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ひきにくさんの現実浸蝕サモンファンタズムの長文感想

ユーザー
ひきにく
ゲーム
現実浸蝕サモンファンタズム
ブランド
ism studio
得点
78
参照数
162

一言コメント

よ、姉ちゃん、いい天気だな!俺のパイルバンカーでセッコスしようぜ!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

というセリフが似合いそうな表紙とは裏腹に熱血系の作品。
効率プレイに対して怒ったり。ピンチな状態を努力と根性で突破したり。

とにかくノリと気合で進んでいく本作。
戦いのルールはあるにはあるのだが、あまりに独特すぎる&主人公たちが新しいスキルをばんばん覚えて色々な使い方をするので完全についていくのは厳しいかと。そんなに長い作品でもないし。
ちょくちょく戦いのルールが解説されるので、作り手はこういう世界が作りたかったのだというのが伝わってくる。やりたいことを詰め込んだと言わんばかりの同人らしい作品。
武器にバンカーとか使ってるし、対戦のルールがガンダムVSシリーズに近いしで、作った人はロボットが好きそう。
ノリとしてはライトノベルで申し訳ないがハイスクールD×Dなんかに近いかと。一言感想のような印象に残るギャグもあった。


自分にとっての良かった部分と悪かった部分をまとめると

良い部分
・「台バン!」「モンキー!」と常にアダ名で呼ぶので友情という言葉が似合うのが良い。
・全キャラ大活躍。脇役も活躍するのが好きな私にはたまらない。
・ほぼ全員が顔芸持ち。一番まともなのが表紙で一番濃い(自分基準)椿さんだった。
キャラごとに濃い特徴があるので登場人物全員が印象に残った。思わずツッコミを入れたくなるようなお気に入りCGも多い。
・バンカーってイイネ。最初から最後までバンカーを使って戦うので、私みたいにこういう武器にロマンを感じる人にはたまらない。
・戦闘曲が自分好みの熱くなる感じのBGMだった

悪い部分
・椿の戦闘時の見た目がやりすぎ。
弾丸がハートマーク、セクシーポーズ、たらこ唇、腹巻(パンツ?)
本人は良い人なのでそれがネタにされず、ただ気持ち悪いという感想だけが残ってしまった。
印象を残したかったとしても、せめてどれか1つにして欲しかった。普段の外見は好き。
・全国のトップランカーが数日特訓しただけの主人公グループにあっさり負ける
その程度のゲームなんですかこれ?とめさんは理由があったのでまだ納得出来るが紺ソ皇子に勝ってしまったのは流石にやりすぎだと思う。
努力すればどんな相手にでも勝てるということを表現したかったのかもしれないが、サモンファンタズムというゲーム自体が初心者でもちょっと特訓すればトップランカーに勝てるゲームというイメージの方が強く残ってしまった。
・システム周りが弱い。クリックしてもオートが途切れないのは良いが、ゲーム画面の外をクリックすると中断する。何かと並行作業しながらプレイしたい人には向かない。あと、音声再生時BGMの音量が下がるのが辛い。
・ラストがちょっと消化不良。俺たちの戦いはこれからだみたいな終わり方なのが。ただそれだけこの世界に浸っていたかったということなのでむしろ良い部分。


表紙から予想していたものとは違うタイプのゲームだったがこれはこれで好きだった。
友達同士でやるようなやり取りが多く、ギャグはそこまで多くないが、主人公が本能に忠実な上熱くて爽快感があり、楽しい作品だった。
俺とセッコスしようぜ!ととめさんのことは忘れられそうにない。