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ハゲ明さんの俺たちに翼はないの長文感想

ユーザー
ハゲ明
ゲーム
俺たちに翼はない
ブランド
Navel
得点
100
参照数
295

一言コメント

生きることにちょっぴり勇気をくれる作品。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 登場人物は学生から良い大人まで、多種多様だが、その全員が明日を鑑みない、刹那的な生き方をしてる。欲望に忠実というか...w
 そんでこの作品は、社会に対する一種のアンチテーゼとも言えると思うんだよな。
 刺さる人にとっては、現実を直視できない弱い登場人物たちの逃避する姿に、感化される。
 だから、人生に自暴自棄になってる時にやると、案外人生ってテキトーでいいのかもなって思えるようになると思う。
 だって、俺たちに翼はないんだから。なんちゃって。世界が平和でありますように。





点数が高い=シナリオが秀逸と思っていたのでシナリオでしかこの作品をと言っても5時間くらいは見ていなかったので序盤はあまり面白いなとは思えませんでした。
ですがやっていくうちにこれシナリオじゃなくてキャラとの掛け合いや世界観を楽しむゲームじゃないか?と気づいたら本当に面白いゲームだなと思えるようになりました。
まずはホーク編
世界は金色に輝いているのだーということで書いていきます。
まずタカシくん。自分は一回このゲームを挫折しました。なぜならこのタカシくんと彼の周りの空気があまり良くないのとグレタガルドとか言う訳のわからない妄想をしだすタカシくんに呆れてしまったからです。なので評価をするのは5章後の個別に入ってからのものになります。
と言う長ったらしい前振りはここまで。
まぁじゃあ京ちゃんから!
彼女はあれだね、感情の変化が激しい子だね。
ハイの時もローの時もどちらも手がつけられないけど側から見てる分にはとても面白かった。
タカシくんの多重人格のことも受け入れてくれます。
優しい子です。終わり。
感想が短いって?いやまぁねぇこれと言って京ちゃんは書くことが少ないんです。
なにせ記憶も曖昧なもので。。
覚えてる中で印象的なものといえば奇天烈なあのバッドエンドお前が厚○労働省か!って言って襲われるエンド。
あれは面白かったです。
次、渡会明日香
世界は金色に輝いてるでお馴染みの彼女。
羽田愛最高!ヒャッホゥ!
彼女がしているのは恋愛じゃなくて羽田愛なんですよ!
これまた羽田くんとのイチャイチャシーンがこれまたよかった。。
Sっ気のある彼女で結構エッチ最高だね。
グレタガルドの中でプリンセスやっちゃうのは笑いました。
次、イーグルです
ここからは真面目に書いていきますよ!
鷲ちゃん編はなんと言ってもアレキサンダーでの日常ですよね。
二章が始まってからようやく面白いと思い出しました。
店長の下ネタトークに鷲介くんがツッコんだりボケたり、そこに紀奈子さんや英理子さんが混じることによってごちゃごちゃみたいな鷲介くんがからかわれ役になって愉快な職場。
そこにたまひよという抑止力が出てきて。。ほんとに楽しかったなぁ。
鷲介くんがたまひよのためにあれこれ画策をしていくところやちゃんとした恋愛模様が描かれているところにも好感が持てる。
過剰なボケツッコミ、下ネタも入り混じりカオスではあるけど全てが調和されていた。。
次、ファルコン
自分はなんでしょうか、若気の至りというものを知りたがっているのかわかりませんがちょっと退廃的な世界に憧れてしまっているところがあるのかもしれません。
なので三章の成田隼人の話のパルさんやエージ、プラチナなどの人間性がとても刺さりすぎて成田編のほぼ全キャラが大好きです。
二章の店長や紀奈子さん、たまひよや鷲介くんそれと英理子さんもとてもいいキャラをしていて見ていて落ち着くなぁと思ったのですがなんというかあの三章の雰囲気や登場人物の生き様とでも言うんでしょうかそれには勝てないなと思いました。
コーダインがいい女であることはわかったんですがやはりホーメイの方が成田くんとはお似合いですね。
柳原フレイムバーズの馬鹿達もほんと好きです。
彼らに振り回される成田くんも面白かったです。
翔くんがぶっ飛んでるのを見た時はちょっと驚きましたね。
成田隼人くんこの人は自分がやってきたエロゲの中でもかなり上位に位置しているいいキャラだなと思っています。
この感想文はただのオナニーだと思っているので書きますが、ハードボイルドでいて結構ギャグセンが高い。
ほーめいと関わる前までは一匹狼上等みたいないついなくなってもいい精神でやってきた隼人くんがほーめいと関わることによって他人に興味を抱くようになり、仲間のために動ける人間にまでなれる。最終的にはこの世界に留まりたいと願うようになる。
心理的成長が描かれているのも良いなと。
長々と話してしましましたが、文字にして見ると本当に成田隼人編が好きだったんだなあと思います。三章というより隼人くんの評価ですね。
次、ガルーダ
こいつはやべぇぞ。。
常時妄想に囚われているやべーやつ。
敵と判断したらなりふり構わず先制攻撃。
多次元世界だのなんだのと言ってやれば即興で作り話もしてくれる。
ちょっとしたことでガチギレし出すしガチのマジのキチで面白かったがやはりエロ(?)シーンで怖がってるのが一番面白かった。
カラスとフェニックスに謎にリンチされるのも好き。
小鳩のことプリンセスダヴとか言ってるし大切と言っておきながら彼女に拒絶されたらガチギレし出すしもうメチャクチャなやつだw
次、羽田鷹志(少年)
最初は個別前から行きます。
こいつは最初から最後まで好感が持てなかった。
すごいヘタレ。。
妹に手コキさせるってなんだよ。
自分の体の成長も自覚ができていない。
小鳩に指摘されてからはまた殻に篭る。。
無理でした。
次、羽田鷹志(個別)
鷹志と他の人格全てが合わさった言うなればクライマックスフォーム。
普通に受け付けないやつに変わってしまった。。
ポジティブに考えれば愉快な人。
普通に見れば痛いやつです。
それでも笑いどころがあったのが悔しい。
例えばロン毛を訪ねてやってきたシーン。
かつての友人に突っ掛かられた時にウヴァアア!とか言って腹パンしてたり、小鳩の友人との電話の時は毎回笑ってた。
それ以外例えば放課後の卒業文集を作っている時タカシくんの時との空気の温度差や、鷹志のボケがきつかった。
今までの愉快な空気を知ってしまったからこそ余計に鷹志編がきつかった。
この物語の根幹の部分、羽田鷹志の過去編はもう少し尺を使ってくれた方が良かったと思いました。
あまり感情移入ができなかった。
そして終わりが呆気ない。
過去を回想してたらいつのまにか小鳩と結ばれて終わってた。。
なんだこれは。。。
このゲームの評価点の7割くらいは鷲ちゃんと隼人君編でしょう。
逆に言えばそれくらいこの二つの物語が好きだった!
終わります。俺たちに翼はないこともないらしいぞってね。
世界が平和でありますように。