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ぱぴぷ~ぺんさんのスイートロビンガール -Sweet Robin Girl-の長文感想

ユーザー
ぱぴぷ~ぺん
ゲーム
スイートロビンガール -Sweet Robin Girl-
ブランド
Chuablesoft
得点
88
参照数
160

一言コメント

あまりにも優しく暖かく柔らかい最高の雰囲気ゲーム。世界観・ストーリーもよくボーカル曲とBGMも最高レベル。そしてどの個別ルートも涙を誘います。癒しゲー好きな方にはぜひプレーしていただきたい作品です。ロリゲーですが、ロリゲーにありがちなハーレム状態や鬼畜プレーは一切ありませんのでその方面の嗜好の方はご注意を。<推奨攻略順>フィオナ⇒エレン⇒プリス⇒メグ⇒グランドエンド

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「わけあり4人組」少女と「中年入口」で「普通」の主人公の心温まる物語。純愛ものです。
テーマは「悲しい過去を受け止め、そしてそれが引き起こした厳しい現実を乗り越えて生きること」。それに尽きます。

<ヒロイン>
HPの人気投票でエレンが1位だったことは記憶にあるのですが、詳しい結果は忘れてしまいました。
でもどの子も魅力的で順位をつけがたいものがあります。
第一印象~共通パートを終えてルートを選ぶ直前~個別ルートを終えた時点…そのそれぞれの段階で、好きなヒロインが大きく変化する人も多いと思います。

・フィオナ
相手・周囲・社会…といったものへの配慮を最優先させて行動する非常に心優しい少女です。
そのために自らの希望を我慢してしまうこともしばしば。
知的で教養にあふれ、言動や所作も洗練されていて、とても家出少女という雰囲気ではありません。
一方覚悟を決めた時の彼女は非常に強いものがあります。

・エレン
明るくしっかりした性格で、素直に感情を表すことに抵抗を感じるタイプでしばしば荒い口調になります。
HPの紹介にある「花」と「トゲ」がある少女という言葉がぴったり当てはまります。
根は本当に心優しい少女。料理の腕が抜群で、とまり木にも絶大な貢献をします。
記憶を失っています。(それも理由の1つなのですが)時々垣間見えるちょっと弱い部分にも惹かれます。

・メグ
明るく物事にこだわらない、元気なボーイッシュキャラ。
一方孤児院で育ち「家族」「社会」というものを全く知らず「愛情」といったものも理解できていない少女です。「スリは悪いこと」といったことから教えていくことになります。
ある意味最も純粋で素直なキャラと言えるでしょう。
日常のごく当たり前のやり取りも彼女には初の経験であることが多く、ある意味保護者として接するような感覚を覚えます。

・プリス
まさに純粋無垢。「よい人とそうでない人」「きれいなものとそうでないもの」といった判断はただ本能的に行っているのでしょうが、それは大体間違っていません。
絵を描かせると素人目にもはっきりわかるほど素晴らしい。
幼くフワフワしていて危なっかしい性格の彼女ですが、主人公やヒロイン達と生活しながら強く成長していきます。

シナリオ的に、フィオナとエレンは個別パートに分かれる前にその境遇がかなり明らかになります。
キャラも立っていておよその展開は想像できます。
フィオナは相続争いに加わっていくだろうし、エレンは記憶を取り戻すに違いない…
(エレンの過去は、予想をはるかに超えたものでしたが…)
一方メグとプリスは展開も予想できませんでしたし、どうやってまとめるのか不安でさえもあったのですが…その予想は大きく裏切られました。
あまりこの世界では見かけない展開なのでとても新鮮に感じられましたし、2人が成長していく姿には胸を打たれるものがありました。

ということで、どのヒロインも、そしてシナリオも素晴らしかったです。
人によってルートごとの評価は変わってくると思います。
様々なレビューサイトを見ても、あるサイトでは酷評されているシナリオが別のサイトでは絶賛されているようなことがよく起きていました。
ヒロインの好みが大きく分かれる作品と言えるかもしれません。

<推奨攻略順>
・フィオナ⇒エレン⇒プリス⇒メグ⇒グランドエンド
フィオナは他のヒロインのルートでも同じような行動を取るので、先にクリアしておくと後の???が減ります。
メグのシナリオは最も意外性があるので、他のシナリオを終えてメグというキャラへの印象がはっきりしてから入ると一層楽しめるのではないでしょうか。
エンディングもきれいで感動させられますし、他のヒロイン達や主人公の周囲の大人キャラが全員優しく2人をサポートしてくれるので、読後感が非常に良いシナリオになっています。このゲームの柔らかく温かい雰囲気に溢れていて、どんな人がプレーしても「不満を感じる点が最も少ない」シナリオだと思います。

