ErogameScape -エロゲー批評空間-

やんごとさんの他の男の精液で孕んでもいいですか…?4 憧れていた先輩のむっちり美乳は僕のものではなかった ―知りたくなかった彼女の秘蜜―の長文感想

ユーザー
やんごと
ゲーム
他の男の精液で孕んでもいいですか…?4 憧れていた先輩のむっちり美乳は僕のものではなかった ―知りたくなかった彼女の秘蜜―
ブランド
アトリエさくら Team.NTR
得点
62
参照数
4621

一言コメント

他の男の精液に恵まれぬ彼らに勝利が続くはずが無い。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

NTRゲーとして評価。
<絵>6.7/20点、<設定>30/30点、<キャラクタ性>15/30点、<環境>10/10点、<クリア後>0/10点
(*他の低価格製品同様に、低価格だからという事での加点はせずに評価しています)

▼寸評
いつもは低価格NTRモノに「抜きゲーとしては可、寝取られゲーとしては不可」などという評価をする事が多いが、
本作は敢えて逆に「抜きゲーとしては不可、寝取られゲーとしては可」としたい。

エロシーン自体はエロさに欠けるのだが、相思相愛の恋愛関係が崩壊に至るまでの過程はエロい。
抜きゲーとしては致命的だが、寝取られゲーが備えて然るべき「人間関係の変化にハァハァできる」という条件は充分クリアしている。
2週目からヒロイン視点で種明かしという手堅い作り。2週目では主人公とのセックスは端折られているのが無情で良い。

プレイの過程でエロさを感じても、回想シーンを見返すと大変使いにくいのは事実。そのため反復利用性は低い。
「寝取られゲーに何を求めるか」と「エロゲーに何を求めるか」が必ずしも一致していない自分にとっては大変評価が難しい。
最近は、購入後は自分が感想を書くまで他人の感想を見ない事が多いのだが、
評価が分かれるであろう本作はこれから他人の感想を見るのが非常に楽しみである。

一部のBGMが素晴らしい。
沙織ねぇと二人のシーンで流れる『05.まどろみの時間』はゴンチチのようなアコースティックな穏やかさで
酒でも飲みながら聞きたくなる曲。母性ヒロインの沙織ねぇの雰囲気にピッタリのイメージ。

文章進めても声は止まらずだが、
男声をOFFにしていても男声の箇所に差し掛かると再生中の女声が止まる『いつのまにか彼女は』仕様。
右ワンクリックで枠消し、男声OFF可。文字色などの演出で読みやすい。
通常会話時と喘ぎ声の音量差が大きいのはちょっと困った。


(以下、ちょっと深刻なネタバレ)





▼ここがオススメ!▼こうだったらもっとよかったのにな!
あれ、今ってまだ寝取られ前かな?と思わせる序盤の通常パートがステキ過ぎる。
寝取られゲーに寝取られ要素があるのは当たり前なのだが、そうなると寝取られる事が分かっているのでサプライズは無い。
本作の「寝取られ前じゃなかったのかよ!」的奇襲攻撃は、寝取られスキーにとっては初めて寝取られゲーをやった時の新鮮な驚きを
思い起こさせてくれる。狙ってかそうでないかは不明だが、この点、意欲的な作品を作り続けている同メーカ制作陣に感謝したい。

ヒロインは母性溢れる年上キャラ。
ちょっとお調子者な所が垣間見えるのもあわせて大変魅力的である。
ただし男を包む込むような度量があるかと言えばむしろ逆。
男に頼もしくあってほしい・依存したいというのが本音。このキャラ付けも好みが分かれる所だろう。
現実の普通の女性らしいリアリティを評価するか?それともキャラがブレていて残念とするか?
自分としては後者であった。

どうせ、依存型のキャラ付けであるなら、
母性と知性に満ちたヒロインが、どちらの男性にすがるかを選ぶかにあたって、
とても正気とは思えない判断を下すようなシナリオでも良かったと思う。
カルーア鈴木(YAKIYAMA LINE)さんの同人誌に出てきそうなショボくれた汚っさん先生がカタキ役だったら、
「ええ!?何で俺じゃなくてそっちなん?」というような男性選択を下される事で、
よりいっそう男性として不要と判断される痛感が増したのではなかろうか。
成熟したヒロインに穏やかに否定される事での胸がムカムカする様な逆転負けを味わいたかった。


