極めて洗練された王道
ハーレムルートは無しで個別キャラエンドしかないが、基本的にメインキャラは最初から主人公に好意を抱いているのに近いため、準ハーレム状態でのスタート。
このハーレム状態に不自然さがないのは、主人公が知性的で爽やかで男らしさにあふれた魅力的なキャラとして描写に成功しているからであり、そして女の子たちも互いに仲良しというのがポイント。
つまり主人公を含めた全員が全員、仲良しグループなわけだが、この手のゲームは個別ルートに入った途端、選ばれなかったキャラがフェードアウトして個別キャラだけのエピソードが延々と流れがちなのに、本作はどのキャラのルートに入っても、きちんと全員登場しつづける。
選ばれなかったキャラも全員、恨みっこなしで応援してくれるし仲良しのまま、きれいに話が進むのでストレスが皆無。
選ぶのにちょっと困るくらいメインキャラがどれも魅力的に描かれているので、個別ルートに入っても準ハーレム状態を維持してストーリーが進むのはたいへん嬉しい仕様。それを盛り上げるための脇役キャラも良い味を出している。
そして一本筋の軸になる大きな問題があり、全員で力をあわせて解決するストーリー構成になっているので、全員に見せ場があり、盛り上げ方もうまい。適度に盛り込んだ中二設定がうまく生きてて、妙に設定に走ったりもしすぎず、バランスも良し。
また、濡れ場の描写がうまく、シーンの数も多めにしてあるのもポイントが高い。基本的にいずれもビッチキャラではないけど、快楽に溺れそうになりつつも恥じらいを忘れないヒロインキャラたちが大変魅力的。
ただ、強いて難をあげるなら、背景が一本筋のとおったストーリーなので、どのキャラを選んでも展開が終盤まで似たり寄ったりになる。一人目はいいが、二人目か三人目までしか純粋にストーリーを楽しめないのが残念。