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ひのきさんのああっママになるっ! ~アナタを想って溢れるおっぱい~の長文感想

ユーザー
ひのき
ゲーム
ああっママになるっ! ~アナタを想って溢れるおっぱい~
ブランド
あかべぇそふとつぅ
得点
76
参照数
391

一言コメント

年上処女ヒロインとのオフィスラブ…ではなく、常軌を逸した狂気とも言えるママプレイをお腹いっぱい堪能できる問題作

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

【シナリオ】
仕事に厳しい上司「支倉 涼子」にこっそり残業しているところを見つかってしまった主人公「鳳 太一」。
誰にも労われず頑張り続けていた太一に母性をくすぐられた涼子は、彼を甘やかす「ママ」になってあげると宣言し…というお話。

ヒロインと主人公は同じ会社の上司と部下で、仕事一筋で異性との交際経験もない行き遅れ美人上司とのオフィスラブもの…
と想像する方も多いと思いますが、そういったラブコメ的な恋愛要素はかなり薄め。
幼児退行を強制するレベルでの常軌を逸した甘やかせプレイが本編の大部分を占めます。

一応お互い初めてのデートでドギマギしつつ楽しんだりと恋愛初心者同士の初々しい様子も見られますが、
好意を持つまでを丁寧に描いたりとか、ドラマチックな告白を経て恋人同士になるといった過程は全てすっ飛ばして
最初から「ママになる」と宣言してそのままHまでして即同棲という、清々しいまでの属性特化抜きゲーです。

それも授乳手コキや赤ちゃん言葉のような形だけのものではなく、そこらの凌辱ゲーに慣れた人でも引くほどのハイレベル。
どうもヒロインは主人公にワガママを言われる事に快感を覚えるらしく、ドMプレイが得意な風俗嬢も裸足で逃げ出す変態プレイを
喜んで引き受ける…というかむしろ主人公に催促してきます。プレイというよりは自己催眠やトランス状態に近いのかも。

 ・「おしっこも我慢する必要はないからね」とトイレに行かせずリビングや寝室でヒロインめがけて放尿させる
 ・SEX中、TVに映ったセクシーなタレントに興奮しヒロインに膣内射精後「あの人に中出ししちゃった!」と報告すると喜ぶ
 ・24時間年中無休であらゆる性的な要望を受け入れると宣言。仕事に厳しいはずなのに業務中でも人目がなければ受け入れる
 ・母乳が飲みたい主人公のために、母性を刺激することで母乳を出すことに成功
 ・主人公が望むなら何人と浮気しても構わないと笑顔で伝える

もはや母性に目覚めるというレベルではなく、ここまで徹底的にされるとむしろ恐怖すら覚えます。
本人たちが幸せそうな反面、見ているこちらはディストピアもののSFを見ているような非常に不安な気持ちに襲われます。
(主人公とヒロインの視点が適宜切り替わり、二人の本心が表示されるので本当に嫌がっている事はしていないのは分かりますが)
まぁセックスって公序良俗とは対極にある行為ですから、「まともな精神状態では本当に満足するセックスはできないんだなぁ」と
見識を改める機会にもなりました。抑圧からの真の開放とはこういう状態なのかなぁ、と。


【キャラクター】
●支倉 涼子

 バリバリのキャリアウーマンな主人公の上司兼ママ。おそらくアラサーで恋愛経験なしの処女。
 普通のオフィスラブものなら初々しい恋愛描写や照れる姿も見れたでしょうが、そうはいかないのがこの作品。
 頭のネジが外れているという言葉がぴったりな、常軌を逸した狂気すら感じさせるママ具合を見せつけてくれます。

 洗脳レベルで主人公を幼児退行させ、ワガママを受け入れると称して変態プレイを強要してきます(嘘は言っていない)。
 というかワガママ(という名の変態プレイ)をしてくれないと「信頼されていない」と残念がられてしまいます。
 処女なのに初めて触ったおちんちんに白と黄色のおしっこ両方をリビングで放出させるプレイは衝撃的でした。
 仕事に厳しい上司の顔もどこへやら。周囲に人さえいなければ、業務中でも主人公のおちんちんの世話は厭わない様子。
 彼がお願いすればリョナ行為やスナッフビデオの撮影でも喜んで許可してしまいそうで恐ろしいです。

 プレイが濃い反面、エッチと仕事以外の日常描写が少ない事もあり、キャラへの愛着や共感が高められないのが難点。
 心情描写はあっても何考えているか分からない(というか理解できない)から好きになり辛い…というのが率直な感想でした。
 せっかくのアラサー処女ヒロインなので、もう少し日常シーンや恋愛描写に尺を割いてくれれば…と思わざるをえません。


●鳳 太一

 頑張りやな性格から、涼子ママによって赤ちゃんにされてしまった主人公。
 涼子ママ曰く「甘え下手」との事ですが、あのレベルまで至らないと下手と言うなら誰だって下手だろ、とツッコミを禁じえません。
 職場で厳しい上司にリビングや寝室で放尿しないと残念がられて減点ですからね。赤ちゃん役も楽ではありません。

 開き直って赤ちゃん役に徹する姿は、ハッキリ描いたCGがないからいいものの、想像するだけでもキツいものがあります。
 20代半ばのいい大人が全裸で「バブぅ」とか「ママッ!」とか言う訳なので、テキストだけでも破壊力は高め。
 特にテレビに映ったタレントに興奮して涼子ママに中出しするシーンはドン引き。あれを受け入れるママにもドン引きでしたが。
 会社では普通に仕事しているシーンが合間に挟まれる事もあって、そのギャップが悪い意味で作用していました。
 

【エロ】
シーン回想は15枠。
先述の通りエロ描写はマニアックで非常に濃く、有葉先生の原画や花澤さくらさんの演技も相まって実用性は非常に高いです。
プレイ内容に抵抗がなければ…という前提付きですが。

抜きゲーなので射精カウントダウン機能は欲しかったです。
あと効果音が時々物騒なのが気になりました。腰を打ち付ける音がドアのノック音みたいだったり。


【総評】
年上処女ヒロインとのオフィスラブ…ではなく、常軌を逸した狂気とも言えるママプレイをお腹いっぱい堪能できる問題作。
特定の性癖持ちにはこれ以上ないくらいに刺さる唯一無二の作品ですが、それ故に人を選ぶ作品なので万人にはオススメし辛いです。
どんな変態プレイでも受け入れられる方、新たな性癖を開拓したい方、辛い現実生活に疲れきっている方には響くかもしれません。