<Hシーン>
強烈なロリゲーです。
自分はその方面の嗜好が弱い(汗)のですが(好き嫌いはないけどどちらかというと姉属性笑)、その嗜好が強い方にはかなり使えるものではないかと想像します。
特におしりからふくらはぎあたりの細さは非常にHなものがあります。
これがおそらく最も重要なところで、このあたりの肉付きを普通に書いてしまうとただの貧乳お姉さんになってしまいます。
それに留まらず手足の先に至るまで「華奢さ」に溢れていて、さすがはその世界の第一人者である関谷あさみと感心せずにいられませんでした。

個人的に致命的だったのは、ほとんどが着衣エロだったことです。
どんなコスプレよりも地の身体のラインの方がHだと考える自分は、想像力の欠如とも相まって着衣エロとかコスプレとかは苦手です。
せっかくこれだけ綺麗に「小さい女の子」の身体を描ける方なのだから、もっと身体そのもののラインを描いて欲しかった…
腰から下のラインに加えてもう1つ重要なポイントは、肩から胸にかけてのラインだと思います。
狭い肩幅は幼少なイメージを増幅させます。肩から胸まではだけたCGというのは、こういった女の子を書く上で非常に重要なことではないでしょうか?
ですが…そういうCGがほとんどないのです。
エレンだけはそういうCGが満載で大満足でした。入浴中の2シーンは本当にHでしたし、何気に恋人編の最後のシーンも無着衣で添い寝していた朝という設定ですし、共通ルートのプリスとの入浴シーンも。

でもそれ以外のキャラとなると、プリスとの最初のHシーン(上半身脱いだだけなのでお医者さんごっこみたいな絵ですけれど汗)と、縞ニーソ(ニーハイ?)以外全裸のメグとの最初のHシーン(メグが上になっているので胸は見えませんが涙)くらいでした。
フィオナに至っては露出度低すぎ! 肩が見えるのはノースリーブのドレスを着ている時だけという徹底ぶり。非常に悲しいものがありました。

エレンのCGがあれだけ素晴らしかったので、他のヒロイン達にも同じようなCGやシーンないのは残念でなりません。
トイレシーンではなくお風呂Hを全キャラ標準装備して欲しかったです…涙

ただまぁこれはあくまでも、その方面に特に強い関心があるわけではない自分の個人的な感想です。
その方面の嗜好の強い方(着衣H属性のある人)、想像力豊かな方にとっては相当オカズに使えると推測します。

Hシーンのテキストはとてもよいと感じました。
ヒロイン達の幼さや知識の少なさが故の不安感、それでも主人公への好意的な感情に身を委ねる様子、そんな描写がリアルに綴られています。
加えて主人公の視点での「感覚」の表現も生々しく、女の子によっては、CGない方がエロいのでは?と思うような場面もありました汗
全くその方面に関心はないのですが(我ながらしつこい汗笑)、エレンのお風呂の2回戦目とかは凄いです。

繰り返しになります…フィオナの全裸CGが欲しかったな~涙

<音楽>
BGMも含めて音楽が非常に素晴らしい作品でした。

ボーカル4曲のうちGreensleevesとクリスマスキャロルは曲としてあれこれ語ることははばかられますが、とても効果的に使われていました。
クリスマスキャロルをヒロイン達の合唱でグランドエンドに持ってくるというのはある意味定番に近いものがあると思いますが、バックの美しいCGと相まって胸に迫ってきます。
Greensleevesはハロウィンのダンスシーンの後、個別ルートの始まりであるTurning Movieのバックに流れます。情感あふれる曲で胸に迫るものがあります。ただ、あのスペルミスがなぁ…汗

オリジナルの2曲は本当に素晴らしい。

OPの"Birdies' Perch"は名曲です。
OPムービーの美しい画像とマッチして、このゲームの優しく温かい雰囲気をとてもよく伝えています。

そしてもう1曲の"Sweet Robin Girl"。
私は初め、この曲もイングランド民謡か何かだと信じて疑っていませんでした。
音楽の教科書に載っていてもおかしくないような美しく完成されたメロディーのワルツで、この世界の音楽とは全く異なる雰囲気を醸し出していたので。
ゲーム中でも、フィオナのバイオリンと主人公のピアノの協奏のバージョンが効果的に使われています。
第4章で2人が初めて一緒に演奏するシーンははすごく好きです。
回想モードのフィオナの3番目の「シーン」を選択するとそのシーンの少し前から通してこの場面を見ることができますが、このゲームで一番好きなパートです。もう何回見返したかわからないくらいです。
演奏シーンの前の4人のやり取りも大好きで、特にこのシーンでのエレンは最高によいです。
そして演奏シーン…
「【とまり木】に『スイートロビンガール』が鳴りひびく」
「それは俺の胸に、そしてフィオナの胸にも、優しい過去を蘇らせていただろう。」
このゲームのテーマそのものです。

どうしてこんな曲が作れるのだろうか…と首をかしげたくなるほどで、"Birdies' Perch"や他のBGMも含めて、この作品でのけんせいさんの仕事は神がかっていると思います。

