ストーリ重視ゲーとして評価。およそ10年前の作品ですが今では巷にあふれる人格障害系ホラーゲームです。PS(1)全盛の当時としては非常に高いクオリティのアニメーション満載で、豪華な制作陣・声優陣も魅力です。<絵>15/15点、<設>10/30点、<ゲーム性>5/5点、<キャラクタ性>30/30点、<笑>5/5点、<システム>10/10点、<クリア後>5/5点
<絵>・・・当時から既に名を馳せていた後藤桂二さんの描く女性も魅力ですが、当時のPSではかなり先鋭的なエロさを誇っていました。
それが綺麗に動くということで、幼いあの頃の私には充分すぎる刺激でした。現在でもアニメだけ引っこ抜いて保存しています。
<設>・・・内面に別の人格を宿すヒロインと、それに気付いていない主人公(プレイヤーは何度かプレイしているので気付いている)を
ひたすら鑑賞する「早く逃げてぇぇ!」的ホラーに加え、選択肢次第では本編とは整合に欠ける平行世界が展開されます。
この平行世界ですが、本編を知っているプレイヤーこそ矛盾を指摘できますが、物語内の登場人物達は本編に足を踏み入れる前なので
矛盾に気付くことなく(「シューレティンガーの猫」的には本人達にとっては矛盾ですら無い)、平行世界を進むことになります。
この平行世界は数種ありますが、あくまでオマケですのでそれぞれ簡潔にまとまっており、本編の世界観を損なう様な鬱陶しさは感じませんでした。
ここは評価の分かれる所だと思います。
サスペンスとしてどうか、となると道端に落ちていた女の子を拾って持ち帰って一緒に大学にも行くという突拍子の無さは否めません。
またキーパーソン佐久間良樹の行動の整合性も「本格サスペンス」と位置付けるには詰めの甘さを残しています。
<キャ>・・・魅力的なヒロイン・サブヒロインだけではなく、脇を固める友人・先輩もいい味を出しています。
<笑>・・・緊張感を損なわない様に笑いが散りばめられています。
<システム>・・・セーブ・ロード系に問題は無く、アニメの鑑賞も綺麗に整理されており楽しめます。
シリーズ通して画面右上にルートコンプ率を表示できるのも当時としては画期的でした。
またタイトル画面が少しづつ変わっていくという気の利いた演出もあります。
<ゲーム性・クリア後>・・・「ゲーム性」と言ってよいのか不明ですが、繰り返し中毒性は高いです。
早くあの選択肢の別ルートを進めてみたいというワクワク感に満たされます。
PSではガンパレとダブルキャストを保存用を購入して未開封にしています。
当時幼い私にとっては、プレイ用の他に保存用を購入するという「予備文化」が花開いた瞬間でした。
でもやるドラ一番の名作は『雪割り』だと思います。当時はそう思わなかったので未開封保存用は無いですが。