なかなか面白かった。でも終わりが中途半端。ヒロインは可愛さより子供っぽい(小学生高学年ぐらい)印象が強い。主人公の発想は、体裁を気にするあたり、厳格というか、ちと古い。まあ妹にすりゃうざったいだけだろうが。普通のテーマでどこまで個性を醸しだせたか、そこがポイントか。(補足予定です。)
なんだか普通の世界観の中に、幽霊という要素を取り入れただけの感じ。ただ、こういうどーでもいい、くっだらない話は大好きなんで。でも、センスが合う合わないは大きく影響するでしょうね。普通のゲームの割に、睡眠薬盛ったり写真とって脅したりする(これが所々で見られた)という凌辱ゲームみたいな展開もあって、よくある甘い感じのゲームとは少し違います。設定からして、主人公が元カノと初体験済ませてるとか、うぶな感じは一切ない。汚れてるというのは潔癖すぎる考え方だろうけど、ちょっと荒んでるような。そして、100%純愛のフレーズ。この作品がうまく紹介されてないからこの意味がよくわからないが、どういうことか。
一応、あらすじを載せておきます。
「不運にも交通事故で絶命した主人公のはずが、彼の精力の強さにひかれて三体の幽霊が彼の体にとりつきます。彼はこの幽霊たちのおかげで一命を取り留め、生き続けることができたんだけど、このとりついた幽霊というのがまたどうしようもないスケベなバカどもで、お兄ちゃんの体をのっとって妹たちの体にイタズラしようとする。お兄ちゃんの理性が幽霊と戦ってなんとかその行動を阻止するのだけれど、さてさて、この幽霊との共同生活はどういう結末を迎えるのか…。」
ってな感じです。この過程でお兄ちゃんは妹たちの関係や本音に気付く。あと、どうやら時間とともに主人公の体は回復するらしいです。大したオチはないですけど、まあ日常を楽しむ作品だからいいかと。この幽霊の欲望にお兄ちゃんがどうにかして抵抗しようとしているというのが、純愛100%という言葉につながっているんだろうと推測される。このお兄ちゃんの葛藤ぶりは面白いな。でもよくわからんところでエロシーンに突入するのはさすがに変かもなあ。つかエロはネタに使ってるだろ。常識的には考えられない展開があるけど、そこはゲームだからという奴ですね。いいっちゃいいけど、笑いがとれてるわけでもないし、何のためにあるんだか。(いや、ちゃんと意味があるのは分かってますよ。)タイトルの割にちっともエロくないのはホント。エロいっていう宣伝は多分妹の体の話。ムチムチな感じを指しているのだろう、おそらく。まあムチムチと妹というミスマッチは訴求対象が多いとは到底思えないんですけど。
キャラに関しては、子供っぽいのはあんまし受け付けない。ヒナの口癖とかどうなのよ。主人公のお兄ちゃんしようとする姿は面白いけど。なるほどね、お兄ちゃんて大変だね。いやそれともその立場を利用してるのか。ヒナに対しては、兄という立場をもって過保護にしてるけど、ただ単に好きだから近付いているんじゃないの、とかね。ヒナの話はこれが実はシナリオの核心になっていて、自分たちってホントは何なんだろうなどと考えてみたりする。万尋に関しては、お兄ちゃんに可愛がられているヒナに嫉妬している。可愛がってくれない自分は嫌われているんだと決めつけて、どんどんお兄ちゃんに嫌われるようなふるまい方をしてしまうようになっちゃったのかな。素直になればこんなすれ違いはないのに意地張っちゃってという、よくあるような、実はあまりないような。もうちょっとキャラがオトナな感じならより良かったかもしれない。けど、万尋とのぶつかり合いは結構貴重だろうね。ここまで本気で感情をぶつけ合うのは事なかれの時代には珍しい。たとえば万尋に土下座しなさいなんて言われたら、ふつうは軽くいなすかキレ出すかだと思うんだけど、そういうところでへいへいと中途半端にかわさずに、真面目にキチンと一言言ってやろうというのには感心しました。それがうざいっていうのもわかるけど。トモとの会話もベクトルが巧い感じでずれてて面白い。総じて会話は優秀。ネタを引っ張り出す部分はあれかもしれないが、突っ込みが鋭いし、さりげない一言が時々カッコイイ。
シナリオで少し変わっているのはトモの話。流れがぶっ飛んでて、誰の視点で語られてるかが分かりにくい。錯綜する展開は設定がわからないとちょっと理解しづらい。真相解明が最後のほうに集中しちゃってるし、面白いというよりは設定勝ちな感じもするけど、そこまで薄っぺらいつくりでもないね。過去の大作の総ざらいかもしれないが。それにしても円佳さんがねえ。
男の子の怜クンを攻略するのは、どうなんだろう。美形男子という触れ込みだけど、男の娘というやつとは少し違うのかな。デカイマグナムをお持ちのようで。話としてはあんまりおもしろいものでもないが、怜クンの心情が語られてる部分は、せつないのかもしれない。うまく感情移入ができなかったです。プレイのほうは、チアガールとかスク水とか女装してのコスプレがメインだけど、体位は普通。男同士の69もなかったなあ。あると踏んでいたのに。
声はとても高いレベルとは言えない。これからってことか。絵は、マンガっぽい感じがする。これも好みが分かれるでしょう。立ち絵より一枚絵のほうがうまいですね。プチエロという感じだからカウントとしては難しいけど、エロでないCGもそこそこあったのはありがたい。総括すれば、いわゆる普通のゲームで、ハマればそこそこの良作なんだろう。(追加させていただくと、どういう人間がこのゲームに向いているのかというのもよくわからない。変わったゲームが好きな人っていうのとも少し違うだろうし…。)展開が速く、ボリューム的には実は少ないのだが、そんなに短さが気になるということはなかった。かえってグダグダしてないでさっと展開が変わるし、流れが滑らかで投げ出さずやっていける。こういう手が出しにくい作品で体験版がないというのはとにかく痛い。宣伝が全体的にいい加減すぎるのでは。ちなみに元ネタのほうはよく知らないのでご了承ください。得点は高いですけど、あくまで個人的な満足度で、一般的に進められるかは微妙ですんでその点も含めて。