ボーカルのないBGMも本当に素晴らしいです。基本的にはクラシック調のしんみりした曲が多いのですが、ほかにも様々なタイプの素晴らしい曲が並んでいます。

OPムービーで語りのバックに流れる「いつか羽ばたく日のために」は、「Greensleeves変奏曲」と言ったところでしょうか。
4人のヒロインのテーマ曲も素晴らしいです。
個人的には、優しく暖かく、でも格調の高さも感じさせるフィオナのテーマ「虹色の弓」が一番好きです。名曲です。
無垢な可愛さにあふれるプリスのテーマ「小さなパレット」、アップテンポでポップ調のおしゃれなエレンのテーマ「純白の薔薇」、ポカポカの日だまりを散歩している気分になれるメグのテーマ「踊る鼠」も彼女たちの雰囲気がよく伝わってきます。

そして日常シーンで頻繁にかかる2曲のBGM、「おさんぽ日和」と「コーヒー・ブレイク」。
この2曲は好きすぎて困ってしまうほどです。

「おさんぽ日和」は、個人的には昭和40年代の歌謡曲やフォークソングのイメージがあります。
平和な日常イベントで頻繁に耳にしました。
「コーヒーブレイク」は分類上は「ラグタイム」という、19世紀末~20世紀初頭にアメリカで流行した古いジャズ系の音楽です。
1970年代のアメリカの大ヒット映画"スティング"でこの「ラグタイム」の名曲を取り上げて当世風にアレンジしたBGMが使われて大ヒットしました。
その1曲"The Entertainer"は、誰でも一度は耳にしたことがある非常に有名な曲です。
ゲーム中ではちょっとほほえましくドタバタしたシーンとか笑えるシーンでよく使われていました。
エレンがシードルで酔っ払って主人公にからむシーンや、ビスチェの試着で放送事故もどき?(笑)を起こすシーン、フィオナがブラジャーをみんなに見せさせられたあげく脱がされるシーンとかが印象に残っています。

この2曲は雰囲気のいい共通パートの日常でかかるということもあるのでしょうが、印象にも残りますし、このゲームの雰囲気を作っている大切な曲だと思います。
それが個人的に大ヒットしてしまいました…

一方個別ルートに入ると、重い展開が多くなりますが、そこはクラシック調の名曲がしっかり支えてくれます。
「やわらかな羽根」はピアノ、「わた雲のゆくえ」はストリングスの美しいメロディーが切なさを煽り立てる、とても印象に残る曲でした。

他にも「古城の街レヴィンダム」「"とまり木"へようこそ」、そして個別パートに分岐するとても重要なハロウィンのダンスイベントでかかる「名もなき舞曲」など、好きな曲を挙げていたらキリがありません。
本当に音楽には特筆すべきものがある作品です。

個人的にはBGMも含めて音楽が最も好きな作品は"To Heart"です。
この世界に足を踏み入れた超初期に接したゲームでしたが、それを超える作品にはまだ出会っていません。
あのゲームは3人の天才クリエーター(下川・中上・石川)の競作でした。
スイートロビンガールの音楽はそれに次ぐレベルですが、けんせいさん1人で作り上げているのですから素晴らしいとしか言いようがありません。

<シナリオ:共通パート~ヒロイン達と結ばれるまで>
エピローグから共通パートにかけての流れが素晴らしく、CG(特に絵画調の背景画)やBGMの美しさも相まって一気にこのゲームの世界に引き込まれていきます。

家出少女4人組が借金まみれでつぶれかけた主人公の店「とまり木」の前にたたずんでいるところから物語は始まります。

4人と出会う前の主人公はすさんだ生活を送っていましたが、完全に自暴自棄になっていたわけではありません。
父親が蒸発した後、2人で喫茶店「とまり木」切り盛りしていた母親が疫病にかかり、高額な薬を何とか入手したもののそれも報われず死別して残ったのは多額の借金。
そして間もなく、追い打ちをかけるように、将来を誓い合ったレイチェルも蒸発。
あまりに悲惨な現実に、店もほとんど開けず酒浸りの生活を送っていた主人公でしたが、完全に現実逃避していたのではありませんでした。
周囲の大人達(ステフ・ジョナサン・ヒューゴ)の励ましも大きかったと思います。
「母親が残してくれた『とまり木』という店だけは何とか守りたい」という気持ちだけはかろうじて残っていました。
何とかこの状況から逃れて未来へ足を踏み出したいという思いは完全には消えていませんでした。
ただ単に前に向かって踏み出す元気と勇気がなかっただけだったのでしょう。
そうでなければこの物語は成立しなかったと思います。

そんな時に現れた4人のヒロイン達は、自分と同様に何か複雑な事情を抱えているようでした。
4羽のコマドリが雨に打たれる夢を見たからかも知れません。
一度は「とまり木」を出て行った彼女たちを探し出して一晩の宿を提供したことから物語は動き始めます。

