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ぷち♪さんのさくらシュトラッセの長文感想

ユーザー
ぷち♪
ゲーム
さくらシュトラッセ
ブランド
ぱれっと
得点
100
参照数
934

一言コメント

期待通りだった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

さくらシュトラッセという作品は、私にとって手が出し難い作品というイメージがありました。
故に長い間温存していたけれど、しばらくつまらない作品を連続してプレイしていたため、
ちょっと気分を一新するために、新しく始まる絶望の日々から逃れるためのオアシスとして、
意図せず桜舞うこの時期にぴったりというさくらシュトラッセを
インストールしたわけです。本能の奥底の部分では
このゲームが今の精神状態に一番適していると訴えていたんでしょう。
時々この本能の奥底の意志に助けられます。抗いません。
結果的にこの本能の意思は間違っていませんでした。むしろ的確でした。
さて、プレイ途中での感想ですが。
まずさくらシュトラッセという作品をプレイする場合は、最初は魔女からと決めていたため、
マリールートをやってみたわけですが、いまいち心にくるものがない。
確かにヒロインはかわいい。萌えとかいうもので評価するなら満点でしょう。
世間ではドSで反抗的なツンデレヒロインなどが台頭する中、
ここまで出来たヒロインはなかなかいない。うむ、素晴らしい。
しかしちょっと躁鬱が酷く、メンヘラ一歩手前な感じ。
主人公の言葉を信じたいけど、でもやっぱりだめという複雑な気持ちが複雑すぎて
私には耐えられませんでした。おかげでシナリオを楽しめませんでした。
次にお姉ちゃん。風音という時点で予想通りのツンデレキャラでしたが、
こちらもややメンヘラ。付き合いきれない。いちゃらぶ要素が乏しく仲良くする場面が多くない。
どちらのヒロインも彼女にしたくないと思うほどめためたにされました。
そんな状態で次に選んだのがかりん。ルゥリィでもよかったものの、どうしても気になったわけです。
かりんはまずその言動が良い。アホの子まっしぐらな物言い。素敵だ。
共通ルートでの存在感は1人勝ち。何度彼女のルートへいきたいと思ったか。
ついに3度目で耐えられなくなったわけですが、
予想通り、彼女のルートは私に常に新しい刺激を与え続けてくれました。
主人公がまったりしていると、裸で主人公のところにくるかりんに
感動を覚えた頃の自分が懐かしい。最後まで終えた今は
もうその程度では満足しないほど調教されてしまいました。
特に印象深いシーンは、一緒にお風呂に入った主人公を尻目に風呂場でおしっこするシーン。
一緒に風呂に入るというだけで言ってみれば御褒美な訳ですが、さらにそこにおしっこ。
音と声付き。絵がないというのは、むしろ様々な考えの上であることが容易に想像できます。
シーン回想に間違いなくはいっているであろうこのシーンを始めてみたときの私の
心のそこから湧きあがる喜びを忘れることはないでしょう。
と、このように子供のような言動、振る舞いをするかりんに
すでにめろめろだったわけですが、これはエロゲですので、恋人になったり
セックスしたりするわけです。幼なじみの関係というのはエロゲでいうと一種の王道。
使い古されたシチュエーションであるだけに、事の運びには厳しい目を向けざるを得ないわけです。
もしも期待を満たすことが出来ない場合は落胆し、酷評していた事でしょう。
実際、途中までは不可解に思うところがいくつかあり、その点に対して
不満を噴出させてしまいました。一番大きな問題点を挙げるとするならば、
幼なじみという主人公の意識を変えることができない、という現状に業を煮やしたかりんは、
それを打破するためのきっかけとして、強力に作用する惚れ薬を
利用するわけですが、そこが解せない。できれば当人同士で解決してほしかった。
他人の力の介入は個人的に嫌いですので、どうしても納得することが出来ませんでした。
どうしてこんなことをしてしまったのか・・・前二人のこともあり、
流石にライターのことを嫌悪してしまいました。
しかしこれは早合点で、最後までプレイしてみてはっきりと、惚れ薬である必要性を
ある程度理解することができました。結果的に不満に思った点はほとんどが後で良い点に
置き換えられてしまいました。そこがかりんを評価する大きな理由の一つです。
次に評価できるのは先ほどもでてきた幼なじみというシチュエーション。それの扱い方。
この作品ではどうか。一言でいうなら、見事にやられた。
なぜ幼なじみであるのか、どうして幼なじみではないといけないのか。割とここがきちっとしていたと
思います。幼い頃交わした約束、主人公は覚えていなかったり、深く考えていなかったけれども、
ヒロインの方は今までの生き方、考え方を大きく変える約束だった・・・
これは確かにどちらかというと王道的な要素ですが、この作品では破壊力が違った。
年の割にはあまりに幼すぎる、正直知的障害者レベルだと
おもった自分を思わず恥じてしまいました。はっきり言ってそれほどに衝撃的だった、
明らかとなった昔の約束に劇中の主人公と全く同じ気持ちになりました。
このシーンには思わず涙してしまいました。今までの事が報われた、
本当によかったと心の底から思ってしまうような、それほどに感動的なシーンでした。
長いこと焦らされていましたし、さらに少し飽きが来ていたところだったので、
感動もひときわ大きいものになりました。
もうこの時点で、今まで馬鹿にしていてごめんっ・・・!!と謝罪していたわけですが、
さらにそのあと紆余曲折を経て、もう一度、主人公が告白するシーンで、
もう何もいえなくなってしまいました。
一度目の感動シーンは根底で惚れ薬で無理やり恋仲となった上でのやりとりであったので、
小骨が引っ掛かったかのようなどこかすっきりしない僅かな違和感がありましたが、
二度目の告白でそれもすっきりしました。ずっとないてました。そのあとのエロシーンでもないてました。
これほど完膚なきまで感動の渦に叩き込まれたことは、最近では全くありません。
とても素晴らしいエンディングでした。
そしてもう一つ評価できるのは、とっても淫乱だということ。
最初のエロシーンは主人公に無理やり襲われて、途中で怖がるというものだったので印象深く、
それとのギャップもあるのでしょうか、最後のエロシーンでは自らオナニーに耽るなんて
ことになっていて、少し混乱しました。
無邪気な感じから一転、ここまで淫乱になってしまったという変化に追いつけず、
しかし一方で、こうなるのはキャラ的にむしろ当然なのではないか、という考えも浮かび、
とても複雑な気分になりました。しかし淫乱なのは大歓迎なので、
ここまで変化したことに素直に喜んでいました。
思えば風呂場でおしっこするシーンも十分にエロかったです。
そう考えるとずっとえろえろでした。実は何も変わっていませんでした。
最後にルゥリィルートをプレイしました。
ヒロインとしては4人の中で一番好みでした。
しかしかりんルートがとても印象に残った素晴らしいお話だったので
どうしてもルゥリィルートは見劣りしてしまいました。
ルゥリィルートもとてもよかったんですけどね。

さくらシュトラッセは全くエロゲしたことがない方も、結構な数プレイした方も
十分に楽しめる傑作だと思います。
感想を見てもお分かりいただけるように、一番好きなヒロインはかりんです。
かりんかわいいよかりん