▼ここがダメ!
・私服時立ち絵の胸がいい加減すぎる。まるで尻のような異常なのっぺり感。
・声の演技は良いが、期待のチュパ音が弱い。
・イケメン先生のセックス時の涼しげな顔は萎える。
・おっぱい盗撮されて脅されたからって体を許すってのは最早お約束のエロゲファンタジーなんだろうか。

(以下、かなり深刻なネタバレ)





▼各シーンと見所で追う「ざっくりあらすじ」のコーナー
①部活の終わった放送室で告白→キス→ペッティング。背中から胸と下半身に手を伸ばすも下校チャイムで時間切れで本番は未遂1。
終始、母性溢れるヒロインの仕草。事後に「いつも通り制服に身を包んでいたが、その奥の体を、俺はもう知っていた・・・」と
ちょっとした優越感(死亡フラグ)。
②下校後、主人公の自宅で。ペッティング→69→精飲
沙織「ほっふぉふぁんはるふぇ・・・(もっとがんばるねぇ)」
事後に沙織「わたしまだだから・・・続けさせてほしいな」(欲求不満フラグ)
選択肢「言葉に従う」→③沙織自慰(CG無し)・本番は未遂2。沙織「本番はまだ怖い(でもそんなに気を遣わなくても・・・)」。
選択肢「手伝う」→④沙織ペッティング(CG無し)・本番は未遂2。沙織「本番はまだ怖い(でもそんなに気を遣わなくても・・・)」。
ダミー選択肢だ。逃げ道無し。
⑤デート後の自宅で。積極的な沙織ねぇ主導で事始め。騎乗位→そのまま中出し。未通女(オボコ)デ騎乗位トカアリエナイト思イマス!
事後にメール着信音。慌てる沙織ねぇ「急用で帰らないと・・・」。
⑥主人公が独り放送室のPCで秘蔵のエロ動画を発見。同じ学校の制服の本番破瓜中出しシーン。男女の姿かたちは不明。
⑦夕食後に自宅で。積極的な沙織ねぇ主導で事始め。達人フェラ→寸止め。「わたしの中で・・・」→本番「精液でおなかたぷたぷ」
⑧放送室で観た動画を思い出す。あのホクロまさか・・・。
⑨放送室でまた別の動画発見。沙織ねぇのパイズリフェラ(男は不明)。あれ?ショックで勃たなくなっていた筈なのに。
動画後半に沙織ねぇの恍惚の表情が。主人公暴走。
⑩犯人を突き止めるため天井裏に潜入。放送室では沙織ねぇと顧問先生が。先生に開発された胸がなんとかかんとか。
弱抵抗しかしないのを見て主人公ショック、でも勃起で床ニー開始。
⑪結局おっぱじめる先生と沙織ねぇ。ゲーム開始時のシーンへ繋がる。
⑫翌日も潜入。そしておっぱじめる二人。現行犯でしょっぴくつもりだったが体が動かない。眺めつつオナニー。
⑬主人公の潜入と二人の情事が常態化。すっかり従順になった沙織ねぇを後ろから犯す顧問先生「俺と主人公とどっちがいいんだ?」
⑭主人公を見つけて縛り上げた上で、二人は背面座位。途中から罵りながら主人公を足コキ。「そうか俺はこういうタチなんだ」とコキュ(*1)自覚。
⑮沙織ねぇ卒業後に顧問先生も離職。メールでボテ腹セックス動画・・・そして伝説へ。

最近、一部の良レビュアーさん達が寝取られ論を感想に紛れ込ませていてこれがまた大変面白い。
自分もマキャベリとNTRの話を織り交ぜようと思ったけど長くなったので別の機会にでも。

くだんの11月新作ラッシュ、自分はこれで一段落です。でわでわ。

(*1)NTRでは定評ある汚フランスの言葉で「寝取られ男」の意。多分。