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やんごとさんのシュレーディンガーの扉の長文感想

ユーザー
やんごと
ゲーム
シュレーディンガーの扉
ブランド
ティザーエプロン
得点
64
参照数
3567

一言コメント

NTRゲーとして評価。NTRに長々しいプロローグは避けられないものと思っていましたが、そんな思い込みをこの作品は打ち破ってくれました。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

<絵>13.3/20点、<設定>30/30点、<キャラクタ性>30/30点、<システム>▲10/10点、<クリア後>0/10点
(*他の低価格製品同様、低価格だからという事での加点はせずに評価しています)

(以下、深刻なネタバレ)

特殊属性情報・・・スカ無、複数戦無、ボテ有、出産無

(ポジティブな見所)
狙ってか、そうでないのか、
ともあれ手早い展開とNTR展開という一見矛盾してしまいそうな2つの命題から昇華して生み出された
アウフヘーベン的な作品です。無駄の無い構成力のなせる業なのでしょうか・・・このサークルさんに注目
したくなりました。

(ネガティブな愚痴)
おっさんルートで時間が飛びすぎるのが勿体無い。NTR感が弱い一因となっている。
もう一つ選択肢を設けて、堕ちたヒロインが事件発覚直後におっさん先生を庇って無罪放免、
その後も学校でおっさん先生と放蕩三昧という演出でNTR感の強化が欲しかった。
あと、どのへんがシュレディンガーなのかは最後まで謎でした。
異なる選択肢を選ぶ事でifの世界を覗けるのはこの作品に限った事ではないし・・・。

<絵>・・・決して上手いとは言えない絵ながらも、おっさんルートでは汚男をしっかり描く事で
ヒロインを失う悲壮感を味わわせてくれます。
おっさんルートはNTR感が薄く、正直単なる陵辱快楽堕ち展開ってだけな気がしなくもないですが、
綺麗な幼馴染が汚いおっさんに溺れていくという落差が生み出す味わい深いカタルシスが
カタストロフィを演出しています(+2単位)。主にヤサ男ルート全般でデッサンの崩れがみられましたが、
個人的にはおっさんルートが大満足で気になりませんでした。
このデッサン崩れを▲1単位としてないのは他の作品に比べ少々甘い評価かもしれません。

<設>・・・NTR展開の上で目新しさは無く、目をひくタイトルの意図も結局分からずじまいでしたが、
本来NTRとは時間の掛かるものという自分の中にあった既成概念を打ち破ってくれました(+1単位)。
不思議な事に早い展開ながらヒロインへの愛着醸造過程も機能しており、またボリュームは小さい作品ながらも、
ベタなNTRルートであるヤサ男ルートだけでなく、おっさんルートも実装しており、
バラエティに富んだ内容となっています。個人的にはおっさんルートの方が実用度は高かったです(+2単位)。
文章を担当された方が本当にネイティブの日本の方なのか、チョット心配になる誤植の連続や、
おっさんと致した後僅か1週間で妊娠判明というのは・・・(゚ε゚)キニシナイ!!w。

<キャ>・・・可愛らしい性格のヒロインを分倍河原シホさんが好演しています。
分倍河原と言えば駅前の「○石」なる居酒屋の味付ダイコンがオススメです。オデンノ季節ガ来マシタワ-。

<シス>・・・readmeに書かれていた通りシーン回想が無いのはこまめにセーブすることで
意外にも気になりませんでしたが、バックログで音声再生できないのは×。
またBGMと音声のバランスが悪くボリューム調整に不便を感じました。(▲1単位)