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オタッキーさんのツン×ボテ! ~臨月エッチでこの子も私も愛してよねっ♪~の長文感想

ユーザー
オタッキー
ゲーム
ツン×ボテ! ~臨月エッチでこの子も私も愛してよねっ♪~
ブランド
Norn
得点
85
参照数
983

一言コメント

妊娠の苦労を書きつくした一本

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ですねぇ。
これは他の妊娠描写のある作品以上でした。

(シナリオ)80点
最初に出てくる主人公の回想シーンを除き、全編にわたってヒロイン・朝陽が妊婦の状態です。
故に、妊娠している女性の苦労というものを数々描いており、他のエロゲではまず描かれない、
妊娠中の喜びとその裏での苦労をある意味では痛感することになります。

しかも、この二人はまだ学生。
学生結婚した末の妊娠、しかも両家両親からは見放されている(唯一、朝陽の母親だけが理解を示してくれていますが)
という状態なので、その苦労は人一倍。
主人公は、自身の学費と二人分の生活費、妊娠・出産にかかる費用を全部学生生活と並行したアルバイトだけで賄わねばならず、
朝陽も、自身が身重でありながら、日常の家事を全部こなさなければならない。

「ボテ腹エッチを描きたいから」と安易にヒロインを妊娠させてしまう他の作品(norn自身の物も含む)に比べて、
妊娠というテーマに真剣に向き合った結果だと思います。
その点においてまず高評価でしょう。

また、そうであるがゆえにnorn恒例の終盤のシリアスが嫌味にならない。
いつもだと、「こいつうぜー!ラブラブ邪魔すんな!帰れ!」となるところですが、本作はそうはなりません。
なぜなら、今回の悪役ポジションにいるのは、朝陽の父親だからなんですね。
確かに、そもそものきっかけとなる朝陽への見合い話を持ってきたのはまさにこの父親です。
ですが、その話はすでに決着しているはず。じゃあなぜ今になってきたのかと言うと、
二人が誰の支援も受けずに暮らしているのを聞きつけ、出産までの間家に帰って来いというわけなんですね。

ここでは、強引に連れて行かれたこともあって険悪ムードとなりますが、実はこの時点ですでに朝陽を許しており、
協力者の立場にあった朝陽の母曰く、素直になれないだけなのだとか。
要するに、心から朝陽のことを心配しているがゆえの行動であって、根っからの悪者ではないんですね。
そのため、この後二人が仲直りして朝陽の父親がこの件を認めるあたりまでは、
家族ってこうだよなぁ。親心ってこうだよなぁというほほえましい気持ちになりました。
これを受けて、最後子供が出来て完全に両者の両親と仲直りしたという描写は、
軽く流されただけではありましたが心温まる場面だったように思えます。

(ヒロイン)90点
今までずっと主人公が好きだったけど素直になれず、そうこうするうちに家から見合い話を強制される。
そこから逃げ出して主人公のアパートに転がり込み、既成事実を作るために主人公に子作りを志願。

序盤はこのような状態のためやや身勝手かな?という様子も感じますが、
主人公も朝陽が好きだったため特に問題はなく、そのまま二人は結ばれます。
それ以降、外で頑張ってくれている主人公ばかりに無理はかけられないと、
自身の困っていることを隠すようなそぶりを見せます。
主人公はその気持ちに感謝しつつも、夫婦だしその子供は俺の子供でもあるのだから無理はしないでくれと、
逆に朝陽を気遣うようなそぶりを見せ、お互いがお互いを想いあっている描写は随所に出てきます。

だからこそ、父親によって無理やり連れ帰らせられたときに、主人公が何も言ってくれなかったことに深いショックを受けるんですね。
すでにお互い気持ちが通じ合っているはずなのに、なぜ何も言ってくれなかったんだと。
その後一山あって仲直りした時には一層深い絆で結ばれるとはいえ、このあたりはハラハラものでした。

ウザキャラのように描かれていても、主人公を想うが故の行動であるというのは共通している。それは確かですよ。

(エロシーン)80点
ここでも、妊婦ということが強調されています。
最初、回想中に出てくる初体験のシーン以外はすべてボテ腹なのは言うまでもないですが、
その中においてとにかく朝陽の体を気遣う描写が随所に出てきます。

無理な体位は取らない、子宮口を突かない、腰振りも慎重に、など、自分たちの満足よりおなかの子供を優先ということを強調しています。
当たり前と言えば当たり前なのですが、特に抜きゲーではボテ腹だろうがなんだろうがガンガン行く作品が多いゆえに、
二人が本当に互いを、そして子供を気遣っているんだなと言うことが分かるこの描写は、いい描写だと思います。

もちろん抜きゲーとしての要素も忘れておらず、このような制限がかかっているにもかかわらず、
二人はエッチのたびに激しく交わり合います。そのため、実用に堪えないということにはなっていません。
セーラー服やチア衣装などのコスプレがあったのもよかったですね。

というわけで、とにかく全編にわたって「妊婦である」ことが強調されている作品でした。