いつか人間もロボットも、等しく幸せな夢を見られますように
生きていく上で、誰にでも夢はあると思います。そしてその夢は、例外なく幸せを紡いでいくものでしょう。人にとって夢とは、今の自分にとってもっとも最高の未来とも言えるのではないでしょうか。
ですが、ゆめみやシオマネキのようなロボットは、一つの目的のために作られたものです。ゆめみは人々の笑顔のため。シオマネキは街を守るため。ですからゆめみたちロボットにとっては、一つの夢を抱き続けて、それが実現するのが幸せなのでしょう。30年の時間を経てやってきた客に、懸命にプラネタリウムを見せようとするゆめみ。30年間、やってくるはずのない敵をいつも威嚇していたシオマネキ。彼らの”夢”はとても一途で儚いものです。主人公たち人間は現実に疲弊し、ロボットたちはいまだ人間の幸せを夢見続けている。ゆめみは「天国を二つにわけないで」といったが、それは当然、人間とともにいることがロボットたちの幸せだからでしょう。だが世界を壊したのも人間自身。結局ロボットは夢を見続けるしかなく、人間は夢から覚めなければ生きられないのです。ゆめみの最後のセリフ、「私に天国は必要ないのです。それでも私を天国に召してくれるなら、天国を二つにわけないで」というのはそういった違い、両者に必要十分条件は成り立たないことを暗に示しているように感じました。
プラネタリウムはいかがでしょう。どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき。満点の星空が、みなさまをお待ちしています
いつかプラネタリウムのような美しい無窮のきらめきが世界を覆うときがくるのでしょうか。幸せな夢をみんなが見れるような世界がくるのでしょうか。せめて天国では、人間もロボットも等しく幸せな夢をみれますように――