抜きゲーとして評価。館探索+触手陵辱=Aconite式黒ヒゲ危機一髪。全編女性視点。密閉空間の探索というドキドキする様なシチュである反面、内容量に不相応なまでに行動の幅を拡げてしまっている為、只でさえ単調なイベントを繰り返し見なければならないという、同メーカ前作の良い所も悪いと所も引き継いでいる。エロゲであれ単調さはドキドキ感の天敵だと思うのですよ。前作に比べると、絵は良くなっておりシチュも場所なりの変化が伺える(この点の改善は大きい)ものの、今度は化け物の方にバリエーションがなくなっており残念ながら一進一退といったところ。長文は感想に加えて問題点と次回作への期待をば(最後がちょっとキモいです)。
<絵>20/30点、<設定>20/30点、<キャラクタ性>0/20点、<システム>0/10点、<クリア後>0/10点
(*他の低価格製品同様、低価格だからという事での加点はせずに評価しています)
特殊属性情報(あり=属性持ち向け。少しあり=苦手な人でも耐えられる内容。)
スカ=大小。少しあり。
スプラッタ=貫通、四肢切断、出血。少しあり。
HR=ボテ腹、出産。少しあり。
ヒロインが襲われている際に、「身体を作り変えられる」「変化させられる」といった表現が頻出するが、
これが本作のコンセプトなのだろうか?
抜きゲに留まらず、ともすれば似たような中身の焼き直しばかりが目に付く最近のエロゲだが、
こういう明確なコンセプトと共に頭ひとつ抜きん出てやろうという方針は歓迎したい。
しかし、そうであれば、「作り変えられた」後の描写にもっとボリュームを注ぐべきだろう。
また、触手に襲われた後、気絶して、目覚めたら服も身体も元通りという展開は異常状況の連続性を失わせており、
身体を相手の都合の良い様に「変化させられる」という倒錯感を味わう事をできなくしてしまっている。
前作に比べ絵の改善は大きいが、化け物1種類にCG1種のみ(差分除く)。
各化け物には2回のシーンが割り当てられている作りになっている為、繰り返し感を余儀なくされる。
シーン数を減らしてでもCG2種にする事で変化をつけた方が「作り変えられる」感が味わえて良いだろう。
前作ではスラムだろうが教会だろうが全く違いのなかったイベントも、今作では場所に応じた変化が若干なりとも伺える。
反面、今度は現れる化け物が、ほとんど触手ばかりでやってる事も単調。
ところどころ大蜘蛛だの虫だのを織り交ぜた方が描く方も楽なのではなかろうか。また前作同様がEDが少ない事も難あり。
声は佐天さんみたいな低めのハスキーボイス。エロゲ的には好みではなく、好み以前にイベント時の演技が・・・。
プレイ中も攻略状況(コンプ状況)確認できる前作での特長は健在。
反面、クリックで文章進めると音声強制停止、右クリは環境画面固定は抜きゲとして機能性を低減させている。
なお、プロローグスキップが無いので、プレイする方には一番最初の行動選択画面でセーブし、
このセーブポイントから2周目以降を再開することをオススメしておく。
前作今作と、もう少し足りないながらも、舞台設定に興味が持てる個人的に期待しているメーカさん。
次回も、場所選択→タイヘンダーな作りでいくのなら、以下の点を改善頂きたい。
・同じ様なシチュの繰り返し。
・探索と時間経過はドキドキ感を高める上で良い組合せだが、気絶展開による断絶性と時間進行の単調さにより
タイムリミットを感じるが出来なかった。
・館に限らず探索にパズル解きは必須では?バナナを手に入れるには箱を踏み台にして棒を使うという能動性があれば、
上記のタイムリミットとの組合せで、「急いで何かしなくちゃ!」「でも、その為には・・・!」という焦燥感が楽しめる。
これが素晴らしかったのが『バイオハザード』(無印)だと思う。
次回作、例えば、こんなシチュはどうでしょうか、とか思う。
侵攻する敵軍。主人公の目的は敵最前線における浸透戦術。どの工作を仕掛けるかという行動選択。
選択肢を重ねる毎に時間が進む為、敵軍の侵攻も進む。工作内容により進軍速度を可変にする事で時間経過の単調感を回避。
主人公は2種類で、会敵している軍の将校斥候と、敵軍の予定進軍ルート途上にある町のレジスタンス。
それぞれ任務が、戦闘開始前の諜報活動と、町到着前の破壊工作と異なり、
片や進軍自体は継続させたい、片や進軍自体を阻止したいと立場を相違させ、各主人公のターンを交互させて葛藤。
どちらの工作成功率が多いかでBad EDの種類決定。
・・・とかいうゲームを触手とか畜生とかが沢山いるシチュでやってもらいたいです。¥4kくらいで。
あ、厨房とか言わないで。