まさに「癒し」
この一言しか出てこないです。
なお、gdgdだというエクストラシナリオはやっていません。その上での評価です。
(シナリオ)90点
神秘的とも幻想的ともいえる風景、風情ある街中の水路と渡し船、伝説がある森、
その森の中の妖精を祀るお祭り・・・
この作品の舞台は、そんな幻想的な街が舞台となっています。
その街の中心にある学園に通う主人公とヒロインが話の中心です。
そんな学園で多くの女子が取るカリキュラム「舞踊コース」
その舞踊を極め、神様に認められる踊り手である「エルディス」は、女の子の憧れ。
物語は、学園の日常を送りながら、祭りでの学園代表の踊りを目指すヒロインたちとの恋愛劇になります。
まず出てくるのが、作中通して実に雰囲気がいいという点。
主人公やヒロイン、サブキャラ達を含めウザいと思うキャラはただの一人として存在せず、
変に雰囲気をぶち壊すようなシリアスもない。
ある意味では「山場がない」「退屈」「惰眠ゲー」とのレッテルを張られかねない平坦なシナリオですが、
その分心からこの癒しの雰囲気を満喫できます。
次に、ヒロインの設定を存分に生かしたシナリオであること。
各ヒロインとも告白シーンの直前あたりに自分の抱える悩みを解決していくのですが、
それが各ヒロインの特性を存分に活かしたものとなっていました。
作品全体に共通の問題を横たわらせる作品も多い中、各ヒロインごとに固有の問題を持たせたのはいいと思いますね。
しかも、それが作品の雰囲気を大きく壊すものではなく、隠し味のごとくちょこっとワンアクセント効かせるだけなので、
決して癒しの雰囲気の邪魔にはなっていません。
そして、それが解決し告白シーンがあった後はひたすらイチャイチャしながら舞踊に打ち込む毎日です。
冒頭に説明したように、この世界ではお祭りのときに披露される舞踊が重要な意味を持ちます。
その舞踊の学院代表に選ばれるために、ヒロイン同士で切磋琢磨しながら打ちこんでいく。そういうシナリオになっています。
なお、すでにその踊り子「ベルティナ」になっているカスミルートだけは流れが違って、
他ルートでは曖昧なまま終わる主人公の夢が見つかり、それに向かって二人三脚でまい進していくというシナリオになります。
いずれのルートでも舞踊を通じて主人公とヒロインの関係が深まっていきますし、重い問題は起きず、
最後はベルティナになったヒロインとのハッピーエンドで終わるので安心です。
山場と言えるような展開はないものの、癒しの名にふさわしい展開でしたね。
(ヒロイン)100点
全く文句の打ちようのないヒロインたちでした。
文武両道で容姿端麗、性格良好な学院のアイドル、エルス
元気いっぱいなムードメーカー、根は友達想いな努力家のリア
史上最年少、現役学園生ベルティナ、才色兼備な主人公の従姉、カスミ
無口でクールで男が苦手、でも寂しがりやな同級生、銀
みんないいヒロイン達ですし、どのシナリオでもそれぞれの立場から主人公なり他のヒロインなりをサポートしてくれます。
どのシナリオでも、ヒロイン4人全員が必要不可欠というほどシナリオに絡んでくる、だから空気にならない。
これだけでも相当に評価は高いですね。
そして、これまた評価の高い共通ルートと個別ルートのギャップ!
主人公と付き合い始めることで、もともとの魅力は伸び、更にデレる方向で性格が変わるので、
個別ルートがますます魅力的なものになっていますね。
なお、メインヒロインであるエルスだけは、告白して付き合い始めても問題解決には至りませんが、
それでも、その悩みを抱えつつも他のヒロイン同様主人公にデレる時はデレてくれますので、安心していいでしょう。
(エロシーン)90点
そして、そんな作品でありながらエロシーンの質がまた高いんですよ。
入れ方もシナリオを邪魔するような入れ方じゃないですし、シーンの内容もレベルが高い。それでいて実用性もある。
純愛系の中では相当ハイレベルなエロシーンでした。
想いを通じ合わせ感極まって、悩みを解決して感情が爆発して、大事な舞台を終えて緊張が解けて、
という無理のない入れ方になっていますから、まずシナリオの邪魔になっていない。
そして、服装が制服、私服に加え、エレスとリアでは舞踊服でのシーンもある。
そして、行為中も常に相手のことを気遣い続ける甘甘トークをしながらですので、
エロさよりラブラブのほうが表に出ているのもいいですね。
というわけで、まさに「癒し系ヒーリングADV」の名に恥じない作品でした。