ボロボロなってしまった主人公にとって、4人は暗闇のどん底から手を差し伸べてくれた救いの女神達でした。

個別ルート分岐前にヒロイン毎に準備された章が1つずつ設けられています。(第1章~第4章)
ここで主人公は、彼女たちのおかげで、レイチェルが自分の元を去ったのは自分が頼りないために捨てられたのだと受け止めて気持ちを切り替えます。
つらかったこの1年余りの時期を自分なりに受け止めて、前に向かって歩き始めます。
彼女たちの助けもあって「とまり木」に活気が戻ってきます。

主人公は自分の弱さをしっかり自覚していました。
コーヒーをうまく淹れることと優しさ位しか取り柄のない男でした。
そして、噓をついたり見栄を張ったりする性格ではありませんでした。
かなり年齢が離れたヒロイン達に対しても、あっさり自分の弱さを普通に曝け出して「素」のままで、感謝の気持ちと優しい愛情を自然に晒して接しました。

その様子を見てヒロイン達もすぐに主人公に対する警戒を解き、素で接するようになります。
(この時点では)唯一の「味方」である大人で、(頼りないところも多々あるものの)安らげる場所(=家族・家)を持たない自分達を優しく包んでくれる存在に変わっていった彼を信頼し好感を持つようになって、少しずつ自分の身の上を語り始めます。
4人が置かれていた過酷な境遇が次第に明らかになり、抱えている重い事情を知った主人公は、何とか力になりたい、守ってあげたいという思いで彼女たちに接すると、彼女たちは閉ざされた心を溶かし、開いていきます。

非常に複雑な環境の中で育ったフィオナは、こんなにも純朴で、弱みを隠さず真っ直ぐに接してくれる「大人」とは初めて出会ったのではないでしょうか。
「見栄」の塊のような人たちの中で酷い言葉を浴びせられ続け、唯一の理解者であり心の拠り所だった母親が死んだ後は傷心のまま放浪の旅に出ていました。そんな中で主人公に会った彼女が、悪からぬ印象を持ったのことは想像に難くありません。
記憶を失っていたエレンにとっても、彼の印象は同様のものだったことでしょう。
記憶を失ったことに気づいた後、初めて見つけた安息の場所、そして心を許せる大人、それがとまり木と主人公でした。
メグとプリスはおそらくほとんど本能的に、主人公に対して心休まるものを感じていたのでしょう。

4人が主人公の店「とまり木」で一緒に働き、同じ屋根の下で過ごしながら、ある時は不安や寂しさを癒してくれる対象として、またある時はちょっと頼りない部分を支える対象として主人公と触れ合い、互いに抱えた重たい過去を少しずつ整理し肩から下ろしていく。そんな展開の、あまりにも優しい雰囲気に包まれた共通パートでした。

正直、共通パートの終わりまではほぼ完璧な作品だったと思います。
評価が分かれるのはこの後、個別ルートに入ってからではないでしょうか。
フィオナやエリスについては個別ルートでどのような展開になるのかおよその展開は想像できるのですが、メグやプリスはどんなシナリオになるのか予想もつかない点が、興味深く、同時にちょっと不安に感じられました。(それは全くの杞憂だったわけですが…)

その後の第5章でヒロインの1人を選んで個別ルートに入ります。

第6章からはヒロインごとに異なるシナリオになりますが、どのルートでも最初の第6章で2人は互いの感情を共有して結ばれます。どのヒロインのルートでもこの告白シーンは胸を打つものがありました。
(結ばれるまでにもう少しだけ、お互いの恋愛感情が盛り上がるイベントがあってもよい気もしましたが、イチャラブがこのゲームの目指すものではないのでそれはそれでよいのでしょう)



<シナリオ:個別ルート>
◎フィオナ
・大人キャラと並ぶ立絵を見ると「え!こんなに小さいのっ!」と驚くような、知性・品性・人間性にあふれる女の子。
エレンも同様ですが、ゲーム中もあまり年の差を感じないヒロイン。

・好意は日に日に強くなっていく一方、彼女の才能や血筋を意識してそれを口にできない主人公でしたが、フィオナの積極的なアプローチのおかげで覚悟を決めてそれを受け入れ、2人は結ばれます。
(このアプローチもどうやら、エレンの後押しがあってのことだったようですが)
ハロウィンのお祭りのとき、主人公とダンスをしたいのになかなか言い出せないシーンはとても可愛いです。
基本的にはそういうキャラです。ただ、覚悟を決めた時のフィオナは非常に強いです。このあたりも彼女の魅力の1つでした。

・個別ルートには3つのエンディングがあります。「○恋人編」「○継承編」「別離編」です。(「○」が付いているのは、その後エンディング・ムービーが挿入されることを表します。無印は要するに「バッドエンド」です)

・「恋人編」は準備されたベストのエンディングでしょう。最後の選択肢で主人公が「とまり木」に戻ることを提案したフィオナはそれを受け入れ、バルフォア家を出て主人公と暮らす道を選択します。お互いの気持ちを確かめ合うとすぐにエピローグは2人の結婚式、最後はブーケトス…

