キャラは可愛い、シナリオはまあまあ良い、けれど人に勧めるほどでもないような
●シナリオ、キャラ
つばさ→珠美→千早→明穂の順にクリアしました。順に感想を。
・つばさ
悶えそうな妹キャラでした。共通ルートで特に可愛かったですね。
本人も「不遇だよ」を何度か口にしましたが、つばさの不遇さは
萌えポイント(死語?)のように感じます。
個別ルートでは、姉の明穂と自分を比較することでコンプレックスを
感じることばかりが目立っていました。もう少しいちゃラブがあっても
良かったのではないでしょうか。
えちぃシーンは正式に恋人になる前ばかりなのが残念でした。
最初の自慰は許容範囲としても、次のえちぃシーン(体育館倉庫)は
明穂への裏切り(主人公も明穂を裏切っている)、最後のえちぃも
寝取りという形になっているし。
明穂が成仏する直前の浜辺での会話も含め、人間の弱さというか
人間らしさを描写したとも言えますね。
学園祭の演劇部の出し物での配役に、ちゃんとした意味を持たせて
いたのは良かったと思います。
・珠美
共通ルートですがChapter4は泣かせますね。いつの間に珠美は実を
そんなに気に入ったのか、若干疑問に感じるのは否めませんが。
一応ツンデレキャラなんでしょうね。デレると結構可愛い。
明穂から届いた最後のメールだけで、あれほどまで行動に変化が
生じたというのは、少しご都合っぽく感じました。
ひとり鬼切りの役目を背負ってきた彼女ですが、主人公と結ばれて
多くの幸がありますように。
・千早
永遠を生きるであろう疫病神と、千早が好きだった男の子の生まれ
変わりである主人公が結ばれたわけですが、幸せな未来は待ってい
るものでしょうか。
・明穂
どのルートにおいてもそうですが、ほんの一部の人を除いて周囲の
人には見えないという状況下、横から茶々を入れ過ぎている感じが
しました。まあ可愛いから許しますが(笑)
プレイする人によっては不快に感じそうです。
明穂ルートに限りませんが、携帯電話がずいぶんと役立ちましたね。
これもご都合主義の一種と思われても仕方ないのでは。
終盤からエピローグにかけての「成仏→即生まれ変わり→10歳で主人公
に再会、しかも認知している」という流れに無理を感じました。
・サブ
委員長の彩乃が結構可愛い。
つばさルートでのハプニングで本当に誘惑されそうになりました(笑)
委員長ルートが一番シンプルなシナリオでしたね。明穂もさくっと
成仏しましたし。
サブキャラなのが勿体ないです。
友人の直之は特に無粋な介入もせず、でもそれなりにキャラが立って
いて良いと思います。
・主人公
稀にいいことも言いますが、基本はダメな主人公です。
劇中で明穂に評されたと思いますが優柔不断。自分で判断できない子。
そういう設定のようなので仕方ありませんが、プレイヤーにとっては
不快に感じる部分になりますね。
●CG、立ち絵、背景
5年前の作品とは思えないくらいCGは全体に綺麗です。
くすくすの原画と塗りが非常に高いレベルにあります。
やわらかくふわっとした感じが素敵です。
立ち絵とイベントの一枚絵の違和感もありません。素晴らしいですね。
逆に新作の「晴れときどきお天気雨」はあまり進化していないように
見受けられますね。
えちぃ一枚絵で吐息(?)が描かれていますが、えちぃ度合いが
増していいですね。
でも、口が閉じているときにこれが描かれていると鼻息かと思って
萎えてしまうのは私だけでしょうか。
●BGM、ボーカル曲
BGMは結構壮大な感じで、また良い曲が多いと思います。
ボーカル曲も良い曲が揃っていますね。中でも「凪」が一番かな。
●システム
右クリックがメッセージウインドウの消去/メニュー表示のどちらかを
選択できる機能くらいあれば良かったかな。
スキップ速度が遅いですね。立ち絵が変化するたびに詰まる感じ。
その他は特段の不満はありません。
●総評
テーマが「家族」だったとすれば、あまりうまく表現できていませんね。
泣くほど感動するかと言われるとそういう箇所はほんの一部でしたが、
ただの萌えゲー止まりでない点は良かったかも。
次のテキスト(台詞)はこうだろうと予測したくなる場面があり、
その予測(いわばお約束)の通りになることが多かったです。
自分としては安心の展開に相当しますが、人によっては先が読めて
面白くないと評するかもしれません。
長々と書きましたが、良作ではありますがオススメするほどの
作品でもないように思います。
2011年7月-2011年8月にプレイ。