ライターによって主人公のキャラ描写と完成度にばらつきがあるように見受けられるがポイントがおさえられてる傑作
主人公の描写が基本設定のラインを大きくはずれてはいないものの、それぞれのライターの個性が出てしまっているのかズレが出ているのが少し残念。それというのも、もともとキャラの個性がしっかりしていて語り口から行動まですべて特徴的であるがゆえ。
それぞれに味があるので割り切ればいずれも楽しめるけれども。
そして地の文になるとライターごとの差がさらに顕著に出る。気になる人は気になるかも。
キャラクターは魅力的だが、攻略対象外のサブヒロインのほうが個性にさらなる味があるため、少し残念。学園長と主人公の姉は特に魅力的だった。あとは上司。
(後に「グリザイアの迷宮」でHシーンが追加されたのはナイスだった)
盛り上がりの必要な終盤はかなり真剣に盛り上げてくれるのでポイントはおさえられていたと思う。
ただし残念ながらシナリオそのものの完成度はいまいち。説得力を持たせられるのにぎりぎり足りてない感じ。
唯一、主人公の姉が登場する長尺の回想シーン部分はすさまじく良質だった。ライターのレベル差ゆえか。
個人的には、シナリオ的に無理があるのは承知の上でハーレムシナリオがやっぱり欲しかった。
すべての女の子が見えない不幸を背負いまくってるのだから、一人も残さずすべての問題を片付けるスーパーヒーローの活躍をしてほしかった。ひとりだけを幸せにすると、残りの子たちがちょっと可哀想すぎる。
総じて良質の作品。すべてのキャラの性格づけにきちんとした意味があり、その裏側に傷やコンプレックスがあるという設定はなかなかに良かった。