ただの脱出系ゲームかと思いきや… 怒濤の展開に後半は完全に圧倒されっぱなしでした
このゲームを知って最初は、電撃文庫からでているライトノベル「扉の外」シリーズを
連想しました。突然謎の施設に閉じ込められたクラスメイト達が
徐々に内に秘めた本性をさらけ出して崩壊していくというものですが、
このeuphoriaは閉じ込められた人数は圧倒的に少ないですが、
これもそういう話のエロゲ版なのかなと思っていました。
そう思いつつプレイ開始。
訳も分からず部屋に集められた7人が、よく分からないゲームへの参加を
強制されるところからゲームがスタートします。
それに抵抗するサブヒロインの委員長。
すると突然暗転し、隣の部屋へと連れて行かれるサブヒロイン。
のっけから電気椅子の刑に処せられます。
すでにここでもうこのゲームの空気に半ば飲まれかけていました。
糞尿を垂れ流し瀕死になるヒロイン…、過激な描写があることは知っていましたが、
ここまでとなると否応無しに今後の過激さを想像して期待してしまいます。
ここからはヒロイン5人のうちだれか一人を選んで、ゲームという名の
凌辱行為を5回行って閉じ込められた施設から脱出するという展開になります。
5人のヒロインはそれぞれ、
主人公の裡にある獣性を見抜き挑発してくる合歓、唯一の大人である英語教師の菜月、
何も語らないミステリアスな凜音、主人公が絶対に護るべき相手だとする
幼馴染の叶、そして主人公の後輩の梨香です。
最初に私は梨香を攻略に選びました。皆平常を保っている中、おどおどして
他人に助けてもらうことが当たり前だと思っているヒロインです。
彼女を選び凌辱していきます。冒頭の電気椅子のような過激さはありませんが、
人間としての尊厳を著しく破壊するような行為の数々。
目も当てられないレイプはもちろんのこと、スカトロや果てはゲロを吐くまであります。
最近のエロゲではたとえ凌辱ゲームでもどこか一線引いて
控えていた行為をガンガン行っていきます。
そしてヒロインの演技もまた過激です。ヒロインの印象が変わるぐらい
卑語淫語の類を惜しげもなくぶちまけ、絶叫やらなんやらとにかくすごいです。
特に梨香の声優のえずき芸とでもいうんでしょうか。表示されているテキスト以上の
表現力でえずいてます。ガチでゲップしたりもしてます。ゲロゲロです。かなり
つらい収録だったのではないかと心配になるほどです。
さて、激しい陵辱を都合5回行ったところでドアが開き解放されるのかとおもいきや、
最後にヒロインを人質に取ったゲームが始まります。
一人につき1ターン、失敗したらヒロインは死にます。
最初に登場する先生は残念ながら助けることはできませんが、
他のヒロインは何とか助け出します。
そしてついに外へでることができます。しかし主人公はヒロイン達を助ける際に負った
傷の所為か、倒れて意識を失います。と、ここでエンドロールが流れます。
なんだかよくわからない終わり方だなとおもっていたら続きがありました。
倉庫のようなところで目覚めた主人公はそこを抜け出し外へと出ます。
そして助けを求め歩くとかつて通っていた校舎が見えます。
しかし様子がおかしいことに気づきます。荒廃し、女生徒をレイプする集団を
みつけ狼狽する主人公は合歓をみつけます。合歓がこの暴虐の限りをつくす一団を
率いているとしり憤る主人公。大事な叶も捕まっています。
為す術なく捕まった主人公。しかしその後の混乱に常時逃げ出します。
が、結局捕まり引き戻されることに。そして屋上で梨香と叶どちらかを選べと
選択を迫られます。選んだ方を落とすと。梨香は主人公が自分より叶のほうが大事なのだと思っていて
自ら身を投げます。その後を追い落ちた場所へと向かう主人公。
しかし梨香は助けられていて、そのまま逃げ出し、日常へと帰るエンド。
正直一人目のヒロインを攻略した時点では、この抜け出したあとの学校のシーンは
蛇足だなとすら思いました。しかしそれは、梨香というヒロインがこのゲームにおける
本質にほとんど係わり合いがないためそう感じるのであって、
攻略を進める毎にむしろ、学校のシーンの方が大事なのだと認識できるようになってきます。
二人目は菜月先生を攻略しました。先生のルートは5人の中で一番さっぱりとしています。
基本的な流れは一緒で、繰り広げられる陵辱劇はまさにエログロです。
でもなんだか先生は余裕な感じで、悲壮感もなくてとてもエロいです。
最後のヒロインを助けるゲームで先生を無事救出し、全員で外に出ます。
その後の展開も梨香ルートとだいたい一緒ですが、あっさり合歓の支配から
抜け出して、二人で脱出、エピローグでは二人島で幸せな生活を送っています。
あまりのギャップにあっけに取られました。一番普通なエンディングといった感じでした。
三人目は凜音を選びました。陵辱されることを罰だといい、主人公の思うがままに
行為をしたらいいといってきます。主人公の心を見透かしたような発言で、
実際主人公は一切の躊躇なく陵辱を行っていきます。
そして5回繰り返し、やはり先生は救えないヒロイン救出ゲームを終えエンドロール。
そして荒廃した学校を目のあたりにし、合歓が全て仕組んだことだと
披露されるところまでは以前と一緒ですが、ここで凜音にとめられます。
