ゲーム性重視作品として評価。すたじおおぐまの新作『ソロモンの檻-狂気と鮮血のコロッセオ-』の体験版をやってみたところ予想以上におもしろかったので新作発売日まで待てずに本作をプレイ。「拠点侵略型戦略シミュレーション」と銘打っている割に戦略性や良い意味での難易度、拠点攻略感は決して高くありませんが、戦力の構成・運用方法という意味での戦術の自由度が高く、ルールさえ理解してしまえば複雑なダメージ算出方法も含めてかなり楽しめます。ユニット毎の個性を際立たせるためにステータスが複次元的に入り組んでいるが、インターフェースが奇麗にまとまっており戦力の把握がしやすいのもこのゲームの大きな長所。○(7勝5敗2分)(ネタばれ度 無し)
<絵>5/15点、<設定>0/15点、<ゲーム性>30/30点、<キャラクタ性>0/15点、<システム>15/15点、<クリア後>10/10点
目次
▼作品紹介
▼エロについて
▼攻略情報
▼最後に
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▼作品紹介
吸血鬼同士の抗争を舞台にしたSLGです。
プレイヤーは一方の首魁であるクリストファとなり3人の吸血鬼少女を手駒にして、敵の吸血鬼たちや吸血鬼の殲滅を図る教会勢力の聖戦士たちを
打ち破らねばなりません。プレイ開始当初こそ戦力的な個性にも乏しく貧弱な3人の少女ですが、訓練や調教を施していくことで3人で1セットの
戦力として成長していきます。絶対値で表わされる攻撃力などのステータスや、%で表わされる適性の他、多岐にわたる装備やスキルなど、彼女ら
の戦力強度は複次元的に表現されておりユニット毎の個性が豊かに感じられるのも本作の特徴です。
この様な紹介だと、複雑なルールやパラメータに支配される難しげなゲームに聞こえてしまうかもしれませんが、よく考えて作られている明解なイ
ンターフェースのおかげで戦力の把握がしやすく、最低限の戦い方やルールについては最初の導入ステージをクリアする頃にはすっかり理解できて
いることでしょう。
▼エロについて
ゲーム性が本作の特長とすれば、エロ面は弱点そのものです。
調教と訓練にそれぞれ2段階ずつ(覚醒前・覚醒後)が各ヒロインに与えられ、各ステージクリアにもありますが、どれも新鮮味や刺激に欠けます。
アニメーションもあるにはあるのですが、画質が粗く単調なつくりで抜き目的には大変弱いように思います。
最近増えてきたツクールベースのエロRPGとは真逆で、ゲームのおまけにエロがある感じです。
▼攻略情報
<各キャラの使い方>
①リリィ(ぬりかべさん)
~盾担当。メイン盾来た!でもこれで勝つるとはかぎらない!~
体力と防御力ばっかし成長するヒキコモリ体質。前半はホント何やっても中途半端で盾というより地蔵です。
攻撃力の低いうちはひたすら能力破壊や吸血行動などサポートに徹して、殺傷攻撃はあきらめた方が良いです。
開始当初から、いくら殴られてもろくにダメージを負わない不思議ボディを活かした一番槍の役回りが多いので
スキル「カース」を優先して強化していけば、攻撃しなくても敵にバッドステータスを与えて後続の味方のサポートになります。
後半強い武器が存分に使えるようになってくると能力の万能化が進み、殺傷攻撃にも頭角を現してくれます。
・オススメ攻撃:(前半)能力破壊、(後半)能力破壊・殺傷攻撃
・伸ばしていきたいスキル:(前半)カース・バッシュ、(後半)エンチャント・カリスマ
・オススメ補助:前半は能力破壊強化系。後半はレメトゲンや魔女の法衣の様に、防御を犠牲にして一撃を重視したピーキーなアイテムもいいかも。
②メグ(殴り屋さん)
~屠殺担当。勝ち馬に乗れば強く逆境に弱いゆとり世代タイプ。~
ぬりかべさんが敵の防御力をガシガシ削った後で、殴り屋さんが敵の体力を奪ってとどめを刺しにかかるのが勝利の方程式です。
前~後半通して、鬼神の如き攻撃力と紙の様な防御力が特徴。勝ち馬に乗ると強く守勢に回ると脆弱な最近の若者キャラ。
命中率(TEC)が他のステータスを置き去りにぐんぐん伸びていくので命中の低い武器でも扱えます。
最近の新人教育よろしく特技を褒めて伸ばす方向で、発生率の高い攻撃スキル「ブリザード」に特化して伸ばしたいところですが、
