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ハゲ明さんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-の長文感想

ユーザー
ハゲ明
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
ブランド
インレ
得点
97
参照数
195

一言コメント

大好きなシナリオ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本当に面白い作品。
日本の武士道を見せつけられたような。
赤穂浪士の生き様をとくと魅せられ、鳥肌が止まらなかった。
直刃くんちょっと軽いけどまぁそこはしゃーない。
サービスシーンで言えば、ご城代とのエチは少し無理があったんじゃないかと、ロリ化もするし。
まぁ文字通りサービスシーンです。

一章は大石内蔵助視点を描いた話。
赤穂浪士達の葛藤をご城代の視点から見る。
そうすると、組織を束ねるのがどれほど難しく、ストレスの溜まることなのか。
一側面だけを見れば、ご城代の心労が一番きつそう。

対して二章。
江戸急進派の堀部安兵衛視点。
安兵衛さん好き。
こっちからだと、仇討ちだけだとやっていけない藩士の人たちや、早く復讐を遂げて潔く切腹したい人さまざまな人間の感情に触れられる。
マジで組織ってむずいんだなぁと。
安兵衛さんとの逃亡生活も好きでした。
その最中に発展していく二人の関係が描かれている所も。
ラストが呪術の仕業によって、二人が斬り合い、終わっていく儚いエンディングも大好きでした。

三章はもう赤穂浪士に関わることをやめるという選択をして、浪人生活を送ろうというもの。
結果的に、何の因果か酒税に引き戻されることになりますが、二章までの主税と態度が全く違いデレッデレなので、ギャップに死んだ...
途中で現れる新八にも心やられた。。。
三章はとんでもなかったです。
酒税の献身ぶりが身に沁みすぎて好感度的には一番高かった。
酒税の最期も本当に悲しかったし、優しかった。
上野介呆気なく討たれてくれよと。
直刃達二軍が討ちに行ったのも苦しかった。
表向きには四十七士が吉良上野介の屋敷に乱入して、かっこよく仇討ちを果たし潔く切腹をした。
これを事実にするべく、直刃達二軍が動く。
二章まではこれができていなかったため、本当の意味での仇討ちは出来ていなかったのが苦しい。

四章も重い。
chusinguraでは、登場人物の死を想起させるときに雨を使うのですが、雨降ってほしくなかったですね。
お初ちゃん本当にきつい。
そして最後の、討ち入り前に一魅と大石内蔵助の一騎討ち。
直刃はご城代が勝利すると信じていた。アツい。

五章も本当に好き。
浅右衛門さんと右衛門七の修行。
正直ロリなので興奮はしなかった。
閑話休題。
右衛門七の成長物語。
愛犬を殺め、人を殺すための覚悟を完了する。
小夜との邂逅と別離も込み上げてくるものがあった。
まぁでも最後はちょっといただけなかったな。
実は真の黒幕がいた!みたいな。
この時まで影が全くなかったせいで、不自然感バリバリ。
島で実は生きてまーすみたいなのもちょっと萎えちゃった。
最後の最後で失速してしまった惜しい作品でございました。