こんな壮大な物語だったなんて・・・
背景は王道ファンタジーといった趣き。
しかし主人公は記憶喪失で、体には赤子が紐でつながれているという
ちょっと奇妙な出で立ちをしている。
紆余曲折あり紐でつながれている赤子は太陽神プロミアの生まれ変わりだと
言われ、相応の待遇の中に置かれる。
主人公は守護者というポジションでプロミアを守りつつも、
自身の記憶を探そうとする。
しかし二人はすぐに、自身のたどり着いた街ミルサントに対する敵である
黒禍から生まれた憑影という脅威との戦いに巻き込まれていく。
憑影との戦闘のため組織された六花という女性たちと共に
戦い続ける過程で、憑影に隠された過去に纏わる謎や、
主人公についての真実が明らかになっていく…というゲーム。
攻略可能人数は6人だけれど、最初に攻略できるのは二人で、
そのヒロインを攻略すると次の二人が攻略できるようになり、
そしてその二人を攻略すると最後の二人が攻略できるという仕組み。
この攻略対象が半ば制限される方式には賛否あるものの、
個人的には謎が明らかになったら次の謎が出てきて、
そしてそれらは投げっぱなしにならず、最後のルートで
全ての謎が一本につながるようにちゃんとできているので、
ここに違和感を覚えることはなく、楽しくプレイできた。
やはり特筆すべきはよく練られたシナリオだと思う。
全ての要素が余すところなく利用され、最初の
良くも悪くも王道のファンタジーっぽさが、
徐々に壮大な物に変容していくところは素晴らしい。
ヒロイン攻略が3段階に分かれている演出も
この壮大な物語を語る上で重要に機能していると思う。
絵や音楽もまた高水準、不満な所はなかった。
特に主人公の一物はモザイクがかかっていても
惚れ惚れするようなディティール。
レンコンや松茸みたいな一物が跋扈している現状に萎えていた自分には
素晴らしい一物に見えた。
主人公に紐でつながれているプロミア様を煩わしく感じないのならプレイしてみても損はない。