引きこもりの主人公がネトゲで会った巨乳美女に好かれてひたすらイチャラブHする、ご都合主義の塊のような作品。ビジュアル面は非常に素晴らしいがそれ以外の部分に難点が多く、コスパは低い。
【シナリオ】
引きこもり主人公がネトゲ内での友人に誘われてリアルで会ってみたら、相手はものすごい美少女。
初対面なのに恐ろしいほど好感度高めに接してくる彼女から次第にエッチなお誘いを受けてしまい…というお話。
引きこもりで身なりもコミュ能力も低い主人公へ積極的に言い寄ってくるヒロイン…というご都合主義的な展開は
喜ばしく思う前に作中主人公と同様「どうして自分なんかに」という疑問を強く抱いてしまいます。
この辺は一応後半に理由が説明されるものの、特に伏線等もなく急に出てくる上に説得力不足なため、やはりご都合主義感は拭えません。
ネトゲ内での付き合いが長いとしても作中では尺を取って描写されていないので、プレイヤー側が感情移入しづらいのも要因でしょうか。
中盤ではネトゲが謎の不具合により長期メンテナンスが発生、拠り所を失う恐怖を感じた主人公が解決に向けて奔走する展開に。
この件やヒロイン達とのリアルでの交流の中で、主人公は次第に自信をつけて脱引きこもりを決意するのですが
ネトゲ不具合の解決はほぼ他人任せだし、ヒロインとの交際も基本的に受け身的なので、主人公の成長要素も特に見所はありません。
選択肢は2つで、ヒロイン2名の各ルートと2人同時攻略的なルートへ分岐します。
2人同時ルートは各ヒロインルート攻略後に入れ、中盤は各ルートで知った事がダイジェストで消化される上、
両方のヒロインとの関係をズルズルと続けるうちにオチもなく終了…という非常に中途半端な出来。
一応メインヒロインに残されていた問題の解決はされますが、浮気のように両ヒロイン感をフラフラしているので感動も台無しです。
シナリオに期待はしていないので、いっその事3Pでもしてくれれば良かったのに…と思わざるを得ません。
【キャラクター】
●家村 歩
ネトゲ内では主人公の相棒的存在で、ゲームでも人気者な本作のメインヒロイン。
主人公が引くくらい好意をもって接してくるため、嬉しい反面なにか裏があるのかという懐疑的な印象を持ってしまいます。
オタクに優しいギャル程度ならまだ良かったんですが、いきなりチャHしようと提案されて一方的に始めるのはねぇ…。
そりゃ誰にでもそういう事する淫乱ビッチと思われても仕方ないでしょう。
実は以前存在していた別のネトゲの頃から主人公とは知り合いで、その頃から主人公には好意を持っていた…という設定。
昔から一途に主人公を好きだったと分かってようやく感情移入もできるようになりましたが、中盤に急に出てきた設定なので
序盤から伏線を張ってもう少し効果的に活用できれば、より魅力あるキャラクターになりえただけにもったいなさを感じます。
過去に主人公とやっていたネトゲへの未練も、個別ルートではなく中途半端な2人同時ルートで解決されるのも雑に感じました。
ルート分岐前に本番こそしないものの性的関係を持ってしまうため、別ルートだと割を食ってしまうのも可哀想というか。
●由比 亜希
ゲームや機械に疎い新人ネトゲプレイヤーにして霊感持ちな処女OLという、本作のサブヒロイン。
色々属性てんこ盛りな割にはあまり活かしきれていないのが非常に惜しいです。せっかくの年上社会人ヒロインなのに。
お祓いと称してなし崩し的に性的関係を持ってしまう彼女も、主人公にここまで好意を持った説得力が薄く感情移入しづらいです。
一応理由は説明されていますけど、それくらいならとっくに他の男と出会って処女ではなくなっているでしょうし。
主人公が歩と多少の関係を持った後に個別ルートに入るため、浮気相手というポジションから抜け出せないのが悲しいです。
本人もそれは自覚していてそれでも主人公を諦めるつもりはないのに、状況は特に何も変わらないまま個別ルートはぶつ切りのように終了。
略奪愛に走るとか、歩との修羅場に発展するとか、両方と交際するハーレム展開とかもなく拍子抜けしてしました。
エロ度はサブながらメインを食いかねない魅力の高さで、ハスキーボイスで耳元で囁くように奉仕してくれるので
ASMR音声作品のような実用性がありました。
反面、立ち絵と一枚絵の作画が違いすぎて同一人物という感じがしないのが惜しい点。
また本番シーンの半分以上がアバターコスなのも非常にもったいないと思いました。素の姿の方が何倍も魅力的なヒロインなので。
●主人公
過去のイジメのトラウマから引きこもってネトゲ三昧の日々を送る学生。
亜希ルートで成年という事になっていますが、規制への配慮なのか引きこもりでの留年のためなのか。
ヒロイン達との出会いを通して引きこもりの自分を変えようと行動するのはいいのですが、ネトゲ終了の危機の件にしても
能動的な行動があまり描かれていないのに自分の手柄のように考えているのが腑に落ちない点でした。
歩ルート以外だと流されるまま二人のヒロインとズルズル関係を続けていくのもクズさが増していて…。
彼の魅力がプレイヤー側にはさっぱり分からないので、ヒロイン二人がどうして惚れているのかの説得力が皆無なのが
この作品最大の問題点かもしれません。
【エロ】
シーン回想は33枠。1回あたりのシーンは短めで、連続したシーンも分割されているため体感的には半分くらいです。
ネトゲがテーマという事で、アバターコスでのプレイも数枠あり。
CGが本作最大のセールスポイントなので、エロに関してはそれなりに満足できる出来でした。
歩とのイチャラブHや、亜希のASMR的なご奉仕など、どちらのヒロインも性的な魅力は非常に高いので実用性は高いです。
射精カウントダウン機能やBGVを搭載したり、1回のプレイの尺をもう少し取ってくれれば完璧だったと思います。
【システム】
20年前のゲームかと思うくらい使いづらいUIです。
バックログの解除がホイールどころか右クリックでも出来ないのは地味に面倒です。
文字表示速度もノーウェイトに出来なかったりと、他のゲームで当たり前にできることができないのはマイナス。
【総評】
引きこもりの主人公がネトゲで会った巨乳美女に好かれてひたすらイチャラブHする、ご都合主義の塊のような作品。
ビジュアル面は非常に素晴らしいものの、それ以外の部分に難点が多く、総じてコスパは低いです。
ロープライスでの販売だったとしてもどうか…2000円以下で絵が好みならやってみてもいいかも…という感じです。
ちなみにゲームディスクの容量は505MB。まぁ手軽にやれるロープラ作品程度の感覚で買ったので覚悟はしていましたが…。