そして凜音につれてたどり着いた先には凜音を教祖とする、合歓の一派と敵対する
宗教集団がいました。そしてその集団は見事合歓を捕らえることに成功します。
ここで終わるかと思いきや、話はだんだん複雑になっていきます。
凜音を中心とする集団は過激さを増し、凜音の思想に変化が起こります。
そして主人公と叶は軟禁されます。さらに主人公は救世主の父だとかいわれて
凜音に逆レイプされます。凜音の思想についていけなくなり恐怖を覚えた
主人公は元に戻ると信じ、凜音を連れ外に出ようとします。
しかし俄かに正気を取り戻した凜音によって大きな扉のある場所へと連れて行かれます。
そしてその扉に入り、場面がかわって二人だけの幸せな世界に誘われたかの様な感じで終了。
はっきり言って意味不明でした。いったん全てのルートを終わらせてから改めてみると
なんとなく理解できますが、初見ではさっぱりでした。
そして次に合歓を選びました。
やはり主人公に対して嫌なヒロインな感じをだしてきます。
陵辱しても屈服せずにむしろ主人公を挑発してきます。
合歓のルートだと脱出後はどのように話が展開していくのだろうかと期待していましたが、
最初は凜音ルートとあまり変わりないです。
しかしこのルートでは凜音の襲撃が失敗におわり、凜音は逃げ帰ります。
そして主人公は合歓に捕らえます。教室に監禁され、合歓の取り巻きに殴られたりします。
その後主人公は凜音を捕らえるよう命令されます。仕方なく承諾し、そして
凜音を捕らえ合歓の元へとつれてきます。その後凜音は合歓によって散々な目にあいます。
その後も主人公の怒りを買うようなことばかり行う合歓。
そしてついに主人公は合歓に手をかけます。首につかみかかり、殺そうとします。
しかし主人公は今までにいくつかの合歓の優しさに触れていて、判断を鈍らせます。
ついには合歓の首を絞めるのをやめてしまいます。すると主人公は後ろから刺され致命傷を負います。
意識が薄くなる主人公には合歓の泣く姿が見えます。「どうして殺さないのよ…」と合歓がいい終了。
大分端折っていますが、なにか過去のビジョンのようなものが見えたりと
いくつかの謎がちりばめられ、それらはどんどん積もっていくばかりです。
いったいどうなるのか最早想像もできないまま、最後の叶ルート攻略を開始しました。
叶を選択すると、私はあなたのことが好きだから何されてもいいんだよ的な感じで
進みます。なんとなく他のヒロインよりも要求されるプレイが軽いように見えます。
他のルートとほとんど変わらずに進行していきます。
外に出た後も合歓ルートとほぼ変わりありません。選択肢間違えたかなと思うぐらい
一緒です。いくつか新しい選択肢でてきたので思い直しましたが。
そしてやはり主人公は合歓の首を絞めるまでに至ります。
合歓ルートと違うのは本当に首を折って殺してしまうことです。そして暗転。
ここから怒涛の展開が待っていました。
実は黒幕は叶の所属する大きな組織だったのです。こういう話だったのかと最初は驚きました。
叶が意識をいじることができ、幼馴染という設定も記憶を操作することによってでっち上げたものでした。
本当の幼馴染は合歓で、かつて幼いころに出会ったのも合歓だったのです。
合歓は、叶の両親が行う楽園という研究の被験者でした。しかしある出来事によって
主人公と出会います。白い施設から出たことがない幼い合歓は幼い主人公に
いろんなことを教えられます。綺麗な物や優しい物。
しかし主人公と合歓は捕らえられます。主人公を助けるため自身の記憶を
自らの意思で消す合歓。その後も研究者の意向により、悲惨な物ばかり見ることになります。
だんだん現実に絶望する合歓。しかし主人公の事だけは忘れません。
そこに学園へ通うよう指示が舞い込みます。そして主人公と再び出会い、幸せの絶頂であった合歓。
しかしそれも長く続きません。殺人ゲームと称する学生同士の殺し合いが始まり、
合歓は主人公と一緒に逃げ回ります。しかし最後には叶に追い詰められ、
主人公は合歓の目の前で殺されます。主人公を助けてほしいと懇願する合歓。
そして叶は主人公を助ける代わりに合歓と賭けをします。賭けの内容は
合歓が殺したいと思うほど主人公に憎まれること。そしてあの
最初の白い施設でのゲームにつながるのです。
ここまで怒涛の伏線回収でしたが、圧倒されっぱなしでした。
最初の白い施設でのゲームなんてほんの序章でしかなかったんだなと思いました。
こんなに奥の深いシナリオだったのかと。
ゲームという名にかこつけたただの陵辱ゲーと思っていただけに、
大きく期待を裏切られました。
最終的には楽園のシステムとして組み込まれる合歓と、永遠に幸せな夢を見ることを選ばずに
現実の世界で合歓を救い幸せにすると誓う主人公。
そして数年後全てを忘れた合歓を救い出すというところで終了。
この一番最後のところはちょっと無理やりでしたが、十分感動しました。
プレイ中ヒロインに対する想いがどんどん変わっていく感じがすごいです。
そしてよく作りこまれた奥深いシナリオ。
ここまで悲惨な話でいて、しかし本当に最後のエンディングは全て報われ幸福なもので終わる
という点も素晴らしいです。
プレイして本当によかった…と心の底から思える作品でした。