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ひきにくさんのひまわり!! ~あなただけを見つめてる~の長文感想

ユーザー
ひきにく
ゲーム
ひまわり!! ~あなただけを見つめてる~
ブランド
Sweet light
得点
76
参照数
1060

一言コメント

変人ヒロインって可愛いよね。でも変人って意外と高嶺の花なんだぜ?・・・好感度上げるのって大変なんだね・・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

体験版から全力で変人っぷりをアピールしていたヒロイン達。
兄のぱんつを食べる妹に、マイペースロリっこ天体少女に、筋肉フェチな水泳部員に、厨二病患者のお姉さんに・・・
唯一まともなのは黒髪で見た目がクールそうな等々力さんくらい。ただ、個別ルートに入りだすと彼女のホンネや変人っぷりが分かってきてなかなか・・・
そんなヒロイン達に惹かれてつい予約して買ったわけですが感想を一言で言うと



予想通りの作品でした



共通でいかに変人なヒロイン達かを印象づけて、個別でそんな変人なヒロインがデレたらどうなるか描いている。
癒しゲー&萌えゲーといったところでしょうか。全ルート後半ヒロインの可愛さが際立っていたので分類するなら萌えゲーかと。
天体に一途な少女が主人公に一途になった時はそりゃもう、いちゃいちゃいちゃいちゃしまくりです。

E-motoがふんだんに使われ、ヒロイン達の可愛さを際立てる様子から無駄に使われている様子をのんびり楽しむゲーム。
部屋の背景が動くのをのんびり見たり・・・
ここは面白くなるかな!?というところで何も起きなかったり・・・
ツッコミどころだらけで、伏線を隠す気がないエンジェルウイングさんに・・・
立ち絵姿のままテキストを消して放置していても瞬きするので見ているだけで楽しい。

各ルートごとに問題は起こるのだが、重い作品ではないため、先がどうなるか気になる!?という展開は無かったですね。
みことルートなんて、大した問題も起こらずに終わったくらい。それがこの作品らしくて良いなと思いました(そもそも日常会話が尻を叩くだのパンツを食べるだの問題だらけだったりする)
個人的には等々力ルートが最も読んでいて楽しかったです。赤面しながらメイド服を着たり、赤面しながら主人公に寄りかかったり、テンションが上がりすぎて、普段の彼女からは想像できないくらい暴走したり
クールで引きこもりだった彼女が少しずつ主人公、そしてヒロイン達に心を開いていく様子は見ていてほっこりしました。

あと、みことルートではみことが変態に目覚めたエピソードまで書いてあって
・・・何・故・書・い・た(個人的には面白かったのでグッジョブ!!)


地味な会話でもやたら表情が変わるのがE-moto
一つの会話文でも、驚いた顔→考える顔→前かがみ・・・のように一つ一つの動作が丁寧
これを長いと考えるか丁寧と考えるかで作品への印象が変わるかと。こんな動作いちいち見たくないという人は本作とは相性が悪いかも・・・

楽しめた順番としては、等々力>天満>みこと>つばさ>和泉 という感じ
つばさルートもそれなりに良かったと思いますが、ファンタジー要素が入ったのと、8回もルート突入して何ともいえない気分になってこの順位になった可能性はあります(このあたりは下のシステム部分で解説します)



>システム
個人的にはE-moto部分は楽しめたので、E-motoの活用は十分だと思います。上でも述べましたが、これのお陰でキャラが細かく動いて見ていて楽しい。日常会話も奇人・変人ばかりでそれなりに楽しめました。
が、巻き戻し機能もといクイックジャンプ機能が無いので、また面白い会話を見ようと思ってもすぐに見られなかったり。演出の力の入れようは良いのだからそれを生かすシステムが欲しかった・・・
(シーン鑑賞で見られる部分も多いが、逆にごちゃごちゃしている印象を受けた)

あと、共通が長いので2周目以降が苦痛になる可能性を秘めているゲーム。
E-motoをなしにする機能もありませんし。スキップを高速にすることは可能なのでこれで何とかなるかな、と思いきやこれでも長い長い。
最初から始めるとスキップぶっ続けでもルートに入るのにかなりかかります・・・
最初から始め、スキップぶっ続けでみことルートに入るまでの時間を測定したら36分
選択肢から始める&本気でやればあと3分くらいは短縮できるかもしれません(正しい選択肢を攻略サイトで調べながら測定していたので)
選択肢と選択肢の間がかなり空いていることも多く、攻略サイトを使わない自分みたいなタイプにはキツいかと。

