癖の強い愉快なキャラクターたちが繰り広げる無遠慮で軽快な掛け合いが楽しく、頭空っぽにして存分にヒロインの可愛さ、エロさを享受できる作品でした。
アサプロ作品をプレイするのは本作が初。以前より触れてみたいブランドだったので新作発売に乗じた形になります。ギャグ色強めな学園青春モノをやりたいのであれば本ブランド作品を推している人が多い印象。過去作見るに中々に尖った設定の作品が多いみたいですね。
突然主人公宅に居候をし始めた天使ちゃんに恋愛するよう煽られ、元々青春なんかとは無縁でいると思っていた陰キャぼっち主人公がヒロインの誰かと恋仲になって青春謳歌を叶える...というのが大まかな流れ。俗に言うキャラゲーとしてはシナリオ展開自体は割と王道寄りかと。
公式では一応成り上がりを謳っているみたいですが、別に主人公がモテるために主体的な努力をしてヒロインの心を射止めたりするのではなく、気付けば主人公の周りにやって来るヒロインその他キャラクター達に巻き込まれて楽しくわちゃわちゃ過ごしながら、ヒロインとの恋愛に発展し得るような一歩踏み込む選択肢を選べるかどうかでその後が決まるという方式。日和って選べないと途端に桜が散って青春は夢のまた夢で終わってしまうという。この辺りリアリティがあって好きですね。結局こういう些細なチャンスを掴めるかどうかが恋愛において大事なんです。まぁそれはそれとして周囲に恵まれててチャンス転がっていすぎだろとかいうどうでもいい野暮なツッコミをしたくもなりますが。
個別は基本ボイス全聴き&Hシーン飛ばさないじっくりゆっくり派な自分でも3〜5時間くらいで読み終われる文量なので相当に短め。個別入って1イベント終わったくらいで告白し結ばれ、後は特に大きな出来事が起こるわけでもなく隙あらばイチャラブHしていくだけという形。Hシーン自体もそんなに長くはないですが高いCGクオリティのおかげでエロさは申し分ない。
まぁ全体として値段相応の文量ではないのは確かにそうですが、こういうシリアス要素を排した山なし谷なしのシナリオテイストで仮に長々やったとしても返って胸焼けしちゃいそうな気もするので、このくらいの文量でも別にいいんじゃないですかね。最後まで勢いを保ったまま駆け抜けていったなぁという印象。
癖の強い愉快なキャラクターたちが繰り広げる無遠慮で軽快な掛け合いが楽しく、頭空っぽにして存分にヒロインの可愛さ、エロさを享受できる作品でした。こういうのでいいんだよこういうのでって言いたくなる。
以下軽く個別√とか振り返って終わります。
天使√
突然主人公宅に居候してきて青春煽りをしてきた謎の存在、その正体は就活に破れて青春モンスターと化した歳上の制服&天使コスプレ女という。いや改めてなんつー濃いキャラ設定...。
天使ちゃんの回想シーンは正直過去の自分まんまを見ているようで心にダメージを受けた。意外と恵まれてたんだなぁとか、こんなことなら青春しとけば良かったなぁって自分も就活時につくづく思い知ったので。失ってから初めて気付く学生時代の貴重さ。今だからこの程度で済んだけど、時期が違えば致命傷を受けてたかもしれない。
2人で手探りながらも初めての青春という名のイチャラブをしまくって仲良くバカになっていくのを見るのが楽しかった。Hシーンも制服、私服、部活服、堕天使、天使コスプレと非常に衣装のバリエーションが多く、またシチュも多様で良かった。卒業と共に結婚宣言するEDに何か普通に感動してしまったのは自分だけではないはず。本当失ったはずの青春を取り戻せて良かったねと。
恋丸√
ワンコ感の強い後輩、彼女のリードを握ってしまったが最後マラソン完走を目指して突っ走ることになるという。
恋丸のキャラ性故相当にイカれたテンションで進むシナリオ、気が付けばエロ妄想してくるさっちゃんも相まってカオスが過ぎる。ブレーキ役が足りてない。キャラとしては可愛さ半分狂気による恐怖半分でそこまで刺さりはしなかったけど、まぁこれだけ懐かれてしまった後輩に振り回されまくる青春というのも楽しいものなのかもしれないとは思った。ED後の大人になった未来の恋丸を予想できた人は果たしているのだろうか...。
紫√
共通からちょくちょく主人公に絡みに来る有名モデルのクラスメイト。林間学校での別れ際上目遣いでただ一言好きと伝える告白がいじらしくて可愛かった。高嶺の花として一目置かれることの多い彼女にとって、素のマイペースで奔放な自分を受け止めてくれる主人公との関係性が心地良くて魅力に映ったんだろうなぁと。いやぁめちゃくちゃ真っ当な恋愛...。恋丸シナリオとの落差が凄い。
付き合ってからは彼女の本業のモデルの話とかするのかと思いきやそんなことはなくただ普通にイチャラブするだけ。まぁ幸せならOKです。スタジオで撮影する展開とかは一応モデル要素ではあるけど。バニーガールめちゃくちゃ似合っててて好き。引っ付きそうで引っ付かない絶妙な距離感の友人カップルズのやり取りを見守るのも楽しかった。
姫乃√
ネトゲを通して知り合ったお嬢様学校に通う小さめなぼっち先輩。何故か理解の深い舎弟がいる。
ネトゲで始まった関係性故ネトゲ内で告白するという、同趣味同類の彼らにはぴったりな結ばれ方。お膳立てしてくれた友人達も温かくていい。もう怒ったり泣いたり照れたりと表情変化が忙しくてそのどれもが可愛くて良かった。只管に面倒くさい性格であるほど何か愛おしくなってしまうというね。シンプル低身長巨乳が好きなのもあって結構刺さった。Hシーンに授乳手コキ入れてくれてありがとう。とても好きなので。付き合ってから天使ちゃんとテンポ良く色々言い合いする会話が面白くて笑った。
寧子√
社畜で頑張るお義姉ちゃんの寧ちゃん。可愛い弟に慰められたいし甘やかしたい。
義姉弟になるまでの経緯とかよく分かりませんが、あそこまで溺愛しててよくこれまで一線超えずに生活してたなぁと。天使ちゃん来るまでもあんなノリでずっと会話してたんだろうか。
Hシーンめちゃくちゃエロくて良かっただけに1シーンだけなのが寂しい。
以上、やっぱり社会の歯車と化した今だからこそこういう学生の内の青春というものが色んな意味で胸に刺さるなぁと。自分の場合ある程度諦めがつきやすい方なので結局青春モンスターとして呪詛をばら撒くことにはならずに済みましたが、そりゃ本音を言うと取り戻せるものなら取り戻したいですね、青春ってやつを。
また機会があれば他のアサプロ作品もやると思います。