本当にきれいにまとまっているのですが、少しだけ不満も残りました。
それほど短くはない期間、離ればなれになっていた2人がようやく元の鞘に戻ったわけですから、ゲームをプレーする側としてはそこで以前のような「イチャラブ」な時間をしばらくの間満喫したいのではないでしょうか。
「はいはい、結婚してハッピーエンドだよ!」だけで終わってしまうのは、個人的には寂しすぎました。
ちょっと「アステリズム」のエンディングとも似た寂しさでした。シナリオ担当としては余計なことを書かずに余韻を残して簡潔に終わると「美しい」エンディングになるのでしょう。その気持ちはよくわかります。ただ、このゲームのファン、フィオナのファンとしては、どうしても物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか。

このシナリオでフィオナは「レヴィン伯の継承は辞退」「伝染病関連の施設の完成を見届けてから爵位を放棄して、結婚して民間人となり施設でボランティアを続ける」という決断をします。これを一言で終わらせずに2人で話し合って決めるシーン、施設の完成の式典のシーン…そんなエピソードを盛り込みながら、バカップル振りを見せつけたりしてくれれば、少なくも私にとっては最高のハッピーエンドでした。

でもこれが1つの完成形であることは間違いありません。

・「継承編」は今後にかなりの不安を残しつつもとりあえずハッピーエンドといったところでしょうか。継承後のレヴィン伯としての活動に関してはラムゼイという超有能なサポートがいるのでそれほど心配はしませんし、主人公との関係についても悲劇的な展開になることはないと思いますが、主人公はいろいろと苦労するでしょう。この先の展開についてはフィオナ視点でもう1つシナリオが作れそうです。
まぁそういう意味ではこれはこれで後はプレーヤーが各自脳内補完すればよいシナリオなのでしょうが…

[その他個人的な感想とか…]
・最後の鐘を鳴らす儀式でロナルドが撃たれる場面ですが、何となく古い傑作アメリカ映画「スティング」の1シーンを思い出しました。
(上のBGMのところでも書いた作品です。この映画を思い出した1つの理由がこのゲームのBGMの1曲「コーヒーブレイク」であることは間違いないです)
敵と味方が錯綜するところがちょっと似た雰囲気でした。
(もう50年近く前の映画ですが、どんでん返しの連続の非常に面白い映画なので、興味を持った人は是非レンタルして観て欲しい作品です。主題歌"The Entertainer"は非常に広く知られていて、聞いたことがない人はほとんどいない名曲です)

・この4人組が「とまり木」の前にいたのは偶然ではなく、ラムゼイから「何か困った時はその店を訪ねてみるように」と言われていたからだったのですね…

・上にも書きましたが、個別シナリオに入る前のフィオナの章、初めて主人公のピアノとフィオナのバイオリンの合奏する場面は本当に素晴らしいです。協奏の「スイートロビンガール」の美しいメロディーに胸を打たれました。
別れや悲しみを乗り越えて生きていく…それがこのゲームの最大のテーマの1つですが、その象徴的なシーンでした。

・ラムゼイもグレアム・バルフォアの(正妻以外の)子であることは確実なので、フィオナとは異母兄妹ですね。(母親は別でしょう)
ラムゼイが継承すればよかったのではないかと思うのですが…顔の痣や、子供が作れないといった問題があることは承知の上で…。

◎エレン
・シュガスパ、晴れたか、好き好きなどのようにチュアブルさんのHPの残骸に人気投票の結果が残っていないのが残念ですが1位を獲得して抱き枕カバーが作られたヒロインです。

・フィオナ同様、年齢差を感じないヒロインです。しっかりした性格に加えて料理の腕は抜群。
素直に感情を表すことに抵抗を感じるタイプでしばしば荒い口調になりますが、根は本当に心優しい少女です。
特にフィオナとの関係がよいですね…。第4章の後半やフィオナの個別パートでは、2人の信頼関係、仲の良さがよく表れていて微笑ましくなる場面が多かったです。

記憶を失っているために全く拠り所がない身の上。記憶を求めて旅を続けていました。
そんな中初めて見つけた「ひと休み」できる場所が「とまり木」でした。
第2章、レヴィンダム城のバルコニーで自分が記憶喪失であることを認めるシーン…このゲームで一番好きなシーンの1つです。
このシーンをきっかけに彼女もまた、純朴な主人公の優しさに惹かれるようになります。

過去を失った不安、何とかして過去を取り戻したいという思いは依然として彼女の最大の心の大きな部分を占めていました。
一方、主人公や他の3人のヒロイン達ととまり木で生活を送ることの喜び・楽しさが日に日に強くなり、未来に向かって歩き始めます。

