(GiveUp) ゲーム性重視作品として評価。Studio e.go!から続く神楽シリーズ。前作に続きローグライクとなっている。長所や短所は従来の神楽シリーズに同じ。ボリュームたっぷりでフルプライスに相応しく正月のお供に最適な一品。知性の無い汚らしい妖怪が可愛い巫女さんを孕ませようと手ぐすねひいて待っているという、そっち系が好きな人はどうしてもスルー出来ない濃ゆいコンセプトながら、陵辱展開に時間軸が無く平面的で、かつ絵やシチュには汚さとせつなさと力強さとが不足気味。いつも感じている次作へのお願いも含めて以下に。(ネタバレ度・小~中)
<絵>10/15点、<設定>0/15点、<ゲーム性>30/30点、<キャラクタ性>15/15点、<システム>15/15点、<クリア後>10/10点
(Give Upとしたのは1周のみのため。)
抜きゲとしてなら60点。
<絵>20/30点、<設>0/30点、<キャラクタ性>20/20点、<システム>10/10点、<クリア後>10/10点
▼絵・設
シリーズの回を追う毎に山本絵は安定。
人体の関節がヤバ気だったり、この人は誰?となるようなマイナス面はなくなってきている。
反面、妖怪が巫女を陵辱するという身の毛もよだつコンセプトにも拘わらず、
陵辱シーンの絵やシチュには汚らしさが無く、表情や心情描写もワンパターン。
加えて、毎回思うことだが陵辱された後の奥行きが無いのは、ヤマ場に欠けると感じざるを得ない。
妖怪1種あたりHシチュ2段階のみ用意されているが、
例えば、3度陵辱されると飼われ堕ち(*1)する等、展開に奥行きを与えてほしい所。
犯されても治療さえしてしまえば、昨日の悲劇は無かったかの様に日常に復帰してしまうのは、
いささか展開が平面的すぎる。
特定の妖怪に慣れてしまい、やがて抵抗や背徳を感じなくなっていくという変化があれば、
それだけ抜き所も増えるというものでなかろうか。
また、妖怪1種あたりCG1種(差分含まず)である事や、産卵と受胎の区別が無い事、
更に今回は出産エンドが非常に「ぬるい」ものになってしまっているのは
ゲテモノ陵辱そして妊娠へ・・・な展開を愛していると言っても過言では無い私としては残念至極であった。
蛙に種付けされても天狗に孕まされても産むものが同じというのもイマイチ。
妖怪毎に産まれる化物に変化が無いのも毎回残念。
もし本作を純粋に「抜きゲーとして評価」するともっと評点は低いと思う。
(*1)飼われ堕ち・・・すみません。わたしの勝手な造語です。
回を重ねる毎に妖怪との接触に抵抗感がなくなってしまったり(「もうしょうがないなぁ」みたいな)、
救出に時間が掛かり辿り着いた頃には囚われのヒロインが帰還する事を拒否するようになったり、
発見された時、既に何匹か仔を産み、遺伝子の半分を受け継いだ様な半妖に母乳を与えている所や
妖怪の群れや「つがい」と一緒に生活・行動している所を主人公に目撃されて発狂とか。
あ、これDeltaの『Monster Park』にも期待した事だったんだけど、あの時もダメだったなぁ。
そういうガチのヒロイン踏みにじり展開は需要ないんだろうか?(あーダメだ、この人)
▼ゲーム性
前回の『道中記』からローグライクのダンジョンゲーになっているが、
今回はレベル引継ぎやアイテム保持制限の緩和などの変更が加わっている。
こう書くと単純な難易度Downに聞こえるが、実際には敵キャラが強化されているので、
レベルを上げ強い武器を手にすれば猪突猛進でクリアできるという単純なものでは決してない。
敵の攻撃に合わせて防具の属性を替えたり、付与効果のある武器を発見・強化して対応していくのが重要。
オススメは毒+αの武器。例えば「毒の眠眠剣」なら一撃で毒+睡眠状態にすれば
放置していてもダメージが与えられるので敵がタフで包囲されやすい後半のダンジョンではかなり重宝する。
反面、体力1・自然回復停止となることで弱い敵にも負けることができ、陵辱されてもアイテムを喪失しない「生贄の符」や、
ある条件(*2)を満たす事で実際に陵辱されなくても妄想(回想)でシーンを回収できるシステムを採用する事で、
ゲーム部分が抜きゲ機能を阻害する度合を極力抑えるべく利便性を向上させた点は、地味ながらも確実な前作からの進歩である。
難しすぎず簡単すぎず。
遊べるエロゲが達成しなければならない、非常に困難なバランス調整を見事クリアしていると感じた。
欲を言えば2人を同時に使える場面があっても良かったと思う。
(*2)桜姫との会話で情報を得た上で、巨大な妖怪を倒してレアアイテムを獲得すると、桜姫との会話で妄想できる様になります(*3)。
▼キャラクタ性
自己の感情表現にやや奥手な弥生と、無邪気で性にも比較的拒否感の薄い梓沙はHシーンでも良いコントラストとなっている。
またダンジョンでは使用するキャラの交代にターンを消費しないので、
移動時・接敵までは攻撃力重視のチューンを施したリーチの長い梓沙に錆び止めのお守りを持たせた上で「前衛」として初撃を加え、
敵肉迫時には防御力重視のチューンを加え好みの付与効果のある武器を持たせた弥生に交代し殴り合いをさせるという戦術が有効。
互いの長所を活かせるこの辺の能力バランスも、2人のキャラクタ性を際立たせており、なかなかに心憎い。
但し、ヒロイン双方、Hシーンでの声の演技がイマイチ。
▼システム
クリックで文章進めても音声止まらずに設定可能、右ワンクリックで枠消しと手堅い。
キャラ毎の音声調整や男声OFF可。
▼クリア後や特典
予約特典で同梱されるでぼの符はかなり便利。
低レベル時の不意の全滅だけでなく、中盤以降のタフな敵に包囲されるというピンチにも役立つ必携アイテム。
また詰め神楽や追加のチャレンジダンジョン、救出システムなど、ゲーム本編外での様々な遊びも楽しめる。
特に試練場は質量共に充実しすぎで本編とのインフレがすごい。
(一部のサービスはサーバへのログインが必要。中古での購入はおすすめしない。)
(以下、ちょっとだけ深刻なネタバレ)
(*3)このシステムはわざわざ負けなくても良いので非常に便利です。
なお、一部のエンディングの分岐にキャラ毎の陵辱の有無や回数の多寡が関わっています。
したがって、クリア前まで陵辱なしで進めて分岐直前のセーブデータを反復利用する事で
コンプに必要な周回数を抑えることが出来ます。
(2010/12/30)分かりにくい表現を改正。および改行追加。
(2011/01/03)得点修正(設▲1単位)とちょっとだけ追記。