ゆめみがちーくと一部スタッフが共通ということでプレイ。
結果から言えば、フルプライスにしては随分物足りない出来だなという感想を抱きました。
仮にも2013年発売のフルプライス作品なのにまさか2時間かからずにコンプ出来るとは思いませんでした。
個別がかなり短く、既読も多いので一周終われば後はスキップで大多数飛ばせてしまいますね。
はじめに、今作は一種の調教SLGのような作品です。
主人公は「魔女の力を取り戻す」というエロゲではお馴染みの理由でイチカと頻繁にエッチをすることになりますが、共通部ほぼ全てを使って行われるそれのウェイトが必然的に高くなります。
で、そのSLG「っぽい」パートですが、Lv1~3まで存在し魔力の貯蓄に応じてレベルが上昇します。
レベルが上昇するとコマンドの増加や、またテキストなどの変化が現れます。
ここで注意して欲しい点は、コマンドが増えるとは言っても1Lv上昇ごとに1~3個で、かつ既存のコマンドはほとんどそのままCGを使いまわしている、というところです。
そもそも調教SLGを売りにするにはレベルの上昇幅やそれに伴う利益が余りにも少なすぎますね。
一番の問題点はHシーンのテキストが10年前の抜きゲ並に短いことですね。
今ではその手の作品どころか所謂純粋な萌えゲーでもHシーンが濃い作品が増えてきましたし、そういう作品と比較しますと実用性では勝ち目が無いと思われます。
体験版が出ていますのでこの辺り確認したい方はそちらをプレイしていただけると理解が早まるでしょう。
ではHシーン以外の出来はどうでしょうか。
個別ルートはHシーンを3回前後入れて前後をテキストで繋ぎ、最後も口をあんぐりさせられるような味気ない終わり方でした。
これはメインヒロインのイチカも例外なく全てのヒロインにおいてそうで、イチカエンドやハーレムエンドが複数存在するのでエンディング数は多いものの呆気ないです。
イチカエンドも片方は凪エンドと内容が被りますから必要性を感じませんね。
そもそもイチカがメインヒロインたる所以とは先ほどのSLG「っぽい」パートの存在であるといっても過言ではなさそうで、一応物語的にも彼女が肝とはいえ肝心の中身がこうもペラッペラなのは如何なものでしょうか。
イチカ以外のヒロインはそのパートでHシーンが無い分少なくなります。
次は共通部のSLG「っぽい」パート以外に目を向けます。
基本的には起床→登校→下校→夜イチカの部屋で特訓という一連の流れの繰り返しで、最後の特訓がSLG「っぽい」パートとなり、その他に関しては毎回僅かなテキストで描写されるのみとなっております。
イチカを除くと出番は雛乃が一番多く、自宅以外でも学校での会話も多めです。
逆に言えばそれ以外の2人は更に出番が少なく、イベント自体共通で軽いものが1つ存在する程度であまり印象に残りません。
これではヒロインに愛着も抱けませんし、仮にもヒロインの一角なのに近作でここまで出番が少ないキャラクターも久々に見て首を傾げました。
で、メインヒロインたるイチカですか、この子がプレイヤーによっては厳しいかもしれません。
あまり目立つものはさほどありませんが、先生の弁当やみかんなどを勝手につまんで後で説教されるというイベントが数回登場しますし普段から一定の傍若無人っぷりは発揮しております。
個人的にはこの程度でしたら許容範囲内ですが、あまり可愛いとも思わなかったのも事実でして。
メインヒロインが1人の作品においてサブヒロイン陣のほうが魅力的に映るのは致し方無いのでしょうか。
とはいえ他のヒロインにも首を傾げたくなるイベントが存在していましたのでそれ以前の話になるかもしれません。
おまけモードですが、CGはSD込みで80枚、回想は51枠です。
個別の枚数はカウントしませんが、回想枠はイチカのみで回想枠の3/5ほど埋めています。
ただ最初に述べたように回想はイチカにおいてCGの使い回しが存在し、それをそれぞれ別の枠としてカウントしている為実質はこれより少ないものと考えてください。
絵は良い部類だと思います。たまにCGで崩れているものがありますがあまり気になりませんでした。
音楽は12曲で、うち1曲がボーカル曲です。
主題歌「ラブリラ☆ジュエリラ」は白s・・・綾瀬理恵さんの歌唱で、作品のイメージに合った明るくポップな曲に仕上がっています。綾瀬さんの得意分野でもあると思いますね。
ちなみに曲のタイトルはイチカが魔女の力の源なる「フルムーンクリスタル」を修復する際に唱える呪文でもあります。
BGMも同じような曲調のものが散見されました。短い作品ゆえか曲数は少なめ。
以上になります。