・エレンの個別ルートに入ると、本当に何の鬱要素もないまま、あっけないほどあっさり2人は結ばれます。
キス~告白に至る場面。
「どうしてそんなに、あたしのこと気にかけてくれるの?」
「こうしてあたしに付き合ってくれるのは、本当に……親切だからなだけ?」
いかにもこの世界ではよくあるやり取りなのですが、大好きなセリフです。
アステリズムでも1996年の名月が同じような言葉を口にしますが、それを聞いた時、このエレンのセリフを思い出してしまいました。

・しかし、その後ストーリーは急転直下、思わぬ激しい展開を迎え、悲しい過去と現実が明らかになります。
エレンが置かれていた状況はあまりに悲劇的で、救われないものでした。
「他のヒロインのルートだったらこのコどうなっちゃうの?」と心配になることはこの世界のゲームでは日常茶飯事です。
絶望的な未来が待っていたり、絶対このまま死ぬよね…みたいなことは普通によくあります。
エレンがまさにそれでした。他のヒロインのルートに入ってとまり木を出て行った後に同じことが起こったら…(まぁそれでもラムゼイが守ってくれるのかな…)
4人全てのシナリオを終えてから、もう一度どのルートを選びたいか…と問われれば、おそらくエレンを選びます。
こういう言い方はあんまりかも知れませんが、「他の3人は主人公なしでも何とか生きていけるよね?」みたいな…滝汗
エレンはとまり木を出て行ったら、すぐにもギアハンドの残党に捕まってしまいそうですし、運良くそれを逃れても、記憶が戻ったときに支えてくれる人が隣にいないのはキツ過ぎるでしょう。
外見や口調とは対照的に内面には弱いものも持っている女の子ですし。

・エレンのルートだけはバッドエンドがありません。「○恋人編」「○内縁編」の2つだけです。
(これ以上の悲劇を彼女に与えるのはさすがにはばかられるものがありますし…)
この2つの字面だけを見ると前者の方がハッピーっぽい印象も受けますが、「内縁編」の方がベターなのかな…
唯一の肉親だった両親の死によって全く身寄りがなくなってしまったエレンにとって、主人公だけが自分を支えてくれる存在でした。
2人は相思相愛でその関係には全く問題はなかったのですが、自分に自信が持てないエレンは、絶対に主人公が離れていかないように、自分が必要なときに一方的に甘えるだけの存在ではなく、調理師として一流になって主人公に認めてもらい、対等の立場で接することができるようになりたいと考えます。
とまり木を出て住み込みで修行したいと訴えます。
その意思を汲んで認めれば「恋人編」、プロポーズと同等の告白をして引き止めるのが「内縁編」に入ります。
どちらもハッピーエンドですが、個人的にはもしこの状況になったら迷わず後者を選ぶので汗笑、「内縁編」の方が好きです。

・欲を言えば、ハッピーエンドのシナリオの中で、エレンの過去というか、両親のことをもう少し取り上げてもらいたかったです。
両親の店の看板料理をとまり木で再現させるとか…。
どちらのエンディングにしてもエレンは調理師として生きていくわけで、彼女のその方面の才能のルーツは両親が営んでいたレストランにあります。
エレンは本当に悲しい運命に晒されるわけですが、もっと悲しいのは彼女の両親の人生です。特に母親はどんな思いでこの世を去っていったのか。
ただ単にエレンがその悲しみを乗り越えて生きていく…というだけではなく、せめて両親に何かの方法で報いる…そんな展開であればさらに心温まるストーリーになったのではないでしょうか。

・イベントCGのエレンはどれも皆すごく可愛いのですが、立ち絵のエレンの顔は個人的に今ひとつでした。嫌な口うるさい女の子っぽく感じることも汗

◎メグ
正直、シナリオが非常によかったです。
共通パートが終わってもどういう展開になるのか全く予想できませんでした。
そもそも、プレーしたERGが3桁になるような自分でも見慣れない設定のキャラだったということもあるでしょう。
そんなこともあって展開がかなり新鮮に感じられました。
ですがそれ以上に、この物語の主要な登場人物である、メグ以外の3人の女の子、そしてステフ・ジョナサン・ヒューゴの3人が主人公とメグの関係を優しく応援してくれる心温まるストーリーで、このゲームの雰囲気を最もよく表しているシナリオとして評価したいです。

真っ直ぐで無垢で本当にかわいい女の子です。こんなに純粋なキャラも非常に珍しいでしょう。
もちろん「無垢」を売りにするキャラは、個人的には(非常に肯定的な評価をしていると断った上で例に挙げますが)マルチに始まって、掃いて捨てるほど見てきました。ですがその多くは、単なる世間知らずのお嬢様だったり、非現実的な設定の下で育ったりした女の子がほとんどで、今一つその純朴さを受け入れにくいものがありました。
ですがメグは、その境遇(=設定)が自然で、加えて私のような「感情」というものに鈍感な人間にでもわかりやすいように心象描写が丁寧になされていることもあって、自然にその「無垢」な性格を受け入れることができました。
彼女の幼い外見もプラスに作用しています。

