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ひきにくさんの狂った教頭No.2 ~この支配からの卒業~の長文感想

ユーザー
ひきにく
ゲーム
狂った教頭No.2 ~この支配からの卒業~
ブランド
蛇ノ道ハ蛇ソフト
得点
90
参照数
1264

一言コメント

性的な罰で統治される平和な学園、それは良いことなのか悪いことなのか・・・。輪姦抜きゲーか狂った世界を見たい貴方にオススメです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

教頭がモンスターペアレントを撃退するところから始まる本作。
狂った教頭というより、既に狂っている教頭が作る世界なので、ある意味ネーミングとして違うかな?と思いましたが、学校自体が狂っているのでそれはそれで。語呂的にもこちらの方が良さそう。

題名からしてこれはバカゲーだろう!とバカゲー好きとして誘惑に耐え切れず購入しまったわけですが、大満足。
ただ、世間一般で言われているバカゲーとは違うような。登場人物は皆真面目にやってます。なのにバカゲーになっています。
こんなんありえね~だろ!とツッコミを入れたくなるバカゲーというか、どんな事態でも「校則違反です」で済ませる教頭は恐ろしい。
教頭がモンスターペアレントを言い負かし、ヤクザをねじ伏せ、特殊部隊を叩きのめすという痛快な展開にスッキリするというところでしょうか?
天井にクモのごとくはりついているシーンは最早笑いしか出ませんでした。地球には重力があるとか、人間は天井に貼り付けるように出来ていないとかそういうのは関係ないのです、教頭の前では些細な問題なのです。

「きっと日本の軍事力では敵わないと判断してアメリカ軍に協力を要請したのでしょう」
な・ん・で・だw
ギャグとしてはこんな感じです。

心を鬼にして挑まねばならんのだ!
と逃げずに問題解決しろという姿勢は好感を覚えました。
テーマ性を重視するが故に過程はどうでも良い作品と言うか。性的な罰を儲けることも秩序を保つために行っているわけです。
ストーリーはつじつま合わせより爽快感やノリが先行してますね、何をやっても大抵「教頭だから問題ないな」で済まされるので。
篠崎ルートでは教頭と完全敵対するのに対して、蓮城寺ルートでは教頭と共闘します・・・ギャグじゃないですよ?
なお、神楽坂に入ると別ゲーと化します。
自分の神楽坂ルートに入った感想は

学校の秩序を守るドラマがエヴァになったと思ったら金田一少年の事件簿を見ていていつの間にかドラゴンボールになっていた

こんな感じです。伏線を回収しようとして神楽坂ルートでとんでも設定をつけた感じ、とにかくバカゲーとして割り切らなければ厳しい。
青柳ルートに関しては学園物かと思ったら陰・・・いやここは省略することにします。
「教師の底力を、なめるなよ!」
教師の仕事って魔物や特殊部隊と戦うことだったのですね・・・

ヒロイン一人一人の個別ルートが別ライターなのかな?と感じさせられる内容でした。
教頭のすごさを知らしめるという視点で見れば間違いなく成功していると思いますが、方向性が・・・
個別ルートがぶっとんでいることに関しては、元より校則違反をしたら性的な罰を与えるという設定自体がとんでもないので、割り切るのは簡単でした。OPもぶっとんでますし
ただ、OPで惹かれた方はご注意を

立ち上がれ今 俺は教頭
校則違反 許さぬ
すべてをただ正して 教育改革!
このOPを見て教頭が主人公なのかと思っていましたが、主人公は別にいたり。(ただ教頭の凄さが見れたのはこの主人公がいたからであり、悪くは無いと思います)

チョークが跳ねて ブルマが走る萌える制服の ゆく先へ
という部分から期待する人もいるかもしれませんが、SE○D覚醒・・・ではなくチョークが跳ねて割れる展開はありません、というか、チョーク自体作中に出なかったような・・・
あ、ブルマのシーンは多いのでご安心を。心行くまでブルマ姿の女子生徒を校則違反で罰してください


