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タシマヤ三重さんのうみねこのなく頃に Episode4 Alliance of the golden witchの長文感想

ユーザー
タシマヤ三重
ゲーム
うみねこのなく頃に Episode4 Alliance of the golden witch
ブランド
07th Expansion
得点
100
参照数
1257

一言コメント

EP4読了に18時間。通常エピソードの二倍近い文量とそれ以上の情報量。驚きと笑いと涙が詰まり過ぎ。

長文感想

出題編最終章に相応しい、恐ろしいまでの質と文量。
EP4発表現在の竜騎士07氏作品の中では、私的に最高傑作。

さすがは期待と想像の斜め上を往く竜騎士07氏。
作品をプレイする度に新しい衝撃に心を打たれるが
今作は、今作は深い。
深いなあ。
この切り口は何? やばい。圧倒される。
07氏の頭の中はいったいどうなってるんだ。

それに、ああ分かったぞと思わせておいてこう来たりああ来るとか。
何を基準としてどう捉えればいいのかヒントすらないこの曖昧物語。
エピソードも4まで来て、出題編がこうして終わったわけだが
ここまでプレイしてきても何がなんだかの部分が多々。
認識はプレイヤーそれぞれで
正解もその数だけあるということでいいのだろうか。

シュレディンガーの箱。
作品内で幾度となく語られる、生と死が同軸に存在しうる
ハチャメチャ論理。
完全に相反し、答えとして同時には在りえないはずの事柄でも
一定条件下ならあり。そう、ありなのかもしれない。
一定条件下なら死にながら生きているのも、空想がリアルと入り混じるのも有だし、
本格ミステリーでありながら とことんファンタジー足り得る。
そうなんだ。
うみねこの作品自体がシュレディンガーの箱なのだ。
思い返せばエピソード1から4まで出題編を通して一貫して述べられ続けていた。
ここでやっと気付かされるとはなんて遅い悟り。

次の解答編から箱の蓋を開くのだろうか。
楽しみで楽しみでならない。

それにしても。
本当 竜騎士07氏はキャラクターを魅せるのが巧すぎる。天才レベルなんて話じゃない。
これだけの話を二ヶ月掛からずに書き上げてしまうとか。人の所業じゃない。
崇拝するしかないじゃないか。こんなもの読ませられては。