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オタッキーさんのマジカライドの長文感想

ユーザー
オタッキー
ゲーム
マジカライド
ブランド
すたじお緑茶
得点
90
参照数
2395

一言コメント

エロゲというよりは

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

申し訳程度にエロシーンのついたアクションゲームといった感じでしょうか。
ゲームの流れとしては、

前回のあらすじ(2話以降)→OP曲→シナリオパート→アクションパート→ボス戦→次回予告

といった感じなのですが、その比率はシナリオ3:アクション7程度
かなりアクションパートにウエイトがかかっています。

(シナリオ)80点
大きな流れとしては、

「どこにでもいる地球の女子校生如月巴弥が、異世界からぬいぐるみに変身させられたう家で飛ばされてきた魔法使いロック・アルウェンと共に闘い、地球を救っていく」

という、魔法少女アニメなんかで定番中の定番のネタとなっています。
その戦いの中で、巴弥が魔法使いとしての素質を高めていきながら、だんだんと乗り気になっていき、闘い続ける中で驚愕の事実を知ることとなる。
とまぁそんな感じの話です。

敵サイドも、序盤ステージの敵が後半味方になっていき、真の黒幕を引きずりだすことになるため、だんだんとサブキャラが増えていきます。

が、恋愛面においては、共闘、共同生活を送るなかで巴弥がロックに対する自身の気持ちに気づいていく、という一本道(選択肢なし)ですので、残念ながら他のキャラのルートは存在しません。
まぁ、このシナリオで巴弥以外のルートがあると、それはそれで不自然でしょうからある意味オンリーヒロインで正しいんですけどね。

(ヒロイン)85点
シナリオの項を読んでいただければ分りますが、本作にヒロインと言うべき人物は存在しません。
主人公(ロック)と恋愛するのは巴弥なのですが、彼女はヒロインというよりはむしろ第2の主人公と言った方が雰囲気的に正しいでしょう。

で、そんな巴弥なんですがとにかく魅力たっぷりです。
序盤はクーデレかつツンデレ、後半はやきもち焼きのバカップル。
キャラとしての魅力は十二分に詰まっています。
シナリオパートが短いので少し物足りない感じはありますが、その分シナリオ内でたっぷりその魅力が引き立っています
特に見どころは4話、5話、6話あたりで、ロックが人間に戻ったあたりから、ことなの登場、戦いが沈静化している日常のまったり感。
アクションで忙しい中、しばしの休息と言った感じのカップルの雰囲気が見られます。

(エロシーン)70点
うーむ・・・
申し訳程度と書きましたが、それでもちょっと・・・な場面があるんですよ。

シナリオの阻害になってるって面は薄くて済んでいる、
むしろ、行為中に敵襲が来て見られてあわてるなど笑いの要素に転換している面はあるんですよ。
呪いの関係上街中でやらなければならない、という点もまぁいいでしょう。

問題は、ルートもないくせに巴弥以外とのシーンがあること。
カナデとコトナに1回づつあって、ともに「男女の関係にならないための一回だけ」という理由付けがなされていますが・・・
ロックは巴弥を裏切れないと思っているので、若干ですが寝取られっぽい雰囲気があるんですよね。
そこまで派手なものでもないですし、見られて修羅場ってことでもないのですが、
あれは果たして必要だったのかと疑問を呈せざるを得ないのは確かでしょう。

(アクションパート)95点
本作の魅力であるここについても評価しましょう
先ほどからアクションアクションと言っていますが、アクション「パズル」と言った方が正しい感じです。
敵を倒すのではなく、眠らせて運ぶことで通路にしたり、アイテムをどこで使うか考えたりと、
単に突き進むだけではクリアできません。

そのため、フィールド全体を見渡し、どこに何が必要なのかを見極めてから行動しないと、
「あ、ここにさっきのあれが必要だったのに!」
ということになりかねません。

とはいえ、ヒント機能もありますし、詰まったら最初からやり直す機能も付いてますし、そこまで苦労もしないでしょうが。
というか、どちらも使わずにクリアするのはまず不可能でしょう。

またこのパート、一応キーボードでもプレイできますがかなり鬼畜です。
ゲームパットは必須アイテムと言っていいでしょう。

というわけで、繰り返しますがこのゲームはアクションゲームです。
いくらアドベンチャーパートのシナリオが気に行っても、巴弥に魅力を感じても、
アクションパズルと相性が悪ければ絶対にクリアできません。
体験版必須と言える1本でしょう。