>システム
セーブ数56個・・・これが多いかどうかは人によりけりかと。
校内の色々な場所をいろついたり、選択肢がそこそこあったりするので、慣れるまではセーブする回数が多くなるかもしれません。自分は全部使い切りました。
クリックしてもオートが途切れない機能は搭載。マスター音量調整可能。ウインドウの透明度調整可能。Hムービー再生ON/OFF機能あり。
ただ、キャラごとの音量がおかしい部分も。茅春の声など場面によってはボリュームを20ほど上げなければ聞こえないレベルです。普段音量は気にしないのですが、調整しないと聞こえないほどだったのでさすがに気になりました。
・・・そして教頭に声が無いのがこの上なく残念です・・・
移動画面が多かったり選択肢がそこそこあるというのは大きな欠点になりうるかもしれません。
ゲーム性を持たせるという目論見ならそこそこ成功していると思いますが・・・結局2回あるヒロインを選ぶ選択肢さえ選んでしまえば攻略ルートは決まるので作業になりがちという。慣れれば良いですが、選択肢スキップは存在しませんし。選択肢スキップがかなり欲しくなるゲームでした。自分はこの文章や世界観が好きだったので特に苦痛は感じませんでしたが。校則設立時の移動画面では行くべき場所が光りますし。


>エロ
教師の権力を傘にして生徒に命令したり校則違反と称して襲うシュチュがほとんど。
校則だからといって目の前で尿を出させたり、バイブをつけて授業を受けさせたり他のゲームにはなかなか無い良さがあるのではないでしょうか?
自分は趣味としてはMっけがある方なので必ずしも趣味が合うわけではありませんでしたが(足コキとかフェラとかあったけど)
それでも十分使えたので、Sっけのある人にとってはかなりのオカズになるのではないでしょうか?
教師複数で生徒を襲うシュチュも多く、3人くらいで輪姦というものが多いですね。
校則LVが上がると校則の内容自体が生徒を守るものというより、自らの快楽を求めるタイプになるのはどうなのかとも思いますが、まあ抜きゲーですしね。


>音楽
意外と戦闘曲が格好良かったり。作中ちょくちょく使われるのでそこが良いのは嬉しい。
日常の曲は基本暗め。和姦やゆるい作品を求めている人には合わなそうな。
なお、ゲームの音楽鑑賞からはあのステキなOPを聞くことは出来ないので一応ご注意を。



自分にとってエロゲとは、主人公になって物語に入り込むものではなく、外側からドラマや映画を見る感覚で楽しむものです。
主人公=自分と考える人にこのゲームの超展開の連続はちょっと辛いかもしれませんね。
「教頭は何でも出来るんだ、この人は人間じゃないんだ」と初めから考えることが出来る人向けかと。

教頭の人間離れした強さに、ルールを守らない人間に罰則を与え、生徒に命令して行為を強要するシュチュエーション。
色々な意味でストレス解消できますし、悪くはないと思います。
このゲームが終わった頃にはイイハナシダナーと棒読みで言うと思います。そんなゲームがやりたければオススメです。





>その他感想
狂った学園のゲームではあったが、面白い世界だと思った。
「廊下を走った人間にはどんな罰がふさわしいですか?口頭注意ですか?そんなことでは学生が言うことをきかないことなど、君は身に染みて知っているでしょう?ならば尻を叩きますか?走れぬよう枷をつけますか?成績を下げますか?」
罰則=性的な罰という形で描いているが、性的という部分を別の何かに置き換えれば面白いのではないだろうか、たとえば体罰とか。
校則を破った人間には体罰を。そうすればこの学園のような従順な生徒達が出来上がるかもしれない。
「指導とは見せしめです。破れば恐ろしい事が待っている・・・そしてそれは確実に実行される、それがこの学園のルール」
「それが分かっているからこそ、ここの学生達は規律を守ろうとしているのですよ」
学力が高いだけの学園=裏側の事情
罰則を与えるだけ与えれば学力は上がるのかもしれない。学力が高い「だけ」見栄えが良い「だけ」の学園を選べばこうなるのではないか?
生徒が平気で犯され、命令される。そんな場所を作れば学力が上がるのかもしれない、従順になるのかもしれない。
「学園内も清潔感に満ち溢れていますし」
だが、それは正しいのか?正しくないのか?自分には分からない。

完璧に校則をルールを守る人間、それが教頭
そんな人間が力を持った世界。ある意味一つの形なのかもしれない。
人によっては正しいし、人によっては正しくない。
ルールを守るだけのマニュアル人間の危険性を示唆しているとも言えよう。
青柳ルートや篠崎ルートでも別のルールによって統治されている世界が見られたが、あれが正しいかと言われると・・・







>ネタバレ
「真の教職者とは、学生達の未来を守り、正しき道へと導くこと・・・」
「それ故、教職者は最後の最後まで、あきらめてはいけないのです!!」

ミサイルを叩き割る教頭

主人公「あの人は特別なんだ・・・まさに教職者の鏡なんだ!!」

イイハナシダナー(棒読み)