超えるものはなかなか無いのではと思う

確かに今のゲームはシステム周りも快適だし、
シナリオもこの時代より素晴らしく洗練されて大いに感動的だが、やはり
『これならゲームにしなくても、小説やマンガ、アニメでいいんじゃないのか?』
という疑問が頭をもたげてしまう 
そういう疑問へのある種の「言い訳」として、未だにこのゲームが取り沙汰される機会があるのが
このゲームのすごさでもあり、
実際にそれを聞いた現代の人がプレイしてみて(どうしようもない古さから来る難易度や非洗練性に)がっかりする点でもあると思う 

(ただ、昔はやたらと難しい事や煩雑に思えるやりこみ要素もADVの醍醐味でもあり、ある種ユーザーへのサービスでもあった事を記しておきたい)

それでも100点評価にしたのは、細かな不満はあれど、
このゲームで提示されたゲーム性とシナリオの融合という点で、
これを超えるアンサーがまだ提示されていないのではないか?という評価点の意味とした 

もちろん、まったく別のアプローチからゲーム性を突き詰めたゲームも他にもあれば
それはそれで100点であり、優劣ということではない