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ひきにくさんのすたーらいと☆アイドル -COLORFUL TOP STAGE!-の長文感想

ユーザー
ひきにく
ゲーム
すたーらいと☆アイドル -COLORFUL TOP STAGE!-
ブランド
FOUNDATION
得点
77
参照数
1484

一言コメント

だーくねす☆アイドル~~アイドル達の暗黒話~~

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

という名前がついてもおかしくないくらい題名の割に内容が暗いお話

物語はとにかく暗い、暗い、暗い!
問題にブチ当たる→悩む→マネージャーや仲間の力で解決。の繰り返し
ほぼ全編通してその流れなのでアイドルの闇やアイドルという仕事の大変さばかりが目立つ本作。
希望なんて回りに相談せずひたすらうじうじ悩んでいる描写があるので、なおさらネガティブに感じるかもしれない。何故希望という名前にしたのかとツッコミ入れたくなるくらい。
物語が暗いこともあって、シーンにたどり着くまでがさらに長く感じる。
勢いでヤっちまおうぜ!みたいな展開もなく、一緒に仕事をしているうちに惹かれ合ってキスして・・・お互いの気持ちを確かめ合ったら初Hという感じなので。私はこれを丁寧で良いと感じましたが、シーン目当てに買うと辛そうな

さらに、会話のテンポが悪い。例えば練習場で話題を出した場合、その話題に5人のヒロイン全員が各々の反応をするのでセリフも他のゲームの5倍。
お陰で影が薄いと感じたヒロインはいなかったのだが、選択肢ジャンプも無いのでオールスキップする際は選択肢までがものすごく長く感じた。
ハーレムルートの条件が個別ルートに行く方法とはある意味真逆なので、一度はこの長い物語をオールスキップする羽目になるかと。

ヒロイン個々の能力が高いので誰がセンターを務めても平気という設定は自然で良かった。どの子が攻略ヒロインとして選ばれても自然な感はあった。
しかし、主人公が敏腕マネージャーという設定が生かされているかと言われるとちょっと首を傾げたくなる本作。
序盤で智恵理がうちのマネージャーにならないか?と言ってましたが。欲しがってるのはマネージャーの腕というより誰に対しても優しい人格のように感じた。

ルートごとの終着点は思ったより違う感じ。
藍華なら親にアイドル活動を認めてもらう、純ならマネージャーとの交際をどう成功させるか等々、そのあたりは思ったより幅があって良かったですね。


>システム
スキップの隣にオールスキップを配置。既読スキップを気にする人には良い設定だったのではないでしょうか?
マスター音量はなし、BGM、SE、システムボイス、マスターボイス、個別ボイスの音量が設定可能です。
透明度設定ありで選択肢ジャンプはなし。
クリックしてもオートが途切れないのは嬉しかった


>シーン
純は6つ他のヒロインは7つ、ハーレム1つ
ただ、最初の2つのラッキースケベがシーンに入ってるのでマイナス2シーン、全ヒロイン5シーンと考えて良いかと。(人によっては虫がおっぱいに入ったから取るラッキースケベでハァハァできる人もいるのかもしれないが)
全員パイズリ装備だったのが印象的でした。さすがキャラ紹介にバストサイズを書いている&全員巨乳なだけあります。
シーンの中では純の脇コキや愛奈の足コキ、ワンワンプレイ(黒ガーター装備)が印象的だった。地味にマニアックなものがあって美味しかったです。

各ヒロインのシーンの他にハーレムはその他という項目もありますが、シーン1枠なので期待しないように。1枠の割に8人全員とのシーンをまとめてくれたのは嬉しかったですが。
なお、サブヒロイン3人組とのシーンはハーレムで1回ずつありません。
サブヒロイン達が本編で目立ちまくり、それこそ物語に無くてはならない存在なので攻略したくなるかもしれません、私はなりました。



個人的には満足度が高めだが、思い返してみると不満点の方が出てしまう本作。おまけに私は安く買ったので評価が甘めの可能性もあります。
自分はこういう努力して現状打破する話は嫌いではないですし、ご都合主義や違和感のある解決法をしているシーンが少なく、惹かれ合うまでの描写がしっかりしていたので自分の見たいものが見られた。
この物語に伏線回収などほぼありません。上でも述べたようにその場で新しい問題が出てきて解決→次のステップへを繰り返すゲームなので、アイドルという職業の苦労をソフトに描いた物語を見たい人向けかも。
プレイ中は結構楽しんでいたのだが、終わってみると印象に残ったシーンは少なかった。一番印象に残ったのが、棒読みで演技している希望からが台本を取り上げてこの役は私でなきゃ務まらないでしょう?と智恵理言うシーンだった。あとは足コキとワンワンプレイ、エロゲだから仕方ありませんね。

パッケージではボーカル曲多数と歌の多さがプッシュされていたが、特に印象には残らなかった。おまけモードで聞けるのだが、特に聞き直そうとは思うことも無かった。
下積み時代の苦労の物語を描きすぎたせいでそこにたどり着くまで時間がかかったせいだろうか?
表紙の華やかさとは真逆で、アイドルとして成功するまでの努力やアイドルの裏側を描いた作品を見たい人向けのゲームだと感じた。