さらに、好感度が上がりにくい仕様なのか、自分は8回つばさルートに入りました。
あくまで聞いた話ですが、好感度がMAXでないとそのヒロインのルートに入れない→どのヒロインも好感度がMAXでなかったらつばさルートに入る仕様なのかもしれません。
(ちなみに、つばさルートに突入すると、いきなりつばさがフェラしだすので、突入したこと自体は分かりやすいです)

なお、つばさルートに8回も入ったのはスキップが遅く最初から始めるのが面倒だから、途中の選択肢からやれば他のヒロインに入れるだろうという考えで何度もロードしたから。
きちんと攻略サイトを見てセーブしていかないと、つばさルートに何度も入った挙句最初から始めるを繰り返す羽目になると思います・・・そう私のように!!!
・・・癒しゲーに見せかけて好感度のシステムはヘビーです・・・
みことルートなんて開始5分ほどで出てくる最初の選択肢を間違えたら入れないんじゃないかな?

あと、全体的に重いせいかコンフィグ行くのに10秒ほどかかったこともありました。これは体験版でもあったので、体験版をプレイしてみれば分かるかと。
PCの性能次第ではE-motoで重くなり、さらに動作が遅くなる可能性があります。
古いPCを使っている人には怖くてオススメしにくいゲームではありますね。



>エロ
萌えゲーとしてはそこそこ、ただしエロとしては使えない。・・・という人が多数だと思います
文章がどうこうではなく、モザイクがひどすぎる。破瓜の血や精液が四角に見えるレベル
男性器にモザイクがかかっているせいで、舐めてるんだか、しゃぶってるんだか分からないレベル
批評空間で使われている画像くらいにしてくれれば良かったのに・・・気になる人はlightさんの公式ページで見てみることを推奨します。
せっかくシーンでもE-motoを使っているのにそれが台無しになっているような・・・
ただ、萌えゲーらしくヒロインの魅力をとことん個別で出しているので、案外ヒロインの可愛さで興奮出来はします。
実際等々力や天満は結構威力があってお世話になったので、そこそこ使えるにチェックしました・・・ほんとモザイクのつけ方が惜しい。


えっちいシーンの数は
みこと6つ
つばさ5つ
天満5つ
和泉4つ
等々力5つ

・・・くらい


くらいというのは、どこまでをシーンと見なせば良いのかよく分からないのである。
というのもこのゲームのシーン鑑賞では、えっちいシーンだけでなく、細かいシーンもCG付きのものはほぼ全部見られるようになっているので。
みことを例に挙げれば、尻を叩くシーンに、パンツを食べるシーンに、主人公の体を洗うシーンに、EDにと全部見られるようになっている。
(悪く言えば、えっちいシーンとどうでも良いシーンがごちゃまぜになっている)
厳密に言うと、みことのシーン回想のコマは17個ある。

プレイの幅に関してはさほど広く無かった印象が、フェラや普通のえっちが多かった覚えがあります。
聖水や足コキといったマニアック(?)なプレイには期待しないように



>総評
ここまで色々書いてきたましたが、全体の良い点と悪い点をまとめると

・良い点
E-motoがふんだんに使われており、最初から最後まで安定して楽しめる作品である
ヒロインがほぼ変人
ヒロインが可愛い。もうほんと可愛い

・悪い点
とにかく狙ったルートに入るのが手間
スキップが遅い・・・そして共通が長い
モザイクがばつぐんだ


全体的に、キャラを生かす部分は優れていたのに対して、システム関連が残念と感じる部分が多かったです。
萌えゲーなのだから、ルート突入の条件はもう少し緩くても良かったかなと思います。
というよりも、選択肢を後半に集中すればスキップがここまで長くならなかったのではないかと(もしくは選択肢ジャンプを実装してほしかった)

萌えゲーとしては楽しめましたし、自分なりにヒロインは可愛いと思えたのでこの点数。システム関連がもう少し使いやすかったら+5点はしていたと思います。
ただ、これ一本に集中すると飽きる可能性が。
日々のストレスを癒されたい目的で少しずつ進めるか、別のことと平行作業してオートでのんびりプレイするタイプの人向けな気がします。
(自分は後者のタイプなのでそこそこ楽しめました)

体験版さえプレイすれば作品の雰囲気は分かるかと。作品内の雰囲気を大きく裏切るような展開はありません。
体験版をプレイして分からないことといえば、何周もする上でのシステム使いにくさとモザイクのひどさくらいですので。

ゲームを楽しむというより、アニメを楽しむ感覚のゲームという印象でした。