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やんごとさんの薬と魔法のミーリエルの長文感想

ユーザー
やんごと
ゲーム
薬と魔法のミーリエル
ブランド
パルティア教団
得点
80
参照数
1998

一言コメント

ゲーム性重視作品として評価。体験版リリースの時からひそかに期待していた女性主人公ツクールRPG。これまでクレージュ作品数点に関わってきた制作者さんだけにビジュアルでは他の同人RPGに比べても白眉。更には性交の回数が記録できたり、売春に至るステップが用意されていたりと、フリーの共同制作ツクールRPG某大作の片鱗を思わせるゲームシステムなど、体験版の段階から自然と期待値がメキメキ高まります。で、実際の製品版ですが・・・。△(1勝2分)

長文感想

<絵>10/15点、<設定>0/15点、<ゲーム性>30/30点、<キャラクタ性>15/15点、<システム>15/15点、<クリア後>10/10点
(*他の低価格製品同様に、低価格だからという事での加点はせずに評価しています)

(寸評)
期待通りだったり、期待以上だったり、期待ハズレだったりと色々と予想外でした。

・期待通り、期待以上だった点
育て甲斐のあるキャラクター達やアイテムコレクトの楽しさ、特に一長一短な武器、防具を選んで
キャラを強化していく楽しさは手応えも充分。周回を重ねるごとに強くなっていくのを眺めるのも、
なかなか楽しいです。全体的に正統派RPGな作り&手応えです。

キャラクタもおっとりしながらも芯の通った自キャラや、分量は多くないですが仲間の個性が伺える
会話シーンもあり、体験版では分からない意外な見所になっていました。

・期待ハズレだった点
街での露出や戦闘エロなど、フリーの共同制作ツクール某大作にみられるエロRPGの醍醐味を
本作にも期待したが、かなり残念。特に戦闘中のエロ展開が無いのは・・・(敗北イベは有)。



以下詳細
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①ビジュアルについて
【良い点・・・+3単位】
 ・イベント絵はどれもレベルが高く、差分も豊富。
 ・服の状態などで変化する立ち絵も表情豊か。
【悪い点・・・▲1単位】
 ・ツクール仕様によるウィンドウサイズの小ささからか、ヒロインのみがイベント絵全面を占める事が
多く、相手(男)の存在感が薄い。
 ・着せ替えなど立ち絵のバリエーションがもう少し欲しかった。

自キャラのかわいらしさは言う事無しです。特に服破れ時の立ち絵の困り顔は嗜虐心をくすぐられます。
一番目にすることが多いのが立ち絵だけにややバリエーションが少ないのは残念。

あと、クレージュといえば、わたくし「クレージュ汁」ともいうべきあのゼラチンが大好きなのですが、
本作には・・・無いですね、クレージュ汁。


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②設定(シチュなど)について
【良い点・・・1単位】
 ・ファンタジー+RPG+女性主人公エロの魅力が薄く広くといった感じで描かれています。
【悪い点・・・▲1単位】
 ・裸や服破れのままだと戦闘中にイタズラされるなど戦闘エロの不備。
 ・街中でのモブキャラによるエロの物足りなさ。

武器の組み合わせ次第で強くも弱くもなるキャラ達は、戦闘強度の面で非常にイジリ甲斐があるだけに、
戦闘エロがあればイジる楽しさもアップしていただろうと思われるだけに非常に残念。
また、フリーの共同制作ツクールRPG某大作にみられる様な、街中での1度の油断や過ちが更なる過ちを
呼ぶといったエロイベントを進める楽しさに欠ける面も。


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③ゲーム性について
【良い点・・・1単位】
そう簡単には無双状態にはならない絶妙の難易度と、ある程度なら任意の順番でクエストを進めていける
自由度(それゆえに初期のバグを惹起しましたが)などRPGとしてかなり作りこまれています。

RPGスレではエロイベを楽しむ為にはゲーム部分はサクサク進む方がいいという声もありますが、
自分としては敵の倒し方や装備を考える楽しさを味わいたいといった意味でも、
本作の難易度は丁度いいように思えました。

もう少しRPGの中でのエロの存在感が強ければ。


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③登場人物について
【良い点・・・2単位】
掛け合いなど分量がすくないものの、先述の通りミーリエル(自キャラ)の他、ワキを固めるキャラ達の魅力
もなかなか。例えばエリスの○○キックは、習得時にカットインが入ったり、恥ずかしくてやりたがらない等、
反応があればより存在感が感じられたかも。


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⑤環境について
【良い点・・・1単位】
断面図のON/OFFやパーティ解散時の装備回収設定など、他のツクール作品には見られないキメ細かさ。
びっくりです。

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⑥追加要素について
【良い点・・・1単位】
マルチエンディング式になっており、シーンやビジュアルの回収からも周回前提です。
アイテムやスキルはほぼ引き継げる(イベント進行に関係するアイテムは除く)ほか、
1周ではなかなか手に入れにくいアイテムなど手応え充分です。

コンプしなくてもいいという人も充分楽しめますし、コンプしようとする人にはそれなりの難易度を感じさせる
作りになっています。


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⑦その他・総評
なんと言ってもビジュアル、特に立ち絵が本作の牽引力。
制作者さんはツクールRPGのベテランらしく、今後はよりエロイベントがRPGの中に自然に組み込まれた作品
を期待したいです。

あと音楽。すごくいいです。透明感あふれるメインテーマや、私の大好きなゾーマ戦(DQ3)により磨きが掛かった
感じのラスト戦(挑戦)など、魅力的なBGMがAudioフォルダ内にogg形式で格納されています。