NTRゲーとして評価。希少価値という点では高いと思われる「主人公片想い」寝取られ。
<絵>13.3/20点、<設定>10/30点、<キャラクタ性>15/30点、<環境>0/10点、<クリア後>0/10点
(*他の低価格製品同様に、低価格だからという事での加点はせずに評価しています)
▼本作の特徴と反省会
大抵のNTRゲー、というよりもほとんどの最近のエロゲでは幼馴染と主人公は付き合っている、
または幼馴染の想いに主人公が答えていないという男性上位の相関関係で始まりますが、
本作では珍しく、主人公の想いに反して鈍くて幼いヒロインは恋愛という感情まで登り詰めないまま終始します。
使い古された言い方では、親しい間柄ながら2人の「好き」の意味は違う、という状態です。
これはエロゲ的にありそうで意外と多くないなかなか新鮮味のあるスタートに思えました。
上手くすれば、誰もが何度も何度も何度も何度も経験した、あの胸が締め付けられる片想いの感覚をベースに、
そもそも自分のモノではなかった子が、もっと遠くに行ってしまうという、やり場の無い空虚感が味わえ
ありがちなNTRとはまた違った辛さを味わえたはずなのですが・・・。
残念ながらそうならなかったのは、
偏に目に入れても痛くない幼馴染が裏表のある変態教師と懇ろになってしまう過程が
大胆かつ非繊細にザックリ省略されていることが原因と思われます。
これについては制作者さんが前説(プロローグ)やら堕ち後(エピローグ)を先に作ってしまい、
その後、飽きてしまってor文量的に充足してしまって、何かもういいやってなっちゃんたんじゃないかと邪推します。
私が個人的に良作と推したい『いつのまにか彼女は』は、いつのまにか寝取られている訳ではありません。
幼馴染が篭絡されていく様をスキップすることなく詳細に描いているのです。
・寝取られで一番大事なのは「主人公と想い人の距離が大きくなる」過程
・エロゲで一番大事な「えちシーン」
もしこの2つの方程式がそれほど間違っていないとすれば、
本作の起承と転結のエロ解像度のアンバランスさは、寝取られエロゲとしては致命的と言わざるを得ません。
「幼馴染への片想いと失恋」、
「幼馴染は恋愛感情よりも家族の様な感覚で、教師と懇ろになった後も普段通り接してくる」、
「関係発覚後に幼馴染が、優しく冷静に主人公の男性としての価値を否定」
「寝取られエロゲにはふさわしい性悪な寝取り男」
本作の設定をこの様に並べてみると、夢の様なすばらしさです。
せっかく良い素材が活かされず、調理方法を誤ってしまったのが残念でなりません。
▼システム周り・操作性について
文章進めても音声止まらず・右ワンクリックで枠消しと操作系は良好ですが、
なぜかテキスト表示スピード調整が思うに任せない。最速設定にしても確実に目が文章を追い越します。
本読むときに速読する人とってはちょっとした拷問仕様に仕上がっています。
これで音声止まる仕様だったらこの世の地獄が味わえたものを・・・。
マウスホイールのロールダウンで一括表示できますが、
一々カリカリ回すのは酒の席で飲み干す毎に乾杯してくるおっちゃんと同席してるみたいで面倒くさい。
そういうのってちょっと読み(飲み)が進みづらいっす。
そのほか自分のサウンド環境だと声とBGMが至極バランスが悪く、
特に声が小さいためハード側でマスターボリュームをしばしば調整する必要がありました。