普通に進めばラブラブのまま平和に終わっていたであろうところに、レベッカとリンという2人のキャラを持ち込むことで、個別パートの終盤で物語は急展開します。
特にレベッカ。
主人公と将来を誓い合ったのに突然彼の前から消えてしまったレイチェルと、性格まで含めて瓜二つ。そしてレイチェルのように主人公に対する好意を膨らませていくレベッカというキャラの登場が、メグに大きな影響を与え、成長させ、そのシナリオを一層感動的なものにしています。

ただこの展開には、感心させられる一方、若干の不満も残りました。
単なる「他人の空似」で終わらせるしかないとは理解はできるのですが、立ち絵まで使い回すほど(笑汗)外見が似ているキャラです。
1周目では、(プリスルートのロージーのように)レイチェルとの間に何らかの関係があるんだろうけれど一体何だろう…? と期待して読み進めていたのでちょっとだけ肩透かしを食らったような気分になりました。

エンディングは「○再会編」「△別離編」「挫折編」の3つが準備されています。
他のヒロインのシナリオと比較して最終盤に選択肢が多く、その多くはバッドエンド(別離編・挫折編)に向かいますが、ハッピーエンド(再会編)に向かうことは難しくないでしょう。再会することができた後の雪の中のキスシーンはとても綺麗でした。

「別離編」に「△」を付けましたが、スタッフロールだけが流れるエンディングムービーはありますが、ハッピーエンドとは曲も違います。ちょっとニュアンスは違いますが「ノーマルエンド」のような扱いです。
エンディングで他の3人がずっととまり木に残るのはいろいろな意味で興味深いところ。
もちろんメグが、そして主人公が心配で、メグが戻ってくるまではメグを待ち主人公を支えていきたいという純粋な気持ちからでしょうが、3人が持っている主人公への好意も無関係とは言えないでしょう。
他のヒロインのシナリオでも、メインのヒロインと主人公が結ばれた後、他の3人はとまり木を去っていきます。
「別離編」の主人公は、言ってみればゲームの最初の頃と同様、結ばれて将来も誓い合った相手が理由も告げずに去ったまま戻ってこない状況になったわけで、3人がとまり木に留まろうとするのも当然といえば当然でしょう。
このルートの最後で主人公にかけたフィオナの言葉に何とも言えない暖かさを感じました。

この後ひょっこりメグが帰ってくるアフターストーリーを作れば、それはそれは感動的なものになりそうです。
帰ってくるなら結構早く、数ヵ月後だとは思いますが…でもきっと…帰ってこないのではないかと思います、私は(涙)

◎プリス
メグと同様、恋人になってまったり関係が続いている時は全く先の展開を読めませんでした。
そこにプリス父親、マシューが登場することで物語は急展開します。

シナリオとしては面白く、最終的にはこのどうしようもない父親に天罰が下る展開になります。
普通の人は(特に日本人は)こういった勧善懲悪ストーリーが大好きなはずなのですが…このシナリオは非常に後味が悪いです。
その理由の1つはもちろん、「懲悪」の「悪」がヒロインであるプリスの父であることです。
プリスの心情を思うととても手放しにハッピーとは言えません。

これに加えてもう1つ強く感じたのは…
「これはチュアブルのゲームではない」ということでした。
こういう救われない人物は、サブキャラであっても登場させないというのがチュアブルのゲームだったのではないか…そんな裏切られたような気持ちが強く残りました。
外注?の神代いづみさんが主に執筆されたのかな…と勝手に想像しています。
(神代さんのゲームは実はAngeの頃からプレーしていました汗。特に面白いとかは思わなかったのですが、例えば「Life ~思い出の橋に~」なんかは独特の新しさという珍しさがあってなぜか印象に残っています。恋姫シリーズがひと段落ついたところで執筆を依頼したという形なのでしょうか。アステリズムも一部シナリオを担当されているようなのですがどのあたりを書かれているのか非常に気になります)
マシューやロージーといったキャラはチュアブルではあまり見かけない雰囲気であり、それが展開を見えにくくしていたことも事実で、面白く感じた一つの理由だったと言えるかも知れません。

一方、最低の父親に振り回されるプリスは、心優しく健気な頑張り屋さんとして描かれています。
普通はこれだけ酷いことをされればいかに父親でも見捨てて当然なのですが、最後まで父のことを思い、悩むことになります。
その様子は正直、見ていてイライラするくらいでした。
このマシューという父親が、単に救いようがないだけでなく、変にリアルに感じられるからかも知れません。
画家の知り合いはいないけれど、この手のどうしようもない人間はそれほど短くない(汗)人生の中でも何人か見かけました。
こういうタイプはセコい犯罪者に成り下がることが多いような気がしますし、実際そういう人間は巷に溢れているのではないでしょうか。
そういうこともあって非常に後味が悪く、折角のプリスというキャラを壊してしまった感もあります。

