キャラの台詞よりもナレーションの方に耳を傾けてしまうというこの作品。ダンディボイスで真面目にエロシーンまで語ってくれるこのシュールな光景は、以前何かの動画で見た、オナホの用法を真面目に淡々と解説していた女性社員を彷彿とさせた。
世界名作劇場を模した作りになっているらしいが、当方その辺の知識はあまりないので、なるほどなぁと見ていることしかできなかったが、OPから提供クレジット、はたまた他社作品を起用してまでのこだわりのあるCMだったりと、作り手の意気込みは伝わってきて感心する次第。
さて、この作品、選択肢次第でヒロインであるリーナの性格が変わるシステムなんだけど、恥ずかしながらそういう前知識を仕入れないまま本作を開始したもんだから、不意打ちアッパーを食らったような感じになってしまった。
いやお前パッケ裏にちゃんと書いてあるじゃん。
うん、1周目は良かったんですよ1週目は。
あちらこちらからのエロ誘惑に屈さずはね除け、ひたすらリーナ寄りに選択肢を選んでいき、救いの無さすぎる現実にも負けず、困難にも打ち勝ち、最終的には大団円なエンドを迎え、イイハナシで終わったわけだ。
で、2周目。
道中行きずりになる色んな女の子と、とにかくセ◯クス、セ◯クスと、ヤリチン主人公を目指していたら、、あぁリーナがなんてことに・・・
腹黒く、性格の歪みまくった、黒リーナの誕生である。
おとーさんこんな子に育てた覚えはないぞっ!
主人公が一発目の浮気を犯してから度々変化の片鱗は垣間見せてきながらも、決定的だったのが彼女のじーちゃん宅に招かれた時だったか。
リーナ「計画を練り直す必要が出てきたね」
ナニヲイッテイルノダロウコノコハ
1周目では感動のじーちゃんと再開シーンもあら不思議、一気に謀略シーンへと早変わり。
基本的なシナリオの流れは同じなんだけど、ヒロインの内面の変化一つでまったく印象の違うものにしてしまうこの仕掛けには賛美を送りたい気分。
それにしても一体どこで覚えてきたのか、じーちゃんに毒殺を計ろうと主人公にも話を持ち掛けてくるのだが、それに対して私も「はい」という選択肢を選んでしまうもんだから…
そこからはもう彼女の独壇場で悪逆非道やりたい放題。
そんな彼女の不幸にもターゲットになってしまったレナさんには同情を禁じ得ないんだけど、不覚にも興奮してしまった私を許して欲しい。
まぁそれでも基本的にはコメディ調ではあるので、そこまで鬱々としたものにはならないのだけれど。
このように、本筋はそのままにヒロインの性格に起因する形で一転したシナリオが進行していくのはなかなかに面白かったんだが、その変貌ぶりが唐突すぎて正直ポカーン状態であったので、やはりネタゲーの域を出ないといったところではある。