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やんごとさんの淫夢街 ~女勇者魔姦クエスト~の長文感想

ユーザー
やんごと
ゲーム
淫夢街 ~女勇者魔姦クエスト~
ブランド
Aconite
得点
40
参照数
4790

一言コメント

抜きゲーとして評価。ドラクエ的RPG風敗北陵辱モノ。少々特徴的な舞台設定が単調なイベントシーンで台無しになってしまっている、大変惜しい作品。このシリーズで次作があるなら注目します。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

<絵>10/30点、<設定>20/30点、<キャラクタ性>10/20点、<システム>0/10点、<クリア後>0/10点
(*他の低価格製品同様、低価格だからという事での加点はせずに評価しています)

<絵>・・・ヒロインの造形に印象的な所は無いが、イベントシーンで汚い怪物もちゃんと描いているのは
    吉(+20点)。しかし下水道だろうが屋外だろうが一貫してメタリックなこの塗りは何なのだろう。
    髪の毛と身体と鎧が同じ様にテカってるのは「低価格の絵です」ってワザワザ声を上げている様
    にも見える(▲10点)。

<設>・・・RPG+敗北陵辱といえば戦場や洞窟が舞台だが、本作は9割以上が街中でのイベントなのが特徴。
    個人的にはファンタジー冒険譚の最大の魅力は、むしろ見知らぬ地方の見知らぬ街の人いきれの
    中を訪ね廻る時の高揚感にあると思っていたりするので、この試みは評価したい(+10点)。
    しかしながら肝心の陵辱内容が、屋外だろうが屋内だろうが、スラムだろうが教会だろうが、何
    の違いも見出せない単調な内容の連続。低価格の異種姦敗北陵辱モノとしては辛うじて機能して
    いるものの(+20点)、これでは折角バリエーションに富んだ街の施設も単なるハリボテに見える。
    これがゲームそのものの作業感に繋がるという負の連鎖も生んでいる(▲10点)。

<シス>・・・イベント発生条件の種明かしみたいなの(「攻略状況一覧表」)があって進捗が分かりやすいの
     は吉(+10点)。反面、クリックで音声止まり・右クリックで環境設定固定など、抜きゲの実用性に関わ
     る欠点や、「攻略状況一覧表」で右クリックしてもタイトル画面に戻れないなどは妙に使いにくい(▲1
     0点)。この辺はデバッカチームから声があってもよかったのでは?

(その他、感想の追記)
やはりこの作品の一番残念な所は、イベントシーンの単調さだろう。
神殿や営舎の様なフォーマルな施設から、民家や広場、中央通りなどの生活感があってもいい場所、
下水道やスラム、酒場といった何が起こるか分からない危険な場所で、
それぞれの舞台の臭いがこちらにも届いてくる様な演出が欲しかった。

思えばこの点で、ゲームブック風味が特徴であった『ELEMENTALER』は
命からがら辿り着いた街に悪人と魔物のテリトリーが感じられる傑作であったと思う(欠点も多い作品だが)。
まだ感想を書いてないが続編『Thief & Sword』が残念な出来だったのは、絵や戦闘システムだけでなく、
こうした長所を、おそらく無意識的に、放り投げてしまった事が理由ではないかと思う。

もしも次作が作られるのなら、淫夢「街」と言うだけあって街という舞台を活かした演出を期待したい。

あと個人的な話だがこの所恒例になりつつある週末帰宅後、短編ゲームの一気読了。
ゲームとしても、抜きゲーとしても楽しみ方を間違えている気がしなくもなく・・・
ゆっくりやったら辛目の感想も多少は変わっていたかも、と思わせる作品でもあった。


(攻略情報がネットになかったので以下に参考情報)
淫夢街攻略
   勇 戦 僧
営舎 ● ● ×
広場 ● × ●
酒場 ● ● ×
下水 ● × ●
森林 ● × ●
神殿 × × ●
通り × × ●
スラム  × ● ×
港湾 × ● ×
民家 × ● ×
●=怪物遭遇、×=遭遇なし
3人それぞれ、怪物に遭遇する/遭遇なしの2通りの結果の組み合わせでEDが変化。
・3人全員遭遇→ハーレムED
・いずれか2人のみ遭遇(3種)→2人堕ち個別イベント(3種)→ハーレムED
・いずれか1人のみ遭遇(3種)→1人堕ち個別イベント(3種)→脱出ED
・3人全員遭遇なし→諸悪の根源イベント→脱出ED
この通りEDで共通シーンが多いのも、このゲームのヤマ無し感に拍車をかけている様に思えた。