いかんせん防御が不安なので「プロテクト」「リジェネレーション」「カリスマ」「エンチャント」も満遍なく成長させていかねばなりません。
こんなところでも挨拶とか常識とか不足している最近の若者を彷彿とさせます。
・オススメ攻撃・・・(前半)殺傷攻撃・能力破壊、(後半)殺傷攻撃(文字通りの意味で一撃必殺するようになる)
・伸ばしていきたいスキル・・・(前半)ブリザード・リジェネレーション、(後半)全攻撃系に加え、プロテクト・カリスマ・エンチャント
・オススメ補助・・・防御力強化系。
③カミーラ(吸血さん)
~我が道を行く吸血担当。「お前らに任せるわ。しんどい仕事はやりたくないし。あ、上司への報告は俺がしとくから。」~
ぬりかべさんと殴り屋さんが忙しげに正攻法で敵と対峙している間、吸血さんが出来る事と言えばせいぜい吸血攻撃です。
防御力(DEF)はそこそこなので序盤の殴り屋さんの様な紙ディフェンスでは無いですが、攻撃力(ATK)が吸血行動に特化して伸びて行きますので、
形勢の有利不利に関係なくひたすら血を吸うしかないKYキャラです。直接敵に手を下す訳ではないので一見すると「功名が辻」は歩めそうにない
感じですが、彼女の吸血行動は愛するマスターの魔力補給になりますので、汚れ仕事は他の人に任せて上手い事やって上司に褒められる世渡り上手
っぽい匂いがぷんぷんします。
「ぬりかべ君、社内のコンセンサスよろしく!」
「殴り屋さん客先への連絡は任せたよ」
「課長、僕が取りまとめてるこの案件はバッチリっす。後で報告書送りますんで(^^」
育てる方向性としてはスキルで敵を傷つける事ができれば儲けモノなので「ブラッディバイト」「カース」を伸ばしていきたいところ。
これらのスキルは共に敵を出血させる可能性があるのでそうなれば敵の体力も削れる強力なバッドステータスです。
・オススメ攻撃・・・(前半)吸血行動、(後半)吸血行動
・伸ばしていきたいスキル・・・(前半)ブラッディバイト・リジェネレーション・カース、(後半)カリスマ・エンチャント・プロテクト
・オススメ補助・・・「防御力+殺傷攻撃」や「防御力+能力破壊」など、防御力+αを伸ばすアイテム。
(攻撃方法やスキルはオススメ順に並べてます。)
<吸血鬼戦の戦術>
誰が先に攻撃するかは意外に重要です。
吸血行動は敵味方双方の能力を比例的に上げてしまうので、敵の能力が高いまま先走って吸血行動をしても効果は薄いのです。
極端な例だとボス戦で敵のATKとSPDが高いまま吸血行動でグールを極端に増やしてしまうと、先制攻撃されて味方のキャラが何も出来ないまま、
強化された敵のATKで一撃必殺されてしまい、こうなると難攻不落になってしまいます。
逆に彼我の能力の絶対値の差が大きいときはグールは比例してその絶対値の差を広げてくれます。
能力破壊で敵を鈍らせ、吸血行動で能力差を広げ、殺傷攻撃で敵にダメージを与える、これが基本路線。
キャラとしては1番手にぬりかべさんが能力破壊、2番手に吸血さんが吸血行動、最後に殴り屋さんが殺傷攻撃ですが、
場合によっては殴り屋さんや吸血さんが能力破壊を手伝ったり、ぬりかべさんや吸血さんが殺傷行動を手伝ってもよいでしょう。
<聖戦士戦の戦術>
下手したらボスよりも強い教会勢力の聖戦士。別に倒さなくてもクリアできますがレアアイテムやクリアボーナスが手に入るので全員倒したいところ。
彼らは吸血鬼と違いグールのサポート効果を受けないので早い段階から吸血行動を起こしていきます。
各キャラの特技を活かす方向で吸血さんは徹頭徹尾吸血行動に、他の2人は十分に能力破壊したあとで殺傷行動など協力して行うと良いです。
装備を破壊するスキルやグールを消し去るスキル、一撃必殺スキルがやっかいな場合はクリストファの指揮官スキル「ディスペルⅢ~Ⅳ」で対応します。
▼最後に
・SLGの難易度っていろいろな種類があると思うんです。
「Save&Load」しない前提で、すれば簡単過ぎだったり(光栄のSLGなど)、「Save&Load」しないといけない前提の難しさだったり(HoIの弱小国とか)。
このゲームは前者に相当すると思います。「Save&Load」を使うと簡単すぎです。
・ぶっ殺される事が少なくてリザレクション(蘇生)が発動したの1回だけでした。
伸ばすの厄介で普段目立たないスキルだけど最後まで役に立たなかったなあ。