COMIC☆1頒布作品。萌えゲ・・・なんでしょうけど、回想は少ないし話も微妙なのでどっちつかずになってしまったきらいあり。
まず初めにネタバレ回避のためストーリー以外をまとめて書いてしまいます。
CGは結乃6(うちHCG3)、千佳6(うちHCG4)、かみさま/共通(回想欄での表記のままです)4(うちHCG2)、SD7で計23枚。
回想は結乃と千佳が各2,ハーレムが1で計5枠。
一般販売価格2160円とのことですが、それを考えるとちょっと割高でしょうか。シナリオのボリュームに対してやや少なめという印象があります、というかSD絵の割合高すぎ。
ちなみにかみさま/共通のHCGはハーレムルートのCGとなっております。
Hシーンは枠が少ないながらも尺は長め。千佳におもらしと髪コキ、ランドセル(らしきもの)を背負って朝フェラがありました。
この偏り具合、アブノーマルは千佳担当なんでしょうか。
音楽はボーカル曲が主題歌とそれぞれの声優さんが歌う個別エンディング曲2曲の計3曲と、BGM24曲です。
いや、多すぎですって・・・否定はしませんけど個人的には別のところに労力をかけて頂きたかった。
回想モードではBGMのみしか聴けません。ボーカル曲は後で何かCD出すのかわかりませんがちょっと不満。ただBGM鑑賞モードに作曲・編曲者のクレジットと一緒に各曲のコメントが書いてあるのは良いですね。
OPムービーも結構凝った作りになっているかなと思います。定価によるボリュームの制約以外では商業でも勝負出来るかもしれません。
声は良いとは思いますけど今回ヒマリさんが個人的には思ったより嵌りませんでした。
キャラクター的にも千佳のほうが好みだったこともあるのかも。
コンフィグは商業と遜色ない出来です、同人ゲーを齧っている方なら問題無いはず。
このあたり気がかりな方は体験版で実際にプレイしてみてください。
なお、製品版のパッケージは普通のトールケースとなっておりますが、同人作品としてはたいそう珍しいことに説明書が入っています。
しかもカラーですよカラー。紙のマニュアルどころか、htmlマニュアルさえ無い作品も存在する中でこれには気合を感じ取りました。
あとパッケージ外側に紙製のフルカラースリーブを付けるというおまけ付き。
そういえばサークル水鏡の「灯穂奇譚」も同じような仕様だったなぁとふと思い浮かびましたがあちらのほうがマニュアルは簡素でしたね。そもそもあそこケr・・・
次からネタバレ入ります。
ストーリーは、実妹でかつ発明家でもある「結乃」が義妹である「千佳」の「にーさんとだけいられる世界があったら」という発言を基にして築き上げた「しすトピア」なる世界に主人公である「悠人」が拉致られるところから始まります。
「しすトピア」は「結乃」と「千佳」、そして「悠人」のみが存在する平行世界のようなものらしく、先述の二人の妹曰く「お兄ちゃんに決着を付けてもらいたい」そうで。よくある優柔不断な主人公、ということですね。
で、その「しすトピア」なる世界を監督するために忽然と現れた自称「かみさま」によると、3人でイチャラブすることにより「イチャラブゲージ」なるものが貯まり、「かみさま」が願い事を叶えてくれると言うのです。
この世界に飛ばされて5日目の選択肢で「悠人」(以下、主人公)はどちらの妹を選ぶか決断を迫られることになります。
さて、個別ルートの概要を述べます。
>結乃
幼少期に些細なきっかけで主人公に好意を抱いた結乃は、それからと言うもののお兄ちゃんにスキンシップを取るようになります。
しかしある日に素っ気なく流されてしまう結乃。翌日になるとわだかまりが解けたようにも見えましたが、しかし心の奥底で支え棒が邪魔をしています。
それからと言うものお兄ちゃんに頼らないようにしようと努力する結乃でしたが、お兄ちゃん実はお母さんに先述のシーンを見られてしまい、問い詰められていたのです。
家族会議で否定はされなかったものの、覚悟を問われた際に口ごもってしまいそれっきりだったものが、しすトピアで全て解決されました。
で、最終的には元の世界を「しすトピア」を良いとこどりした認められる世界を新たに作り、そこに行くことになります。めでたしめでたし。
>千佳
結乃に好意を持った数年後に施設からやってきた千佳、主人公は一緒に暮らしていくうちにやはりそちらも好きになってしまいました。
千佳も同様で、小さなことからすれ違っているように感じてしまった千佳も自立の必要性を認識し、海外へ旅立つ両親についていくことになります。その際にもらった帽子を形見として大事にしながら。
こちらは元の世界に戻ることになります。
帽子は千佳によると自己に歯止めをかけていた象徴のようなもので、エピローグでは決別しています。
以上です。
シナリオを重視した作品では無いとは思いますけども、幾つか気になる点がありました。
まず第一に「しすトピア」の存在意義が無いように感じます。
この作品に登場する人物は名前を挙げた4名ですし、また「しすトピア」から現実に帰っても特にこれといって変化を感じさせられるものもありませんでした。唯一エピローグのCGで成長していたさまくらいでしょうか。
そして第二に「かみさま」も特に必要無いという点です。
先述の通り千佳の発言を元にした世界だそうですが、「かみさま」が行ったのはイチャラブゲージなるシステムと付き合う過程などにおける細かい斡旋くらい。
そもそもイチャラブゲージなるシステム自体についても有用性に疑問を感じます。
一見良いアイデアに見えるものの、実際に使用された場面は各個別ルートの山場において願い事を叶えました、というだけ。
それも「元の世界に帰りたい」だとか、結乃ルートにおける観覧車セックスで気が付かない内に一周してしまったことに対する隠匿と、その程度になります。
結局はただのハーレム要因なのかな?という認識です。
といいますか結乃の発明家であるという設定も「しすトピア」の構築と千佳ルートでどこからか映画券が出てくるくらいでしか利用されていませんね。
話は無駄シリアス・・・とまでは言いませんが、煮え切らないような中途半端な話が多く、また結乃のラストもハッピーエンドというより偏愛のような少しずれたものになっているのに、エピローグではあたかもそれが普通のように描写してえもいわれぬ違和感を覚えてしまいました。
萌えゲとして見てもプロローグや共通部分である5日目までの流れに特に愛着などといったものを持てなかったので、どうもおすすめしにくい作品かなと思えてしまいました。
結局のところ体験版のようなお話が終始続くので、それが合うかどうかで判断して良いと思います。
以上になります。完全に蛇足になりますが、私今月は妹ものプレイしている割合が高い気が。