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オタッキーさんのド田舎ちゃんねる5 ~こちら鈴音学園放送部~の長文感想

ユーザー
オタッキー
ゲーム
ド田舎ちゃんねる5 ~こちら鈴音学園放送部~
ブランド
はむはむソフト
得点
90
参照数
584

一言コメント

部活系コメディのイメージそのまま

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

という感じでした。

えーと、まず一言。
この作品をもって、レビュー数100を迎えることとなりました。
長文閲覧数も少しづつですが伸びてきていて、それが続ける気力にもつながってます。
私のレビューを読んでくださってる方、今後もよろしくお願いしますね。

というわけで、「ド田舎ちゃんねる5」のレビューのほう行きたいと思います。

(シナリオ)90点
「ド田舎ドタバタ青春コメディ」というキャッチコピーそのままの作品でした。
田舎町の学校の放送部員でもある幼馴染グループが、村にやってきていた留学生を巻き込んで、村おこしのためのTV番組を作ろう!というのが基本コンセプトです。
タイトルの「ド田舎ちゃんねる」は番組名、「5」は5分間番組だから、
という意味ですね。

基本的には、日曜日に村を巡りながら各ヒロインのイベントをこなし、
月曜日にその週放送の番組の企画を決め、火・水でロケと製作作業、
金曜日にオンエア、土曜日に感想を聞いて回るという流れの繰り返しです。
そのなかで、日曜日のイベントと、各ヒロインが提案する企画をどれだけ選ぶか、
というのが各ヒロインのフラグになっています。

そして、その番組内容がネタ満載なんですね。
事件をでっちあげる探偵もの、エロゲという背景を活かしたアニメ、
暴走しすぎている村の名所紹介などなど、その笑いどころとパロディは挙げればきりがありません。

そのパロディも、製作物や実在のTV番組にとどまらず、
例えば地デジ放送化や中央リニア長野県経由問題など、時事問題にも及んでおり、
当時の情勢を知っていればいるほど笑えるような内容になっています。

一方で、大半をTV作成の共通ルートに費やしているため、
個別ルートの各ヒロイン固有の問題の発生と解決は実にあっさりとしています。
あまり重くなりすぎず、全体的な明るいコメディの雰囲気を崩さないようにしようという意識が見てとれますね。
そのため、番組作成以外のシナリオはほぼ皆無と言っていいですが、
終始明るい雰囲気の作品がいいって方にはお勧めできるでしょう。

(ヒロイン)90点
田舎町設定ですので、留学生であるエレン以外は全員幼馴染となっています。
ですが、エレンが外様だ、などという雰囲気は微塵も感じさせず、
「エレンも昔からここにいたんじゃないの?」という感じがするほどなじんでいます。

ですが、外から来た設定というのは上手く活かしており、
「みんなにとってはあって当たり前で、今まで気付かなかった特別なもの」を見つけ出すという、
この作品において実に重要な役回りを担っています。

他の幼馴染グループの面々も、みんな信頼し合っており、仲間意識が強く、
番組作りの上での役回りを別にしても、「エレンも含めて誰か一人でもかけては僕たちは成り立たない」というようなセリフが随所に出てきます。
田舎町特有の、きわめて密着した人間関係が出来ているんですね。

また、だからと言ってその中でカップルが生まれても険悪な雰囲気にはならず、
誰と誰がくっついても応援しようという雰囲気がいいですね。
報告した時に「ごめん、じゃなくて、ありがとう、だよ」というセリフが各ルートで登場しますが、
こういう素直に祝福し合える関係ってのは理想的だとも思いました。

(エロシーン)80点
公式には、田舎ゆえに青姦だらけというメッセージがあります。
確かに間違いではないですが、あまり外にいるという意識をしているようには感じられず、
内容はごく普通の和姦ものとさして大差ないですね。

回数的には普通の純愛ものの平均と言える一人3~4回+おまけで1という感じで、
シチュエーションもそんなに特殊なものはありません。

特質すべきは汁描写で、特に外出しを選んだ時の描写は気合が入っているといえ、
その辺の描写が好きな方は要チェックと言えるでしょう。

というわけで、田舎町の学園部活コメディそのままの作品といえました。
若干シリアスも入っていますがそこまで重くならないので、
後に尾を引かない作品を探してる方にもお勧めでしょう。