エンディングは「○こいびと編」「△大成編」の2つあります。
「こいびと編」はまぁ順当な結末、それはそうだよな、こうなるよな…というストーリー。
でもとても心温まるものがあります。
父親が全く救われずに終わるけれどそれはそれで仕方がないのでしょう。
(こちらはメグの「別離編」と違って、マシューがこっそり戻ってきたりしたらすごく嫌だ…笑)

「△大成編」はメグの別離編のようにスタッフロールだけのエンディングムービーが途中流れますが、実質バッドエンドと言えるノーマルエンドでしょう。
いろいろと納得できない点も多く、確かにプリスは画家として大成する流れではありますが、父親はどうなってしまうのか、なぜ主人公はプリスと全く連絡を取らなくなるのか、なぜプリスは連絡してこないのか…その他様々なことが謎のままです。

エンディングを分岐する選択肢で問われるのは「自信」です。
自分がプリスに何をしてあげられるのだろう…と「自信」が持てずにこちらへの道を選択すると、フィオナもエレンが「それで本当にいいの?」と主人公を問い詰めます。
主人公は最後に、4人がやってくる前の自分に戻ってしまったのですね。

このエンディングは非常に悲しいものがあります。
メグの別離編と違って、数年後には他の3人も出て行ってしまいます。
それが主人公がプリスにしたことへの彼女たちの評価だったとも考えられます。

フィオナのシナリオでも同じように、主人公は一度は「自信」が持てずにフィオナがバルフォア家に戻ることを認めてしまいます。(選択肢がなく、展開上そうせざるを得ないのですが)
でも最後にはまたフィオナと接触の機会を得てエンディングに向かいます。
一方プリスのストーリーでは、この選択を誤ると後は一本道です。

それにしても、人の幸せって一体なんだろう?と思わずにいられないシナリオでした。
確かにプリスは「大成」するのかも知れません。
でも「こいびと編」のエンディングと比較すると…

Hシーンはあまり真面目に見ていません汗。スミマセン。

最後に、このシナリオで重要な役割を果たすロージーという女性について。
これまた??の多いキャラです。
彼女もチュアブルのゲームでは見かけないタイプです。
顔のCGはゲーム中に登場するけれど立ち絵はありません。
「Glossary」にも記述がありませんし。(フィオナの母親も載っているのですが…)
ほぼ間違いなく、主人公の腹違いの妹ですね。そしてそれを知るのはヒューゴだけ。
とまり木にやってきた時はたまたま主人公はいませんでした…

このシナリオのテーマは「ダメ父」ですが、主人公とロージーの父親も少しばかり貢献?しています。

最後に気が変わってもう少しレヴィンダムに残ることになったので、アフターストーリーが作れそうです。
(そうやって考えてみるとこのゲーム、回収されていない伏線がたくさん残っているのですね…。この辺もちょっとだけ残念な点かも…)

それにしても主人公とヒロイン達の中で、初期設定で明確に父親らしい父親のことが記憶にあるのが、最低?の父親を持つプリスだけというのも面白いところですね。
父親の存在というか正体がわかっている主人公とフィオナ・エレン・プリスにとっては、何かしらのネガティブな印象を与える人物として初期設定されていました。


<まとめ>
心が温まり癒される、あまりにも優しい世界。
音楽とCGの美しさにも特筆すべきものがあります。
その優しい世界を味わうべく、何度もリロードして再プレーしました。
再プレーでは共通パート素晴らしさを味わった後、大体フィオナかメグのルートでエンディングまで行くのが定番。
あとは分岐点(ハロウィンイベントの選択肢)をロードしてスキップを使って各ヒロインのシナリオの好きな部分を選んでじっくり…
そのたびにほっこりしています。

基本コンセプトがロリゲーで、非常に強烈なものがあります。
それもあってあまり評価されていないことがとても残念な作品です。

シナリオはどのルートも面白く、引き込まれるものがあります。
主人公もヒロイン達との関係に踏み込む時には、常に年齢差に抵抗を感じて少し躊躇しますが、最終的には「純愛」を貫いて2人は結ばれます。
ハーレム状態や鬼畜なプレーなども一切なく、綺麗で爽やかなエンディングを迎えます。

ただ、ERGとしてどうよ?と問われると…返答に困ってしまいます。

その属性が薄い自分がなぜこのゲームをプレーしようとしたかと言えば、それは「大好きなチュアブルのゲームだったから」としか答えようがありません。
そして上にも書きましたが個人的にはオカズ度は低かった。
でも雰囲気とシナリオと音楽は非常に素晴らしいものがあった…
ヒロイン達も皆、大好きなキャラで、それぞれに大好きで何度も見返したシーンがある…

そうとしか言いようがありません。
大好きなゲームの1つであることは間違いありません。
でも大好きなERGかと問われると、自信がなくなってきます。

そんな作品でした。(まとまっていなくて申し訳ありません)